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京大漫トロピーのブログです

2017アドベントカレンダーまとめ

清盛です。新年あけましておめでとうございます。
クリスマスが終わり正月も過ぎ去り、今更の感はありますが、2017年のアドベントカレンダーをまとめたいと思います。

 

2017年のテーマは「夜」でしたね。2017年の記事をまとめる前に、過去のテーマを振り返ってみましょう。

 

2012年 クリスマスに読みたい漫画

2013年 クリスマスに読みたくない漫画

2014年 ホワイトクリスマス

2015年 宗教

2016年 煩悩

(2013年以降は各年のまとめ記事へのリンクになっているので、良かったらどうぞ)

 

2015年から突如として狂った方向性も、少し持ち直した感じですね。夜ってなんかクリスマスっぽいし。

昔のテーマとか誰も覚えてなさそうだし、来年度はモロにクリスマスっぽいテーマに原点回帰してもいいのでは?

では、今年度の記事を纏めていきます。

 

【12/1】白黒


【12/1】アドベントカレンダー2017 - mantrog

 

【12/2】ハヤブサ


【12/2】3月のライオン原作漫画・実写映画比較 - mantrog

 

【12/3】ふゆ


【12/3】ふゆの夜はとても寒く - mantrog

 

【12/4】びたみん


【12/4】夜は、川面に跳ねる雨粒。 - mantrog

 

【12/4】醤油


【12/4】よく睡れるよお - mantrog

 

 【12/5】きゃべる


【12/5】月光条例における絵本のストーリー改変意図 - mantrog

 

【12/6】ばいたると


【12/6】明けて欲しくない夜だってあるさ - mantrog

 

【12/7】清盛


【12/7】お姫様の眠りを覚ますのは、王子様の━━ - mantrog

 

【12/8】1353


【12/8】人生確率論で突き詰められるくらい賢くなりたいですね - mantrog

 

【12/9】レニ


【12/9】寝る寝る寝るね ~僕は寝るのが好きなんじゃい!~ - mantrog

 

【12/10】鳥


【12/10】夜といえば......猫!!! - mantrog

 

【12/11】ファービー


【12/11】競馬入門 - mantrog

 

【12/12】新次郎


【12/12】嫁キャラについて語る夜 - mantrog

 

【12/13】北田


【12/13】究極の世界 - mantrog

 

【12/14】醤油


【12/14】I am but mad north-north-west. - mantrog


 【12/15】ピラタス


【12/15】過去好きだった漫画たち - mantrog

 

【12/16】kurabo(仮)


【12/16】今晩は、 つまらない映画。 - mantrog

 

【12/17】りるっと


【12/17】ハプバーにはよく腐女子が来る - mantrog

 

【12/18】ともお


【12/18】「宝石の国」第⑧巻の以前/以降をどのように考えたらよいだろうか - mantrog

 

【12/19】黒鷺


【12/19】THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! SSA 1日目とそれとは何の関係もない日の夜 - mantrog

 

【12/20】りんご


【12/20】TRPG「フィアスコ」と二つの倒錯 - mantrog

 

【12/21】まるた


【12/21】夜は短い。一年も短い。 - mantrog

 

【12/22】QP


【12/22】メソッドを確立した漫画家は強い - mantrog

 

【12/23】ならしか


【12/23】天橋立へ行ってきましたo(^-^)o - mantrog

 

【12/24】新次郎


【12/24】眠れぬ夜の暴走機関車、新次郎 - mantrog

 

【12/25】1353


【12/25】感受性を持って漫画を読む - mantrog

 

今年度はアドベントカレンダーの順番を決める当初は役職がまだ定まっていなかったので、一回生記事のスタートを切ったのは新会長の1353では無いですね。

12/4の時空が歪んでいるのはご愛嬌ということで。

 

 

 

【12/31】2017年漫トロ忘年会プレゼント交換結果

こんにちは、ふゆです。みんな帰省してしまったので一人寂しく下宿で記事を書いてます。
ちなみに今日はコミケ3日目、漫トロは東 ナ 03-bです。
今年も漫トロでは忘年会がありました。例年通り12/24に開催、世間はクリスマスイブだというのに参加率はかなり高いです。
というわけでプレゼント交換の結果を書きます。

☆★☆漫画交換とは☆★☆
漫トロの忘年会では,各人が適当に漫画を持ち寄り,くじを引いて同じ番号の人と漫画を交換する会が行われるのだ!
恒例行事となっており,忘年会といえばこれ!という感じである.(コピペ)(コピペ)

参加者
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1回生:1353 ばいたると 清盛 レニ 北田 鳥 新次郎 ファービー
2回生:白黒 ハヤブサ ふゆ きゃべる
3回生:ピラタス kurabo(仮) りるっと
4回生:黒部
5回生:QP
6回生:黒鷺 オグリビー マリー
O B :森のくまぞー

計 21人
1回生がたくさん参加してくれて嬉しい。来年の漫トロは安泰やな。
くまぞーさんは翌日出勤日だが来てくれた。

1組目 ふゆ⇔新次郎⇔鳥
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ふゆ⇒新次郎

漫トロの人間にも絵を描いてほしい。

新次郎⇒鳥

高木さん7巻セット。布教に熱心な模様。

鳥⇒ふゆ

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ふゆも左利き。


2組目 オグリビー⇔ファービー
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オグリビー⇒

球漫画。

ファービー

百合漫画。


3組目 ハヤブサ⇔清盛
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ハヤブサ

去年と同じ作品をチョイス、来年もか?

清盛⇒

清盛は岩明がすき。


4組目 りるっと⇔北田
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りるっと⇒

エデンの処女1 (リュエルコミックス)

エデンの処女1 (リュエルコミックス)

処女(おとめ)を処女(しょじょ)と読んでいた。

北田⇒

屋上ぴかぴかロマンス (百合姫コミックス)

屋上ぴかぴかロマンス (百合姫コミックス)

百合漫画2。


5組目 森のくまぞー⇔ピラタス
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森のくまぞー⇒

鬼火  フランス人ふたり組の日本妖怪紀行

鬼火 フランス人ふたり組の日本妖怪紀行

社会人パワーを感じる一冊。

ピラタス⇒

アンダーカレント  アフタヌーンKCDX

アンダーカレント アフタヌーンKCDX

サブカル漫画。


6組目 白黒⇔きゃべる
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白黒⇒

夢十夜

夢十夜

文学部っぽいな。

きゃべる⇒

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

宝石の国』が話題の市川春子


7組目 黒鷺⇔黒部
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黒鷺⇒

mantropy.hatenablog.com
今年のアドベントカレンダーで紹介した漫画を持ってきた。

黒部⇒

Pの悲劇 (Big comics special―高橋留美子傑作集)

Pの悲劇 (Big comics special―高橋留美子傑作集)

境界のRINNE  1 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 1 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 1巻…。


8組目 マリー⇔ばいたると
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マリー⇒

ワニとウサギ。どちらもごはんネタ漫画。

ばいたると⇒

めしぬま。 1

めしぬま。 1

めしぬま。 2

めしぬま。 2

百合好きは食あたりしそうやな。


9組目 kurabo(仮)⇔レニ
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kurabo(仮)⇒

クッキングパパ(143) (モーニング KC)

クッキングパパ(143) (モーニング KC)

クリスマスっぽい表紙の143巻と卵かけごはん編。

レニ⇒

新装版。


10組目 QP⇔1353
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QP⇒

五等分の花嫁(1) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(1) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(2) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(2) (週刊少年マガジンコミックス)

五つ子ちゃんたちがとっても可愛い。

1353⇒

リュックからバサバサ出てきた。
会長で締め、よくできたクジやでほんま。

ということで漫画交換は以上です。
アドベントカレンダーのまとめは誰かに丸投げして寝ます。

ではよいお年を。

【告知】コミックマーケット参加のお知らせ【C93 3日目】

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今冬も漫トロピーはコミックマーケットに出店いたします。
目玉の品物はやはり今年の秋会誌。今回で19冊目となります
~お品書き~
・場所 3日目 東 ナ03-b
・値段 400円
・内容 2017年漫画総合ランキング/総合座談会/2017年漫画個人ランキング/クロスレビュー/個人寄稿(糞漫画座談会etc...)/会員他己紹介
漫トロピーは例年一年間に何かしらの動き(連載開始・終了・一巻の出版)があった漫画を対象にランキングを作成しております。
さて、上の表紙の画像ですが、全て今年の漫画のセリフで出来たものです。このブログを読むほどの屈指の漫画読みであるあなたならどれがどの漫画のセリフだかわかるはず・・・?
上のセリフの元ネタを知りたい人も、ただランキングを見たい人も、ぜひ会誌をお買い上げください。

コミックマーケットでは過去会誌や東京大学の漫画評論サークルTMR様との合同冊子も販売しております。
こちらも併せてすべて通信販売を承っておりますので、ご興味がありましたらmantropy@live.jp か@mantropy まで

【12/25】感受性を持って漫画を読む

 新しく会長になりました1353です。今日でアドベントカレンダー企画も終わりということで、最後を務めさせていただきます。

 漫トロピーに入ってからの悩み(尤も、悩みといえるほど高尚なものでもないし、贅沢なものであるのだが)として一つ一つの漫画に割ける時間が減ってしまったことがあげられる。
 読者の方々は漫画を一冊に平均して何分かけるだろうか。作品次第というのが本当だろうが一般の青年誌なら一冊30分前後というのが相場ではないか(参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213327717)筆者は遅読に自信がある方で一冊当たり一時間かけることもある。ただ傾斜配分は当然行うから興味がそれほどない漫画については流し読みして10分程度で済ませる。
 ではなぜそんなに時間をかけるか、と言われたら当然時間をかけることで、そうしないと見えない新しいものが透けて見えてくるからである。それは例えば複雑な世界観を整理して理解することだったり、先の展開を予想することだったり、風景や顔の書き込み、コマ割りを逐一観察して登場人物の感情を分析すること、物語や構図が象徴することの解釈である。個人的なことだが、漫画を読むときにはどうしてもキャラクターに目線が行きがちであるため、背景の風景にも目を配りたいとは心掛けている。背景描写が丁寧な漫画ほど神漫画率が高いし。
 そうすると、どんな漫画を深く分析しながら読むべきかと言われたら「エモい」漫画、例えば悲劇であったり、ファンタジーが該当するかもしれない。実際そうであると思うが、ここではひねくれたものの見方としてギャグマンガを頭を使って読んでみることを考えてみたい。

慈母れ!ヒイラギちゃん (MFコミックス フラッパーシリーズ)

慈母れ!ヒイラギちゃん (MFコミックス フラッパーシリーズ)

www.pixiv.net
 『慈母れ!ヒイラギちゃん』という今年の漫画がある。この漫画の商業誌版は純粋なギャグマンガだ。タイトルこそ某クトゥルフラノベのパロディではあるが、中身のほうはパロディネタやたとえばキャラ萌え要素(萌え四コマのオチみたいな)に走ることなく、純粋にギャグ一筋で笑いを取りに来ており、面白い。2018年度版ランキングの対象なので会員の方々にはご一読を勧める。
 ここで話題にしたいのはヒイラギちゃんの元ネタとなった漫画の話だ。(上記URL参照)元の漫画の元ネタも大筋はギャグマンガである。サンタである主人公のヒイラギとその祖父のやり取りを主題にしているが、ここで、ギャグマンガという枠縁を取り除いて読んでみればお互い素直になれずつっけんどんな態度をとっているが確かに家族愛が存在する二人の関係性が見えてくる。 最近の漫画だけに終わるのも癪なのでもう一作(厳密には続編も含めて二作だが)紹介する。無敵看板娘はまごうことなきギャグ漫画だ。(不謹慎であることは認めるが)しかし、作者がのちに自殺したという事実から読解を進めるとどうだろう?この漫画には真面目であるが失敗するといつも自殺を試みる教師が登場する。またエピソードは勧善懲悪的なものも多く、道徳観が説かれることもある。ここからある種の佐渡川潤像というのが導かれるのではないだろうか。作者を理解するというメソッドは他の作品にも使えるであろうし、そうすることで他者の考えを学ぶことができる。

最近筆者は漫画を斜め読みすることが多くなり、漫画にプリントされたものを単なるデータとして受け取ってばかりであるが、これを機に考えながら読むよう反省したい次第である。なにがいいたいかというと早く時間、長期休暇をください。

【12/24】眠れぬ夜の暴走機関車、新次郎

新次郎です。
今回は多忙な黒部さんの代わりに僭越ながら私が書くことになりました。

前回は高木さんの解説に熱が入りすぎたので今回は冷静に記事を書こうと思います。(あれはラディッツの個人寄稿と並んで相当な黒歴史です。)

最近までずっと暴走気味でした。多くの人に迷惑をかけたことを申し訳なく思ってます。

今回は、私と同じく「眠れぬ夜の暴走機関車」である櫻井明音が主人公のこの漫画を紹介します。

櫻井明音と言えば、「検索検索ぅ」や「(^q^)くおえうえーーーるえうおおおwwwwwwwwwwwwwwww」で有名な『ガールフレンド(仮)』の登場人物でしたよね。4年前はCMで散々お世話になりました。

私はこういうのはあんま興味ないのでしないんですが、ガルフレ廃人の知人に薦められて読みました。

これを読んで特にガルフレをする気にはならなかったんですが、純粋に漫画作品として評価できたのでここで紹介しておきます。

まず、登場人物についてざっと述べます。

櫻井明音:本作の主人公。放送部員。放送部員として時に暴走する。椎名心実と仲良くなりたがっているが、なかなか上手くいかずにいる。

押井知:明音の放送部の友達。明音に様々な助言をする。

椎名心実:新体操部。同級生に対しても常に敬語で話す。

他にもいますが、割愛します。

私がこの漫画で好きなところは、明音がきちんと自分の弱さに向き合って高みを目指そうとするところですね。

最初明音は体育祭のときの放送で自分の力量の無さを埋めようと暴走してしまいます。何度も何度も。

明音が接している相手の方が何枚か上手で、自分だけ空回りしている感じがしてます。

最終的に明音はインタビュー企画を通じて心実と仲良くなるんですが、インタビューの対象が心実になったとき(後に知がそうなるようにしたのがわかる)にも最初は質問したいこととかあれこれ考えてしまう。

某元テニスプレイヤーも言っていたが、あれこれ考えてしまうと却って上手くいかない。
明音はそれに気づけずに、自分の至らないところを埋めようと、逆に墓穴を掘ってしまう。体育祭のときの失態とか思い出しちゃって懊悩してしまう。
そんな中、知の助言により、自分が心実と仲良くしたい気持ちが嘘じゃないということを理解する。明音は自ら心実とインタビュー形式で話したいと提案し、心実との距離を埋めようとする。

そのときの自分の欠点は、熱中し過ぎて周りのことが見えなくなるところであり、自分に足りなかったところは相手を思いやる心と挑戦する気持ちの持ち方であるというモノローグが圧巻である。

極めつけは、明音と心実がお互いに見せ合った笑顔である。

明音「これからも仲よくしてくれたらうれしい.........かな...‼︎」

心実「......うん...‼︎」

この台詞も相俟って、最高である。

私も明音の姿勢を見習いたいかな......と思う。同じ眠れぬ夜の暴走機関車として。

さて、今夜はクリスマスイブですね。皆さんはどのように過ごされる予定ですか?

友達と過ごす、家族と過ごす、或いは恋人と、仲間(意味深)と、或いは2次元の嫁と、そして孤独なクリスマス。どれも素敵だと思います。

私は、自分の心を治そうとしてます。だいぶ治ってきましたが、やはり完治には程遠い。

現実は、得てして漫画の様にはいかないものである。

陳套な言い回しだが、私はそう言いたい。

【12/23】天橋立へ行ってきましたo(^-^)o

こんばんは、ならしかです。
今日はQP、ハヤブサ、ばいたると、鳥さん、私の5人で天橋立へ行きました。広々とした日本海を眺めながらの昼食、ワイナリー見学など、心ゆくまで宮津市を満喫できた一日でした。
これはその時の記念写真です。

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普通のサークルっぽいですね。

レンタカーの手配から運転まで全てを取り仕切ってくれたQP、帰りの運転を頑張ってくれたハヤブサくん、私の急な思いつきに付き合ってくれた新入生のふたりにとても感謝しています。私はひたすらワインを飲んで、ゲラゲラ笑っているだけでした。楽しかった〜!
この記事は帰りの車内で書いています。下級生3人が漫画の話で盛り上がっており、微笑ましい気持ちです。

内容が思いつかないので、運転中のハヤブサくんからお題をもらいました。「漫トロ5年間を振り返って面白かった漫画」です。夜要素が全く含まれていませんが、これを書いている17時現在は日が落ちて真っ暗なのでテーマを回収したということにします(?)

ゴールデン・デイズ(全8巻)

少女漫画雑誌『花とゆめ』に連載されていた、高尾滋の作品。
バイオリンが得意な男子高校生・相馬光也が地震をきっかけに大正時代へとタイムスリップをしてしまう、というのがあらすじです。詳しくはGoogleへお願いします。
少女漫画らしい恋愛要素もありつつ、話の中心はタイムスリップの原因究明からぶれることがないので安心して読み進めることができます。BLっぽさがあるのもニッコリできて嬉しいですね。ありがとう……。

以上、「漫トロ5年間を振り返って面白かった漫画」でした。えっ これだけですか。5年間もいたのに?!?!?!?!!!!!?!?!5年間もいたのに……………はい…………………………。

今ハチャメチャに眠たいのと、さっき購入したお土産の白ワインへ気持ちが傾いているのとで、これ以上記事を続けられる気がしません。ということで、23日分のアドベントカレンダーを終わります。
今からみんなでラーメンを食べて、帰宅即ニコ動とワインで最高の夜を過ごします。明日は家族でクリスマスを祝うぞ〜〜。

お疲れ様でした。みなさんも良いクリスマスをお過ごしください。

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【12/22】メソッドを確立した漫画家は強い

どうも,QPです.
今年でアドベントカレンダーの企画も6年目.私が記事を書くのも5回目.M1になってしまいました.
最近の悩みは専ら寒さと乾燥.私が通っている桂キャンパスは山の上にあるため標高が高く,人や建物といった熱源も少ないため非常に寒い.また原付による疑似木枯らしも私の体から体温を,そして水分をゴリゴリ奪っていく.手の乾燥もひどく,さかむけも発生.ハンドクリームを塗って寝ることを余儀なくされています.
そんな桂キャンパスの数少ない良い点は景色がきれいなこと.華美な人工光も視界を遮る建物も殆どないため,京都市の夜景がきれいに映える.また満月が出ている夜も情緒的な景色です.例え吉田の住人と同じ月を見ているとしても,何もない桂で見る方が格段にきれいだと思います.
ん? 同じ月を見ている……

というわけで今回紹介する漫画は土田世紀の『同じ月を見ている』です.この作品は「自分を勘定に入れない」生き方をする男を描いています.

恥ずかしながら私はこの作品まで土田世紀作品を読んだことが無かったのですが,私が想像していた土田世紀作品とは全く印象が違いました.というのも土田世紀は漫画を通して自分を表現する漫画家だと思っていました.(おそらくタイトルだけ知っていた『俺節』から来る印象でしょう.最近読んだ『編集王』の主人公は泥臭さ満載で,こっちは印象通りでした.)

しかしこの漫画の中心であるドンという男は周りの人間の,全人類の幸せを願う男であり,あとがきでも「ボキにとって本当に強い人間とは「自分を勘定に入れない」生き方ができるかどうかです。やれタフだのクールだの安い価値観をブチ壊したいと思って描き始めました。」とあります.
このドンのモデルは土田世紀の好きな宮沢賢治であり,土田世紀が主人公の漫画が読めると思っていた僕としては少し残念でした.もちろん話自体は面白かったのですが,土田世紀宮沢賢治の心の距離は近くても,読者である私と宮沢賢治の距離が遠いため,少し引いた目線で読んでしまいました.ドンが異次元の存在(魅力的な漫画的キャラ)としか思えず,↑のあとがきにあるような土田世紀にとっての強い人を実感できませんでした.


ただ土田世紀の画力の凄さは大いに分かりました,なんといっても表情のうまさ.目じりや口元だけの表現ではなく,トーンを使わずにつける影がうまく心理描写をしています.重厚な背景も含め,どの構図からでも描ける技術力の高さもあり,読んでいて飽きさせない.

ではそろそろ本題に移ります.タイトルにあるメソッドとは一体何なのでしょうか.
至極単純なことです.その話で描きたいことを印象的に描く、というものです.そんなの当たり前じゃないかと思うでしょうが,土田世紀はそれをメソッドと言えるレベルまで昇華しています.
具体的にはどういうことなのか,それは2つあります.1つ目はタチキリでコマを描くこと,2つ目は背景のメリハリです.

1つ目,タチキリについて詳しく述べます.仕組みとして単純で,その話のキモの見開きやコマのサイズを他より大きくしたら目立つというものです.
原稿1ページの大きさは310mm×220mm,それに対し内枠の中は270mm×180mと,ページ全体の約71%しか占めていません.よってタチキリを用いたページの印象は大きく異なります.

それでは実際にページを見ていきましょう.
①まずは普通のページです.

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1巻より
小ぢんまりとした印象を受けます.体感8割ほどのページが該当します.多ければ多いほどタチキリのコマが印象的になります.

②印象的なコマのみをタチキリで描きます.

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3巻より
やはりコマが大きいと迫力が出ます.動きのあるコマをダイナミックに大きく描くためにタチキリで書くこともあります.また構図によっては縦だけタチキリ,横だけタチキリの場合もあります.

③最も印象的なのはやはり見開きです。

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3巻より
実際に読んでみないと分からないと思いますが,①のようなページが連続しているところにいきなり見開きが来るとインパクトがあります.



2つ目,背景のメリハリについてです.
土田世紀の背景は描きこみも多く重厚で,背景単体でも十分な主張があります.しかし土田世紀の一番の魅力はやはり顔だと思います.
その顔を強調するために,見せたい表情のときだけ背景を白抜きにしています.

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6巻より
タチキリも相まって右ページと左ページで受ける印象が全く違います.久保帯人先生の「何を書くべきか,より何を描かないかが重要」という発言を思い出しますね.




まとめに移ります.
タチキリのある/なしまたは見開き,背景のある/なしを組み合わせることで各話ごとに見るべきポイントが明確になり,作者の演出面でも読者の理解面でも分かりやすくなっています.
話作りとしても,一番描きたい見開きから逆算して描くといったこともできると思います.


しかしここまで記事を書いていてある問題に気がつきました.
それは他の作家が真似できないということです.
というのも上記の手法は土田世紀の画力に担保されているからです.
タチキリ無しのページを多用する際には,土田世紀のように描きこみの量を増やさないと,ページ全体がスカスカに感じてしまうでしょう.また見開きを描き切る画力も必要です.
背景のメリハリもその書き込みと白抜きのコントラストによるものなので画力が求められます.また表情単体を描ける表現力がないと下手な顔のアップになってしまいます.


結論としては,この2つの手法を組み合わせ,効果的に使っている土田世紀はさすがということになります.どちらかの手法だけを使っている作家は数多くいそうですが,両方となるとそういないと思います.
最近だと阿部共実くらいですかね.(漫トロピー会誌Vol.19の座談会ページに詳しくあるので是非お買い求めください.)こちらの場合は背景ではなく陰影のメリハリですけど.



少々雑な説明になりましたが以上です.ということでタイトルの意味は自分なりの漫画の描き方を徹底している漫画家はそりゃ売れるわなってことです.(自分なりの漫画の描き方が分かるまで漫画家を続けられているということでもあります.)
個人的に,タチキリ無しが基本の漫画はどこか絵本のように,また表情は枠線の太さもあり一枚の写真のように感じました.絵柄も相まってどこか懐かしさを感じさせてくれ,いい読書体験ができました.
それではこの辺で記事を終えたいと思います.駄文,失礼しました.

QP