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京大漫トロピーのブログです

【12/2】3月のライオン原作漫画・実写映画比較

どうも副会長のハヤブサです。NFが終わってすぐアドベントカレンダーっていうのは慌ただしいなあ。今年のテーマは夜ということなんですが、NFは忙しくて個人寄稿を出そうと思ってたのに出せなかったのが心残りで、一部供養しようかなと思いまして。夜といえば月だろうということで、タイトルに月が入ってる「3月のライオン」の原作と実写版映画の比較をしようと思います。

3月のライオン」という作品について
ヤングアニマルで2007年7月から連載が始まった作品で今の時点で13巻まで出ています。その他には、アニメ化もしており、NHK総合で一期は2016年10月~2017年3月、二期は2017年10月~の期間放送している。そして、主演:神木隆之介で映画化もされ、前後編に分けられ、前編は2017年の3月18日、後編は4月22日に上映開始されました。

3月のライオン」のあらすじ
桐山零は、幼いころに交通事故で家族を失い、父親の友人の棋士である幸田に内弟子として引き取られ、15歳でプロ棋士になった。しかし、幸田家の兄弟との軋轢もあり、六月町で一人暮らしを始め、高校にも編入するが、学校に馴染めず、対局の方でも不調が続いていた。そんな時、先輩に酔いつぶされた時川本あかりに介抱されたことをきっかけで川本家と交流を持つようになる。人間の強さと温かさを感じることができる作品です。

原作漫画「3月のライオン
この漫画の好きなところは、将棋界という勝ち負けで生きていけるかが決まる厳しい世界を描いており、その中で悩み苦しみながらも生きる姿がとてもかっこいい所で、あと、勝負事の世界なだけあってか我が強く、なかなか面白いキャラも多くて、ある意味キャラ紹介漫画と言えるかもしれない。あと、シリアス面の静けさと羽海野チカ独特のわちゃわちゃした感じの背景やトーンがマッチして、心に響くけれども、作品の雰囲気が重苦しくなりすぎないようになっているところです。

映画版「3月のライオン 前編」

とても素晴らしく、自分は原作ファンであるが、とても満足できるものだった。キャストに関して言えば、強いて言えば林田先生が高橋一生だったのはお調子者感があまり出ないのでは?ってなったけど、それ以外は文句なくて、島田役の佐々木蔵之介と後藤役の伊藤英明はめっちゃハマってて良かった。二階堂役が染谷やのはエンドロールの時に気づいてビックリした...。
実写版3月のライオンは前編後編に分かれているのだが、前編では新人戦のところまで、漫画の3月のライオンで良かった将棋の世界の厳しさ、人間の温かさと言ったものを上手く表現できていたのではないかと思う。映画と漫画の比較をすると大きな違いとして思ったのは羽海野チカ特有のわちゃわちゃした明るく騒がしい感じの背景やトーンの雰囲気は出さずに、コメディ感は抜いた人間ドラマみたいな感じだったこと。あとは、対戦相手の過去や思想を知るための回想シーンがなかったこと。この二つは尺とか雰囲気の統一のために映画化にあたって必要な変更なので、仕方ないだろう。前編ではあまりストーリーの変更は無かった。

映画版「3月のライオン 後編」

漫画でいうと新人戦が終わってからのストーリーだが、映画ではストーリーを改変している箇所が多かった。ひなたのイジメの話と誠二郎の話が切れ間なく続くのと、誠二郎の話と漫画にはない後藤との対決がくっついていた。ちょっと端折り過ぎというか、漫画での色んなキャラ紹介も大切にしてほしいなと思ってしまった。あと、ひなたに拒絶されて悩むのは漫画にはないが、この展開は改悪じゃないかな...。映画は後編はより暗い雰囲気になっていて、自分は原作のもう少し静かで温かい雰囲気を味わいたかった。テーマソングの春の歌は最高でしたね。

まとめ
今回漫画と映画を比較して思ったのが、漫画と映画は全然作り方が違うのだなというまあ当たり前みたいなことで、漫画っていうのは大体連載という形を取ってることが多く、○○編、××編って分けれるようになってて続けれたらどこまでも続くように思うのだけど、映画は2時間前後の尺のうちに収めるように割かしシンプルにしないといけない。あと、映画の場合は読み返すという行為がしにくいので、映画は1本の話を軸にして話を展開するのは得意で、漫画は装飾などをつけたり、分岐エピソードをたくさん作れるのが得意なんだろうなと感じた。「3月のライオン」の場合、分岐エピソードのキャラの内面のパートが好きだったので、原作の方が好きだなと思いました。

本当はこういうのをあと5作品やろうと思ってたんですけどね…。来年は個人寄稿を載せたいと思います。