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京大漫トロピーのブログです

【12/24】医者にはなりたくないなぁ。(本音)

こんにちは。アドカの存在を完全に忘れておりすっぽかしてしまったはたはたです。この場を借りて、ばいたるとさんはじめ皆さんにお詫び申しあげます。

今回のアドカのテーマは誕生だそうです。誕生というと産婦人科の領域ですね。産婦人科を主題とした漫画として『コウノドリ』があります。この漫画は医者側からも大変評判が良いようで研修医に読ませる病院もあると聞きます。かくいう私も産婦人科の実習でこれを原作としたドラマを見てレポートを書きました。

妊娠というものは順当に問題なく行われるものであると思いがちですが、死産率は2%程度ありますし、流産や出生後に障害を抱える児などを考えると妊娠とはそれほど順調にいくものであるとも言い難いのかなぁという感想を抱きます。そのような順調にいくとは限らない妊娠の中でも、難しい症例や多職種共同、家族関係などにスポットの当たるような妊娠がこのドラマの中では描かれています。多少お涙頂戴の気があるものの、やはり妊娠とそれにかかわる人々のお話というのはドラマ化せずとも感動するものが多いのですから、物語として仕立てている以上大変心に来るものがあります。私がレポートを書いた回では胎児に口蓋口唇裂という先天性の異常があることがわかった妊婦さんとその家族の葛藤と一度目の出産を無脳症で死産した過去を持つ妊婦さんを対比した構造で描いていました。たとえ治る疾患であるとしてもやはり親としては思い悩むのだという点など、様々学ぶ点がありましたが、医者としては産婦人科医と小児科医の視点の差異が描かれている点が面白く感じられました。産婦人科、小児科(特に新生児にかかわる医師)ともに妊娠に携わるわけですが、妊娠の際に産婦人科は基本母体を中心として動き、胎児が生まれたらすぐに新生児科の医師に胎児は渡されます。ここからもわかる通り基本的に産婦人科は母体を見ることが主で小児科は子供を見ることが主となっています。この回ではカンファレンスにおいて、自身の子供が先天性の疾患を患ったとはいえ治る病気であるのに、あまりにも動揺する母親について小児科の若い医師が苦言を呈したことを産婦人科医師が諫めるシーンがあります。同じ医師であっても主として見る対象が違うと考え方にも差が出るのだといえます。
ここまで自身のレポートの焼き直しみたいな内容を綴ってきましたが、『コウノドリ』は医療知識としてもある程度正しいことが描かれているようですので是非読んでみてください。
そういえば私は『K2』が嫌いだという旨を述べたことがあります。これは別に医療漫画が嫌いであるということが言いたかったわけではなく、スーパードクターなるあり得ないレベルで素晴らしい能力を持つ医師の活躍を主とする漫画が流行ることが、医師に対してこうたれという世間の期待を感じ気に入らんという趣旨でした。『コウノドリ』はスーパードクターとしてではなく一人の人間として医師が描かれており、不満を特に持つことなく楽しむことができました。
誕生という言葉で思いつく漫画にもう一つ『セントールの悩み』があったのですが、これは一回生の時にアドカで触れていたようなので今年のアドカではお勧めするにとどめておこうと思います。結局今年は実習ばかりの年でした。選んだ漫画も実習関連ですし……。来年は国試勉強だけの年にならないように漫画を読むなりいろいろと能動的にしなければいけないかなぁと考えるばかりです。では皆さんよいお年を。