年末です
冬コミです
毎年恒例の1年間でもっとも良かった漫画は何かを会員同士ががなりあい殴り合いして決めた至高の2022年度版漫トロランキングを収録した「漫トロピー Vol.28」を頒布します! 価格は400円です。
既刊として「漫トロピー Vol.27」も頒布。こちらは300円。
お待ちてしております。
年末です
冬コミです
毎年恒例の1年間でもっとも良かった漫画は何かを会員同士ががなりあい殴り合いして決めた至高の2022年度版漫トロランキングを収録した「漫トロピー Vol.28」を頒布します! 価格は400円です。
既刊として「漫トロピー Vol.27」も頒布。こちらは300円。
お待ちてしております。
ばいたるとです。2022年のアドベントカレンダーのまとめをします。コミケや初詣の待機列のお供にいかがですか。
今年のテーマは「紅白」。
俺はテーマ決定の場にいなかったので知らないんですが,紅白っていうと大晦日っぽさの方が先行しそうですが,最近はそうでもないんですかね。テレビを見ない時代になったもんだ。
ちなみに奇数日更新の人は赤,偶数日更新の人は白をテーマに書き,「ブログ更新ツイート紅白ファボRT合戦」してたらしいです。
以下が今年の記事になります。
みんなのテーマのこじつけが面白かったです。
いいね数とRT数を単に足し合わせました。加重をかけた方がいいとかいうならモデルを提示せよ。 なお,紅と白の両方の性質を併せ持つ【12/25】の新萬の結果は含みません。
紅組:81
白組:105
というわけで白組:105の圧勝です,おめでとうございます!!
図1はいいね+RTの日ごとの推移のグラフです。
合計値の推移を推移をみると中盤までは紅白ともに接戦だったようですが,白組【12/16】のレニで差をつけられ,【12/24】のホリィ・センで一気に引き離された感じですね。社会学勢は強い。
個人で見ると(いいね/RT),1位は圧倒的に【12/24】のホリィ・セン(26/6),【12/23】のばいたると(18/7),【12/16】のレニ(5/9)と続きます。院生(≒老害)の自分語りは需要あるんすね~。
若い面々に目を向けると,【12/2】の夕陽が非リアに,【12/8】の新萬が漫トロに親和性のある記事を書いて伸びている印象。
最近話題のインプレッション数でみるともっと分かりやすいです。数字が大きいから誤差が小さくて差が出やすい。
【12/14】はいいね+RTはほどほどだがインプレッション数が結構大きい……,誰かと思ったらちろきしんでした。
勝負を分けたのは自分語りの総量でしょうか。もっと自分語りして漫画を紹介しよう!
2022年も残りわずか,今年の大晦日は紅白歌合戦でウタを観ましょう。
新たに京大漫トロピーの会長に就任しました。新萬と申します。
実は12月8日のアドカが初投稿だったのですが、せっかくトリも任されているということなのでこちらで挨拶することにしました。
本記事の枕を兼ねての自己紹介に、少々お付き合いください。
私は幼い頃に通っていた児童館が「ドラゴンボール」、「ナルト」、「ワンピース」をはじめ、かなり色々な漫画を置いているタイプだったこともあり……というか主にその3作を来る日も来る日もひたすら読んでいた小学生だったこともあり(『FAIRY TALE』も読んだが、幼心にエロい!と思った記憶しかない)、その後、中学高校と進む中で比較的漫画を読むような性向が出来上がりました。しかしながら、これまでの漫画遍歴を振り返ってみると、読んだ当時すでに名の通っている「往年の名作」か、連載中ながら人気作としての地位を確立した「有名作品」ばかり読んでいたと言わざるを得ません。これも小学生の頃になりますが、水泳教室の送迎バスに置かれたコロコロとジャンプが、「新作」に触れる数少ない機会でした。とはいえ、今思えばコロコロは名作ばかりだし、ジャンプも「ワンピース」、『トリコ』、『BLEACH』あたりが目当てでした。あと『食戟のソーマ』。
ともかく、私は漫トロピーの会員になって初めて、その年に世に出た「新作」と数多く触れるようになったのです。世間的な評価の固まっていない、生まれたばかりの作品を自分の言葉で評価していく行為が、これまで「名作」ばかり読んできたお坊ちゃんの私に与えた影響は大きいものでした。新作を通じて、改めて見えてくる名作の価値と、それを読む意味があったわけです。今回の記事では、こうした背景から「名作」と呼ばれる作品を読むことについて考えてみたいと思います。
これは鉄板であろうと思います。ある作品が世間で広く「名作」と認識されるようになるのは簡単なことではありません。多くの人に読まれること、そして読まれ続けることという、二つの高い壁を越えなければいけないためです。
例えば、私は今年の秋会誌で2022年の漫画ランキングとして30本を選出しています。1位から30位まで、いずれも何らかの点で私の心の琴線に触れた漫画だったわけですが、それではこのうち何作が、何万人、何十万人という読者を得ることが出来るのでしょうか。あるいはこの中に、何年も後まで名前が語られ続ける作品はあるでしょうか。30作のうち連載が続く作品に限られますが、続きの単行本を買うか否かという個人的な基準で考えても、片手で収まる数に絞られてしまうのが実際のところです。そして、この険しい壁を乗り越えるための必須条件こそが「面白さ」なのだろうと考えます。面白ければ売れるとまでは思いませんが、重要であることに違いはありません。名作と言われるような作品を鑑賞すれば、それを名作たらしめる「面白さ」を楽しめる可能性が大いにあるわけです。また、こうした名作の「面白さ」(=世間で認められた面白さ)は、自分にとっても実際に面白いものであるとは限りませんが、少なくとも何らかの点で「引っかかる」ものであることも多いです。心にまるで波風を立てない作品の多さを考えると、「名作」恐るべしと思えます。
そうした名作の中のさらに一握りには、ネタバレをものともしないレベルの異常な領域に至った傑作が存在するのだと、最近「ストーンオーシャン」のアニメを見て感じました。名作の悲しい性として、発表後ある程度の時間が経つとネタバレが広まってしまうということが挙げられます。とりわけ、ジョジョ6部は究極のネタバレが出回っている作品の一つであり、当然私もそれを知っていて最終話まで見たのですが、物語のパワーが凄すぎて何てことありませんでした。早く漫画も読みたいです。
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さて、さらに極端な場合、後続に影響を与えすぎたことで、今見ると全く面白くなかったり、平凡に思えたりするケースがあります。
では、そんなしゃぶりつくされた名作はもう無価値でしょうか?鑑賞しても仕方がないのでしょうか?少なくとも、「批評」を掲げるサークル会員の立場からは、NOを突き付けてみたいと思います。
ある作品一つだけを取りあげて行えることはそれほど多くありません。ストーリーの構造がどうなっているか分析したり、それがどのように読めるか解釈を考えたりなど、作品の内部へ入っていく方向性の評価に偏ってしまうのではないでしょうか。そうなると、当該作品の持つ画期的な部分、すなわち、他の作品と比べてどうか、という外部の文脈に繋がる評価が難しくなります。そして、作品鑑賞の経験値が低い場合、どうしても前者に類する批評が多くなってしまうと思います。作品を関連する系譜の中に位置付け、さらに(実際は同時に行われるのでしょうが)個別の具体的な評価も行うことで、その姿を十分に掴むことができるはずです。これは、秋会誌の原稿を書く中で個人的に痛感したことでもあります。私のレビューは片手落ちという感が強く、今後の課題としたいところです。
それでは、後者に類する評価、すなわち作品を外部の文脈から広い視野で捉える評価ができるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。ここで大事なのが、「名作」に沢山触れること、特に、もはや当時何が新しかったのか全くわからないほど真似しつくされた「名作」を鑑賞することなのではないかと思います。盲人と像の寓話よろしく、部分(=何かに影響された作品)を知って全体を評価することは難しいですから、一度は像(=極めて影響の強い作品)の姿を捉えることが必要だというわけです。私はいわゆる名作ばかり読んできたと述べましたが、こうした批評ができるようになるにはまだまだ量が及びません。
名作に触れる効用は個人的な問題に留まりません。特に、名作の条件として先に挙げた「多くの人に読まれる」は見逃せない要素であり、名の通った作品ほど身近な人が読んでいる可能性があります。作品に限った話ではありませんが、共通の話題というのは親睦を深める大事なツールになり得ます。それ故、できることなら話題を振られたときに応じられるようにしたい。いや、しておくべきだろうと思います。論より証拠に以下の画像をご覧ください。
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先月友人から送られてきた暴虐のメッセージ。夜中に突然でした。しかし、彼には私が漫画を読むサークルの会員であることを告げてしまっているため、このような言葉も甘んじて受けねばなりません。まして今や会長の身。未読問題については多少恥と思って漫力を鍛える必要があります。
さらにもう一例紹介します。今月は上旬のある晩、中高から付き合いのある友人と久しぶりに会ったところ、彼にしては珍しく積極的に漫画の話をしてくれました。『クズの本懐』と『【推しの子】』についての話であり、横槍メンゴの漫画を一つも読んだことのない私は強引に秋会誌のセールスに切り替えることしかできませんでした。以前に漫トロピーのことを話した私に対し、良かれと思って振ってくれたのであろう話題を受け止められず無念に思います。「横槍メンゴってなんか名前がムカつくから読んだことないんだよね」と意味不明な言い訳をしたら、中学の時も全く同じことを言っていたと言われて色々と自分に絶望しました。
言わずもがな、『よつばと!』、『クズの本懐』、『【推しの子】』は、一定以上の評価を受けている作品です。もし読んでいれば、きっと面白く、次いで漫力とレビュー力が若干上がり、楽しいコミュニケーションの機会を得ていたわけですから、これはなかなか無視できない損失と言えるのではないでしょうか。やはり名作は読んでおくに限ります。
共感してもらえるかはわかりませんが、自分なりに漫トロピーでの最初の一年を振り返って考えたことを書きました。来年は、新作も名作ももっと沢山読んで、理想の漫画読みに近付いていこうと思います。
今年のアドカのテーマは「紅白」で、奇数日と偶数日で色を分けています。25日は奇数日なので一応「紅」ということになるのですが、ブログ更新ツイートで紅白ファボRT合戦をするという名目上、24日までの12対12にする方が公平で収まりがよいですね。そこで独断により、最終日の今日は両方合わせた「紅白」をテーマに〆ようと思います。
さて、今年の新人漫画家の中に、「紅」い漫画と「白」い漫画を一冊ずつ発表した方がいましたね。
そうです。不惑にして新人ことピエール手塚先生です。両作のレビューは会誌の個人ページで行ったため今回は割愛しようと思いますが(どちらも面白いです。両方買って読み比べてみてください)、最後に『ひとでなしのエチカ』1巻から、本記事の結びとして一コマ引用させていただきます。
それでは皆さま、よいお年をお迎えください。
今年のアドベントカレンダーのテーマは「紅白」で、「白」を担当することになった。
某国民的育成RPGで「マサラは真っ白 始まりの色」と言っていたように、僕は「始まり」のことについて書こうと思う(投稿丸一日遅れてすみません)。
京大には漫画を描くサークル(いわゆる「漫研」)は存在していたが、漫画を読む人間のためのサークルが存在していなかった。
そこで、創始者のねとはさんが「東京大学漫画調査班TMR」(こちらは1998年からあるサークルのようだ)にインスパイアを受けるなどして、母校の某男子校出身者たちを集め、2008年に「漫画読み」のためのサークルである京大漫トロピー(以下漫トロとする)を立ち上げた。それから現在まで存続している。
僕(ホリィ・セン)は2010年に大学に入学し、2011年に(第4代の)会長を務めたに過ぎない。創設メンバーたちと深い関わりがあるとも言えないし、漫トロの「歴史」について語る立場にはない。
ただ、僕は気がつけば現在(2022年度)まで漫トロに在籍しており、漫トロ史上最長の在籍年数になってしまった。博士課程の身分で未だに大学には在籍し続けているものの、さすがに今年度で引退することに決めた。
僕自身は決して誠実な「漫画読み」であったとは言えない。だが、干支がひとまわりするほどのこの長い期間を「私史」としてまとめておくことも悪くはないだろうと思った。順番としては編年体で書くのではなくて、パブリックな話から徐々に僕個人の体験が色濃いプライベートな話へと移行していく感じで書こうと思う。
ご存じのとおり、漫トロでは各会員がその年1年のランキング(提出が10月下旬頃であるため、昨年の11月頃からその年の10月下旬頃)を制作することが恒例になっている。各会員のランキングが合算されることで「全体ランキング」ができあがり、11月に発行される会誌のメインコンテンツになっている。
会誌は毎年4月頃と11月頃に発行されるのだが、前者は大学新入生のための「新歓号」で、後者は京都大学11月祭に合わせた「ランキング号」である。新歓号は偶数号、ランキング号は奇数号になっており、それが10年以上にわたって発行され続けていると考えるとものすごいことである。
ランキングはVol.1では各会員1位~20位の提出だったが、Vol.3からは1位~30位を提出することになっている。1位:30点、2位:29点、……30位:1点という感じで加算され、他の会員とランキングに入れた漫画が被った場合は重複店が被り数1につき3点ずつ加算される集計システムになっている。
ランキングはその年の世相、漫トロ会員の傾向、あるいは漫トロで形成されていた「空気」のようなものを反映する側面が強い。そこでまず、歴代のランキングの1~3位をここに並べてみよう。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
2008 | ミスミソウ | HUNTER×HUNTER | トリコ |
2009 | トラウマイスタ | ONE PIECE | アイアム ア ヒーロー |
2010 | 進撃の巨人 | 惑星のさみだれ | 鋼の錬金術師 |
2011 | バード | 女の穴 | ぼくらのよあけ |
2012 | 人間仮免中 | 変身のニュース | ぼくらのフンカ祭 |
2013 | さよならタマちゃん | 深海魚のアンコさん | 宇宙怪人みずきちゃん |
2014 | 子供はわかってあげない | ムシヌユン | ちーちゃんはちょっと足りない |
2015 | 変身! | プリマックス | その「おこだわり」、俺にもくれよ!! |
2016 | hなhなA子の呪い | ファイアパンチ | あげくの果てのカノン |
2017 | BEASTARS | マイホームヒーロー | 月曜日の友達 |
2018 | アクタージュ | 呪術廻戦 | あの人の胃には僕が足りない |
2019 | スキップとローファー | バビロンまでは何光年 | すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 |
2020 | 女の園の星 | マイ・ブロークン・マリコ | 葬送のフリーレン |
2021 | 地図にない場所 | あたらしい結婚生活 | ブランクスペース |
2022 | クロシオカレント | ミューズの真髄 | 模型の町 |
こうして並べてみると「初期は意外とジャンプ作品、それも継続中の作品が入っているんだな」という印象を受ける人もいるかもしれない。それもそのはずで、僕が入トロした2010年の時点ではまだそれほど「今年感」が重視されていなかった。
ただ、たとえば2009年の4位にも『惑星のさみだれ』が入っていたり、2010年の12位にも「ワンピース」が入っていたりといった感じで、連載継続中の「今年アツかった」漫画をランキングに入れると、数年単位で面白さが続いている作品が毎年ランキング入りすることにもなりかねない。
僕の記憶では2011年あたりからはかなり「今年感」が重視されるようになり、「その年に始まった・単行本が出た漫画」をランキングに入れる傾向が強まった(同時に、「完結枠」をランキング上位に入れることも減っていった)。
漫トロの長年の部室である「文ピカ(文学部控室の略)」(初期はなかったらしいが、僕が入トロする頃には既にあった)においても、できるだけ「今年の漫画」を持ち込む傾向はどんどん強くなっていったように思う。
ここ4,5年ぐらいは、ランキング提出2か月前ぐらいになると文ピカにある漫画が「今年の漫画」ばかりで埋め尽くされている気がする。例会にあまり出ていない僕もちょっと文ピカに行って「今年の漫画」をつまみ食いすれば十分にランキングを作れてしまうから、それに甘えてしまっていたところはある。今ほどは「今年の漫画」が出回っていなかった2010年代前半のことを思い出すと隔世の感がある。
ところで僕の感覚からすると、時期ごとに「アツい雑誌」というものが存在していたように思う。たとえば2010年は明らかに「別マガ」の年だった(「進撃」のみならず11位『マルドゥック・スクランブル』、21位『バニラスパイダー』、26位『惡の華』、35位『どうぶつの国』というランクインぶりだった)。他にも、2013年ぐらいまでは「チャンピオン」や「リュウ」、「モーツー」あたりが流行っていたように思うので、やはり隔世の感がある。
僕も月刊誌を頑張って追う気力のあったときは、『わぁい!』『ジャンプ改』『ゲッサン』『ゼノン』「月スピ」などを追っていたが、前二者は既に休刊したし、後ろ三つも最近ではあまり奮っていない。
そういうマイナー寄りな雑誌で今でも漫トロで一定の評価を受けているものとしてはたとえば『Fellows!』(現『ハルタ』)が挙げられるかもしれない。今の漫トロの例会にあまり参加できていないが、こういう「アツい雑誌」はあるのだろうか? あるとしたら、例会で話題になっているのだろうか? 気になるところではある。
漫トロについて語る上で一つ外せないと思うのは、「ディス」や「煽り合い」の文化である。ランキングにおいても一度出た全体ランキングに対して、「クソ漫画ランキング」(Vol.1のときは「ワーストランキング」となっていた)を作ることになっているが、これには主に二つの意味合いがある。
一つはその年にクソだと思った漫画を(時には愛を込めて)批判するという意味合いである。全体ランキングに入ってすらいない漫画はクソランキングに入れられないので、クソランに入れるためだけにわざわざ自分のランキングの30位に叩きたい漫画を入れる人すらいる。
もう一つは「なんでこの漫画がこんなに上位にあるんだ!?」という意味合いである。上位に入っている漫画をクソランキングに入れることで、ランキング座談会の際の(言わば「擁護派」と「批判派」に分かれた)議論が活性化される。
なお、総合ランキング座談会から独立してわざわざ「クソ漫画座談会」を設けることもよくある。最近の会誌ではクソ漫画ランキングとして票が入った漫画だけでなく、雑誌ごとに「今年のクソ漫画」を検討していくというスタイルの方が主流になっている気がするが。
なお、「クソ漫画」を愛でるという文化で言えば、2年上の先輩であるiwaoさんがいわゆる「ジャンプ10週打ち切り」漫画をクソ漫画として愛でていた。当時のジャンプで即打ち切られたサッカー漫画だる『LIGHT WING』や『少年疾駆』の話を嬉々としてしていたのが印象に残っている。
また、会誌Vol.7(2011)の『神拳 ゴッドナックル』をめぐる企画でも大いに笑わせてもらった。「ゴッドナックル」はヤングキングで連載され、2巻で打ち切られてしまった漫画なのだが、ダブルクォーテーションの多用や、構図や展開の強引さがどうも刃森尊のヤンキー漫画に酷似しているのである(そもそも刃森尊の漫画自体、展開の強引さゆえにクソ漫画として愛好されている側面があり、そのような愛好者は「ハモリスト」と呼ばれている)。
刃森漫画の劣化版たる「ゴッドナックル」に目をつけた電球さん(2年上の先輩で、ねとはさんたちとも高校の同級生)は例会で「ゴッドナックル」を取り上げ、一世を風靡した。その年のクソ漫画ランキングでも見事ゴッドナックルは1位に輝き、会誌Vol.7の目玉コンテンツになったわけである。
それはともかく、漫トロではランキングシステムからいって、「ディス」や「煽り合い」を生み出すような仕組みになっているわけだ。毎週金曜日の例会の時点で、特定の漫画作品に対して擁護と批判の押収がおこなわれることもよくある。
言ってしまえば、そこには半ば人格否定のような会員への「いじり」が入ることも多い。そもそもこういった文化が苦手な人は入っていきにくいだろうし、ヒートアップしすぎるとけっこう本当に人格否定になってしまう感じで、殺伐とすることもある。
また、例会では深夜にボードゲームや麻雀をする文化が僕の入った頃からずっとある気がするが、そんな中でも「煽り合い」は日々起こっていた。
僕自身はこの「ディス」、「煽り合い」を心から楽しんでいたし、今も正直言って好きである。ただ、客観的に見ればこの文化は男子校的なホモソーシャルなノリなのだと思う。創始者たちが某男子校の出身者たちであり、僕が入トロして2年ぐらいはそのメンバーたちがかなり幅を利かせていたため、ある意味ではノリがかなり明るかったように思う。
もちろん先輩たちにも様々な鬱屈した思いがあっただろうし、社会全体からすれば日陰者の雰囲気が漂っている人が多かった。ただ、日陰者の中でも「声の大きい」日陰者という感じがした。
それに対して、僕の同期か1,2年下あたりからはいわゆる「根暗オタク」という感じの人がだいぶ主流派になっていった感じがある(先輩にもそういう人はいたが)。普通に考えれば、「サークル創始者」たちは主体的なリーダーたちであり、「新入生」たちはそのフォロワーなので当たり前と言えば当たり前なのだが。
また、初期の会誌を読み返していて気づいたのだが「レビューレビュー」というシステムもやはり「ディス」文化として機能している。
そもそも漫トロの会誌には「クロスレビュー」というコーナーがある。これは、ファミ通という雑誌におけるゲームの「クロスレビュー」をパクったもので、4つの作品に4人のレビュアーがそれぞれ1~10の点数をつけていくというコーナーである。
会誌Vol.1においてねとはさんが志村貴子『敷居の住人』をクロスレビュー漫画に推薦したところ、あまり点数がふるわなかった。そこで、ねとはさんは『敷居の住人』を全力で擁護すべく8000字の文章を書いて、レビュアーたちを批判している。これが、会員たちのレビューをさらにレビューするという「レビューレビュー」コーナーの生まれたキッカケだという。
ちなみに『敷居の住人』に1点をつけた渡来僧天国さん(もう一人の漫トロ創始者でもある)がこれに噛みつき、2人の間で緊急座談会が開かれてすらいる。このような批判の押収が初期から会誌のコンテンツになっているのは漫トロの方向性を象徴していたと言えるだろう。
会誌Vol.5とVol.9で開かれた「漫トロヤマアラシ」という企画も、2010年1位の『進撃の巨人』や2012年2位の『変身のニュース』をめぐっての擁護と批判の押収がコンテンツになったものであり、やはり「ディスり合い」の志向を持っている。
そんな「男子校ホモソノリ」とでも形容できる状況だったがゆえに、当然「下ネタ」もある種の文化になっていた。
会誌のコンテンツとしても、エロ漫画を推薦する「エロ漫画選手権」は定番企画になっている。これは会誌Vol.3では、ねとはさんのお眼鏡にかなうエロ漫画を推薦する「ねとは選手権」としてコンテンツになっていた。
そこでは、ねとはさんがきあい猫という作者のスカトロ系のエロ漫画を読まされたのが一つのネタになっている。さらに天丼になるかたちで、会誌Vol.5のクロスレビューではねとはさん『ベスト・オブ・きあい猫 スカトロ・セレクション』を読むハメになっている。
僕個人としては漫トロに入る前はけっこう孤独だったので、こういう下ネタ文化にはかなり救われたところがある。創始者世代のエムおーさんをはじめ、あっけらかんと自分の性癖について語れる文化が漫トロにはあった。
余談だが、僕がその後フロイトに傾倒していった理由としては、(スカトロに限らず)漫トロメンバーから多様な性癖について聞いていたことも大きかったかもしれない。たとえば、1年上の先輩であるひでシスさんが流暢に「石化粘着平面化フェチ」と言ったことで笑われていたのが印象に残っている。詳しく話を聞いたところ、ひでシスさんは「状態変化」と呼ばれるジャンルの性癖に通じており、これはこれでかなり興味深いものであった(その他、「男根妄執者」であるとも自称していたひでシスさんが愛好していた上連雀三平の『アナルエンジェル』も大変興味深かった)。
二歩ぐらい引いた視点で見るならば、自らの特殊な性癖を誇示するのは、ある種の男性性の誇示というか、やはりホモソーシャル性に回収して解釈することも可能である。とはいえ、社会不適合な人間をあっけらかんと包摂していく側面もたしかに漫トロにはあった。
あるとき漫トロ会員の留年率を算出してみたらジャスト5割だったことがある。これは京大全体から見れば高い割合だろう。漫トロというコミュニティが人を堕落させている側面ももしかしたらあるのかもしれないが、基本的には不適合寄りの人間にとっての受け皿になっている側面はあるように思う。
むろん、全員が全員受け入れられる、というわけではないのだが、「常識的に考えると狂ってる」だろうと思われるような人間も在籍できているのである。僕自身も正直大学1回生などのときは黒歴史と言って差し支えないような奇怪な言動を取っていたように思う(「俺、自己紹介得意なんです!」って最初に例会に現れたときに言ったなあとか)。
漫画の好みという点で僕が苦しんできた(克服してきた)ものがある。それは一言で言えば「サブカル」と呼ばれるものの存在である。
大学入学当時、いわゆる「萌え」系のオタクだった僕は、「サブカル」と呼ばれるジャンルの漫画が理解できなかった。たとえば漫トロ内では「空気漫画」とか「雰囲気漫画」とか呼ばれるものでもあった。
先輩たちが「サブカル」系の漫画を褒めているのを聞いて、どう受け取ればいいのかがずっと分からなかった。たとえば、2年上の先輩である端材さんは堀道広の『青春うるはし! うるし部』をレビューで勧めていたが、面白さが分からなかった。
堀道広はその次の『サミュエル』という作品も含めて、青林工藝舎から出版しており、いわゆる「ガロ系」の系譜にある漫画家であると言える。ガロ系がどういう文脈で成り立っているのかとか、そういうことを丹念に追っていけば、面白さが体感的には分からずとも、その意義を頭で理解することは可能である。しかし、当時の僕にはそのような知識すらも欠けていたわけである。
むしろ僕は、先輩たちが「サブカル」寄りの漫画を適切にレビューし、言語化していくのを聞き、そのうえで読むのを重ねる中で、体感的に「サブカル」への素養を深めていった感がある。「ガロ」とまではいかぬも、「空気漫画」や「雰囲気漫画」と呼ばれるような作品に通じていった。
このあたりの「センス」をめぐる苦悩については自分のブログでも一度書いたが、今回は『モーニング・ツー』という雑誌に定位してこのことを考えてみよう。
『モーニング・ツー』もやはり、電球さんが強力にプッシュしていた雑誌であり、2012年のランキングではモーニング・ツーの漫画が多数ランクインしている(2位『変身のニュース』、15位『大砲とスタンプ』、24位『彼女とカメラと彼女の季節』)。電球さんは漫トロで『ネイチャージモン』(ダチョウ倶楽部の寺門ジモンが主人公のルポ漫画)を流行らせたような手腕が評価されており、「電通さん」と揶揄されることもあった。ともかく、レビューが巧かった。
そんな電球さんは2011年のランキングで1位に『夕方までに帰るよ』、4位に『シティライツ』をランクインさせており、どちらもおそらく、今までの僕には理解できなかったものだった(ちなみに全体ランキングではそれらは32位、35位であった)。
漫トロ内ではそれらを「サブカル」だと揶揄する向きもあったが、僕はそれもふまえたうえで、これらの漫画から言い難い閉塞感と、それがわずかに突破されるような解放感をおぼえたものだった。
その後も僕は「サブカル」をめぐり、「理解できない」ものに対して苦しみ続けたが、徐々に「理解」できていくことに喜びがあった。たとえば真造圭吾などは徐々に好きになっていったし(2010年に『森山中教習所』が13位に入っているが、その後の真造の作品よりも僕はこれの方が好きである)、「サブカル」漫画家とは呼ばれないだろうが売野機子のことを好きになれたのは漫トロのおかげだと思う(2010年に『薔薇だって書けるよ』が4位に入っているが、このときはかなり「萩尾望都っぽさ」が強かったので僕は馴染めなかった)。
思えば、同期入トロで年齢的には先輩だったGaryさんは例会やそのアフターなどで滔々といろんな話を語ってくれていたのが印象深いが、当時の僕は固有名詞を追いかけることで精一杯で、どういうジャンルの話なのかあまり理解できていなかった(特定のバンドマンが好きなのだなあぐらいの理解だった)。
だが、今にして思えばあれこそまさに「サブカル」的なものの典型でもあったのかもしれない(と言うと失礼かもしれんが)。今ならもっと楽しんで聞ける話なんだろうなと思う。
以下は個人的な話になることをお許しいただきたい。僕は2010年に入トロしたわけだが、同期の人間たちとはだいぶ親しくやっていたと思う。同期の淳之介がかなり遊びに誘ってくれるタイプの人だったので、それで同期の親睦が深まった側面は大きい。福井の東尋坊や岐阜の養老天命反転地に行くみたいなのは、淳之介がいなかったらおそらくあり得なかっただろう。
朝までボドゲをして、さわキチの家(百万遍にあるコーポ泉というアパート)で寝ていたのも良い思い出だ。その後1年下でミシェルが入ってきて、ミシェルもコーポ泉にいたもんだから、ボドゲを終えた後も語り合ったりアニメを一緒に観たりしていたなあということを覚えている。
73(旧ななせ)(旧旧あぺろん)とは「二次性徴モノ」的な性癖が合う仲だったので、漫画を通じてピンポイントな性癖を共有し合う仲だった感覚がある。73宅に行った際にコタツで夢精してしまったのもやはり良い思い出だなあと。
ふわふわとはある日を境に対立することになったが、なんだかんだ義に厚い人間だなあと今でも思う。2011年にふがいない会長であった僕を実務面で一番助けてくれていたのはおそらくふわふわだと思う。
語り足りないことはいくらでもあるが、先輩と後輩についても少し。創始者世代の人たちには僕は今やだいぶ嫌われているような気もするが、少なくとも漫トロに入ることを決めたのは魅力的な先輩たちがいたからだった。新歓期にミックというバーや雀荘に連れていってもらったことだとか、城崎での合宿のことだとか、お世話になったことは忘れられない。
座談会などでの言語センスにおいても僕にとっては未知の世界が広がっていた。そこには、後輩たちを感染させる強いカリスマ性があった。
僕が漫トロに参加しまくっていた2011年や2012年の時期に、「MANTROPY CHRONICLE」やTMRとの合同誌が作られたが、これについては1年上の先輩方の力が大きかった。zekiさんやusiさん、ひでシスさんとは漫画の趣味的には対立することの方が多かったが、実務的にかなりお世話になった。
漫画の趣味、という話で言えば、僕が会長のときに新歓がうまくいかなかったことに責任を感じているが、結局さらにその下の世代でかなり優秀な後輩たちが入ってきた。黒鷺世代、くまぞー世代の層は厚く、真摯な漫画読みたちだったと記憶している(そういえば、会長選の際に黒鷺もQPも”狂犬”ミシェルに泣かされていて僕は笑ってしまった)。
自分の好みを抜きにしても、2014~2016あたりのランキングはとても納得がいくし、僕は好きだ。
その後、ちょくちょくボドゲなどで顔は出していたものの、2017年頃には同期たちがほぼ一掃されたのもあって最年長となり、いよいよ僕は老害化した。長い年月漫トロにいるという年の功だけでなんとなく後輩より漫画について語れるところはあったかもしれないが、早いとこ消え去っておけばよかったように思う。
2019年、漫トロにちろきしんを連れてきたのは僕の最後の功績だろう(まあ僕が勧めなくてもちろきしんは漫トロに入っていた気がするが)。2019年には割と対等に話していた醤油が引退した。『ルーツレポ』やゼロ年代のことで盛り上がったのは良い思い出だ。醤油がいなくなったことで、これで俺を煽れる者は……
2020年にはとうとう(コロナ情勢もあって)ランキングが出せなかったし、僕はもう消えるべきだった。あまりにも長くいすぎたのだ。2021年と2022年、僕にとってのアディショナルタイムであった2年間、面倒を見ていただいて本当にありがとうございました。
どうもこんにちは,6年目のばいたるとです。
漫トロピーは大学を出るまで(あるいは出でもなお)ずーっと在籍できるサークルですから,修士・博士課程の会員もそこそこいるんですよね。
そんな彼らは自身が研究で培った深い専門性に基づいた議論をレビューで展開したり,あるいは研究生活で身に着けたスキルを存分に生かして会誌作成に貢献するなどして,サークル活動を盛り上げている頼もしい人材です。
一方で,修士2回生にして幽霊会員気味のばいたるとくんは,装置のメンテナンスを生業として研究室に居座っているそうです。
論文を書けない院生には人権がないので,メンテナンス業務に過剰に従事することでしか存在価値を見出せないんですって。こんな奴でも博士課程に進めるんですから,弊専攻の院試はガバガバどころかスカスカ,ゲイの末路。
しかしメンテを手伝うのはいいとして,それで不手際で怒られるのもしょうがないとして,それで嫌味言われるのはムカつくわね。「ばいちゃん(仮称)の手際が悪いせいで時間かかっちゃったじゃねえかよ~」とか言ってくるなら最初から一人でやってほしい。
ところで今年のアドベントカレンダーのテーマは紅白,つまり対立煽りですね。
み~~んな俺んヤルこと見下しやがってよお……
社会学だの
百合だの
統計学だの
あーだのこーだの
みんな偉い専門もってていいなア!!
じゃあ専門バトルしようぜ! 専門バトル!!
ばいたるとくんは,"アカ"ハラに長けている自負があるそうです。ついでに奇数日のテーマが紅なので都合がいい。
最近サイコミでアカハラ漫画の連載が始まったので紹介していこうと思います。
まあ,アカハラというのは相手の受け取り方の問題なので,別に俺はアカハラされてる訳ちゃうけどね。
アカデミックSOS
主人公・志方は情報系研究室のM1。幼少期の教育により賞を取ることに執着し,大学院でも論文を書くことに躍起になっている。
B4の女の子(重要)・丸山は,バリバリ研究を進めて配属2か月で1本目の論文を執筆,その後1年のうちに計5本も論文を書いてすべて有名ジャーナルに採択される。
圧倒的な差を見せつけられてメンがヘラった志方に丸山が研究活動のあるべき姿を説くことで生気を取り戻し,ついでに二人はいい感じになっていく。
その後,なんやかんやで丸山は別の研究室に引き抜かれ,研究成果を奪われ,自殺したので,志方は丸山の死と研究不正の真相を突き止めていく___というお話。
いやー,グロい漫画や。あらゆるコマがグロい。
まずグロいのは,論文を書くことに固執する主人子。志方の受けた幼期の洗脳は「賞をとること」なのだから,生き急ぐのは「賞を取らなきゃ」になるはずなのに,どうして「論文を書かなきゃ」になるのか。目的と手段が逆転している。院生の読者を共感性周知で殺す気でもあるのだろうか。
いやもちろん,論文は書かなきゃいけないっすよ。現時点で筆頭の論文がゼロ報の俺だってそりゃ理解してますよ。理解してるからこんな漫画読んでダメージ受けてんだよ!!
そして,後輩もグロい。2か月でゼロから論文仕上げるB4,すごいわね(小並感)。俺は実験系なのでデータがでるのに2か月かかることだってざらにあるのだが(実験下手糞なので)。最近論文がacceptされた後輩ちんが脳裏に浮かんでイライラしてきた。なぜ俺は自分の時間を投げうって後背ちんの論文のチェックをしていたのだろうか。数式ミスがいくつかあったぞ。
そんな優秀な人材に正論を語らせるなんてグロすぎる。その内容は要するに「研究の世界には競争もあるけど,大事なのは好きなことを研究することだよね!」というもの。
純真に研究を進めるハートはB4の6月に捨ててきてしまった。余計なお世話だと言いたい。俺の研究なんてクソだよ,クソ。
そして,なぜ異性の文脈を用いて救いをもたらすのか。院生なんだから,もっと苦しんでほしい。どんなに同期がいようと院生は孤独なのだから! もっと苦しんでくれ! 虚像で俺を惑わさないでくれ!
丸山はどうして自殺したのだろうか。陳腐なミステリーであると捉えれば,研究不正を訴えようとして口封じで殺されたんだろう。
しかし(俺にとっての)希望を見出すために,別の理由を考えよう。
そう,彼女は研究成果を奪われたショックで病んでしまい自殺したのだ。あの女はあんな正論を吐きながらもメンタル雑魚だったのだ。ざまあねえぜ! 研究成果を奪われるなんて屁でもねえだろ! 俺もあるぞ! 学会発表アブスト提出の前日に「コレコレで発表するからアブスト用の図を作ってくれますか?」ってメール来てから死ね!
しかし,実際に死ぬ行動を起こせたことは評価が高い。俺もしばしば指導教員に「怪我したらどうすんだよ」とか「死んだらどうすんだよ」とか言われますが,死んだら死んだでそこまでなんだから知ったこっちゃない。むしろ俺がおらなんだらこのテーマの実験進めるやつが誰もおらんくなって,一矢報いることができて清々しいかもしれん。
して,書くのがしんどくなってきたので筆を置くことにします。研究がうまくいっていなくて病んでいるドMな院生は1話を読むとしんどくなっていいですよ。
そしてただグロいだけの漫画ではなく,セクハラを行う音響戦士など草が生える展開も紹介したいのだが,スクショ禁止なので載せられない,どうして今時そんなに古風なんだろうね。
ちなみにこの妙な生々しさをたらしめる研究生活のリアルさは,作者が理系の研究室出身で(しかも地元の名門だった),まして当時の指導教員を監修に着けているらしい。さぞかしホワイトなんだろうな。
本作が国と大学の圧力で潰されないことを願ってやまない。
彡(゚)(゚)「ワイの名前はワイ、一人称が名前のタイプの人間や。もちろんなんJ民や。」
彡(゚)(゚)「正確には『元』やけどな」
彡(゚)(゚)「トラックに轢かれて死んだはずなんやけど、気付いたらわけわからん所に来てもうた。もちろんなんJもできひん。ひょっとしてこれが流行りの異世界転生ってやつか?とも思ったけど、普通に死後の世界なんやって。いわゆる異世界転生も、たぶん死後の世界のことなんやろな。」
彡(゚)(゚)「ほんで今ワイがいる世界は尸魂界って言うらしいわ。尸魂界は瀞霊廷とそれを取り囲む流魂街でできてて、瀞霊廷では貴族とかがおって、えらい贅沢な暮らししてるみたいや。もちろんワイがいるのは流魂街や。つまりは、搾取される側や。死んでも格差社会からは逃れられへんのやな。生きてるときは分からんかったけど、自殺ってするだけ損やな。」
彡(゚)(゚)「でも流魂街から瀞霊廷の住人になりあがる方法はあって、それが護廷十三隊に入ることや。護廷十三隊に入れば、一応公務員やし、安定して暮らせるレベルにはなるっぽい。席官クラスでも遊んで暮らせはしないみたいや。世知辛いな。」
彡(゚)(゚)「護廷十三隊になるためにはまず真央霊術院に入学せなあかんみたいや。そこで座学とか実習があって、配備はその後なんやって。あんま現世と変わらんな。」
彡(゚)(゚)「まあ流魂街よりは瀞霊廷に住みたいし、他にやりたいこともないしとりあえず護廷十三隊に入るのもアリなんかもな。」
~~~
彡(゚)(゚)「真央霊術院卒業まであと半年や」
彡(゚)(゚)「ワイは一組や。つまりは一番優秀なクラスってことや。つまりワイは優秀ってことや。流魂街中から人が集まるから、もっと大変やと思ってたけど案外楽勝やな。」
彡(゚)(゚)「真央霊術院を卒業すると、一年の見習い期間を経てどの隊に配属されるかが正式に決まる。ただ一番隊だけは特別で、一番隊配属になるには専用の試験を受けなアカン。」
彡(゚)(゚)「試験は3週間後や。まあ楽勝やろ。ワイ一組やし。」
~~~
彡(\)(/)「クッソ!落ちてもうた!」
彡(\)(/)「何が適性検査やねん!図形パズルで何が分かるんやクソが!アカンマジで腹立つわ!隊舎燃やしたろか!」
彡(゚)(゚)「まあ落ちてもうたもんはしゃーない。見習い期間で何番隊に配属されるかやが、これは原則希望順や。二番隊~十三番隊の中で希望順に行きたいところを並べて提出する。ただ、枠はあるからどうしても希望通りいかん場合が出てくる。その場合の優先順位は真央霊術院の成績や。」
彡(゚)(゚)「ま、ワイは成績いいから第一希望で通るやろうけどな。」
彡(゚)(゚)「何番隊に行きたいとかは特にないけど、行きたくないとこはあるな。十一番隊はブルーカラーやし、七番隊もジェネリック十一番隊やからアカンな。四番隊はいつも定員割れしてるし、ワイみたいなエリートが行くとこちゃう。」
彡(゚)(゚)「三番隊は市丸隊長を「推し」とか呼ぶキモい女しかいなさそうしアカンな。十二番隊はちょっと考えたけど、ガチ勢しかいなくて肩身狭そうやしやっぱナシやな。」
彡(゚)(゚)「残りはまあ、どれでもええか。適当に並べて提出やな。配属が決まった後も好きに動いていいみたいやし、あんま気にせんでいいか。」
~~~
彡(゚)(゚)「第一希望に配属されることになったわ。九番隊や。陰キャ多そうやし、瀞霊廷通信関連やったら前線に出んでよさそうやし、狙い目やろ。」
~~~
彡(-)(-)「アカン、仕事全然おもんない」
彡(゚)(゚)「報道って、要は自分で何も生み出さない職業なんや。こんなん当事者が発信しだしたらいらん役目やんけ。やり甲斐がなさすぎる。」
彡(\)(/)「ここはワイがいるべき場所やない!別の隊に異動したろ!」
~~~
彡(゚)(゚)「~~~というわけで、異動したいと思います。」
69「……そうか。……ワイ君はここが一番合ってると思ってたんだけどな。」
彡(゚)(゚)「はい?」
69「いや、ここって文才が物をいうだろ?ワイ君の文章を見る限り、ワイ君はいい意味でひねくれてるし、単純に語彙力も高い。ワイ君の才能が一番活きるのはここだと思うんだが……。」
彡(゚)(゚)「でもそれぞれの隊の配属はまた希望調査して決めるんでしょ?他のところも見て、そこから自分の配属先を決めても遅くはないと思うので。」
69「それもそうだな。他の隊を見るのも悪くはないな。恋しくなったらいつでも戻って来てくれよ。」
彡(\)(/)「うるせえバーカ!こんなおもんないところ、二度と来るか!アホ!ボケ!(ありがとうございます。お気遣いいただき感謝します。)」
~~~
彡(゚)(゚)「十三番隊に行くことにしたわ。一番オーソドックスそうやし、ほどよくゆるそうやし、浮竹隊長初め、みんな優しそうやし、やり甲斐もあるやろ。面談するみたいやし、それでワイと合うかどうか判断すればええか。」
浮竹「君が九番隊から移ってきたワイ君だね。」
彡(^)(^)「よろしくニキ―!」
浮竹「なんで九番隊から移ってきたの?」
彡(゚)(゚)「九番隊の仕事が合わなかったからですね。自分がやりたいことじゃないっていうか、やり甲斐を感じなかったというか。」
浮竹「…ま、まあやり甲斐なんてそんな短期間で手に入れられるものじゃないからね。他の隊じゃなくてうちを選んだ理由は?」
彡(゚)(゚)「…それはアレですね、あの……、十三番隊の雰囲気がよさそうだったからです。」
浮竹「…具体的にやりたいことがあるわけではないんだね。まあ最初はみんなそんなものだよ。ワイ君は真央霊術院の成績もよかったそうだし、期待しているよ。」
彡(^)(^)「ありがとうございます!上位席官になれるように精進します!ゆくゆくは浮竹隊長の下で、副隊長になりたいです!(ゴマすれるだけすっちまえ!これで完璧やろ!)」
浮竹「…ワイ君はうちがなぜ副官を置いていないのか知らないのかい?」
彡(゚)(゚)「え?副官に値する隊士がいないからじゃないですか?」
浮竹「……もういいかな。うちが副官を置いてない理由は誰かに聞けば教えてくれるよ。面談の結果は明日には出るから待っててね。」
彡(゚)(゚)(? 十三番隊への編入には面談をするけど、それはあくまでどういう人間かの把握のためだけで、形式的なものちゃうんか?)
彡(゚)(゚)「面談の結果が帰ってきたわ。不合格やってさ。まあ浮竹隊長はワイと合わなそうやったし、こっちから願い下げやけどな。あれはたぶん、優しいのは表面だけで、一定のライン超えた人間は見捨てるタイプや。」
彡(゚)(゚)「まあしゃーない。ワイは護廷十三隊の隊員という称号がほしかっただけでやりたいことなんかないし、居心地さえよければなんでもええわ。」
彡(゚)(゚)「十番隊にいくことにするか。面談みたいなダルいことせえへんし、乱菊副隊長めっちゃエロいらしいし、目の保養にしとけばモチベーションも上がるやろ。」
~~~
乱菊「今年も死神見習いがウチにたくさん来てくれたことを祝して、カンパーイ!」
彡(^)(^)「バンカーイ!(新歓コンパみたいなのやってくれるんや!かわいい女隊士多いみたいやし最高や!)」
乱菊「ププッ、乾杯を卍解っていうなんて、ワイ君面白いね!ワイ君お酒好き?」
彡(^)(^)「よろしくニキ―!ワイお酒大好きです!」
乱菊「そりゃいいじゃない!ウチは女の子多いし、飲み会も多いから。そういうコトにもあまり困らないかもね♡」
彡(^)(^)「そんなん最高やないですか!ワイめっちゃクンニうまいんで即戦力っすよ!やっぱイラマチオとかめっちゃうまいまんさんとかいるんですか?
(あんなんで笑いとれるとかチョロすぎるやろ!ここはギア上げて、ワイお得意のユーモアかましたるでえ!)」
乱菊「……そ、そうね。いないこともないわよ。ところでワイ君はどこ出身なの?」
彡(^)(^)「そんなんどうでもいいでしょ!それよりワイは乱菊姐さんにパイズリしてほしいんですよ!」
乱菊「そ、そうね……。また今度、気が向いた時にやってあげるわ」
彡(^)(^)(最高の隊やんここ!九番隊も十三番隊も糞喰らえや!)
~~~翌日~~~
日番谷「おいワイ、ちょっとこっちに来い」
彡(゚)(゚)「なんですか日番谷隊長?身長を伸ばす相談ですか?」
日番谷「そんなわけないだろ!…昨晩の貴様の行動だが、流石に目に余るものがある。多少性的な会話をするのは結構だが、貴様のは一線を超えている。」
彡(^)(^)「それは隊長がガキだからですよ!松本副隊長も凄く喜んでましたし!」
日番谷「…俺がこうして言ってるのは、他ならない松本に言われたからなんだけどな。『私が言っても真に受けないだろうから』ってさ。」
彡(゚)(゚)「……。でも、あんなに喜んで……。」
日番谷「あの場で指摘して場が白けるほうが嫌だろ。お前も大人だろ?ちゃんとわきまえろよ、そういうのは。」
彡(-)(-)「……すみませんでした。(享年含めたらワイのが年上やぞ!なんで年下に説教されなあかんねん!糞が!)」
日番谷「わかってくれたらいいよ。後で松本にも謝っとけよ。」
彡(-)(-)「…そうします。(もうええわ!ワイのセンスを認めへん場所にいる必要はない!こんなところ出ていったる!)」
~~~
彡(゚)(゚)「次は八番隊やな。京楽隊長ならワイのことをわかってくれるやろ。男やし。」
京楽「今年はやけにウチに来る死神見習いが多いね!豊作豊作!」
七緒「それはつまり、面倒見ないといけない隊士が多いってことですよ。そんなに喜ぶことじゃないです。」
京楽「まあまあ七緒ちゃん、そんな盛り下がること言わないの。なんてったって、今日は宴なんだから。」
彡(゚)(゚)(流石にこの時期になると見習い同士で関係が出来てくるんやな。肩身狭いンゴ)
京楽「キミが十番隊からウチに来た子だっけ?よかったねー、たまたま十番隊の後に八番隊の見習い歓迎会があって。キミだけ2倍も楽しめて。」
彡(゚)(゚)「あ……、アリガトウゴザイマス……。」
京楽「どうしたんだいワイ君?せっかくの機会なんだし周りに話しかけに行かないと!あ、そうそう、ここの酒が凄く美味いんだよね、ワイ君飲んだ?」
彡(゚)(゚)「ノ、ノミマシタ…。オイシカッタデス……。」
京楽「そうか、そりゃよかった。あとここのフグ鍋がさー…」
円乗寺「隊長——!そっちの席ばっかりじゃなくてこっちの席にも来てくださいよ―!」
京楽「あーすぐ行くよ辰房。じゃあね、ワイ君。せっかくの宴なんだ。思う存分楽しんでいきなよ!」
彡(゚)(゚)「ハ…ハイ……。」
彡(゚)(゚)(……。………)
~~~
彡(゚)(゚)「八番隊はなんか雰囲気が合わへんかったわ。陽キャすぎるっていうか、ノリで会話しすぎやわ。」
彡(゚)(゚)「次はノリでの会話とかなさそうなところに行きたいな。二番隊とかええ感じやし行くか。」
彡(゚)(゚)「二番隊は現隊長も副隊長も無能そうやしな。特に隊長なんか、前隊長が失踪したからなってるだけで、本来隊長の器ではないと専らの噂や。飲み会とかもほぼやらんらしいし、不人気よりの隊やし、ワイは重宝されるやろ。」
砕蜂「貴様が八番隊から来た死神見習いか。隠密機動という任務の性質上、我々の仕事は他の隊に比べて特殊な部分が多い。その点を理解しての異動か?」
彡(゚)(゚)「勿論です!その点は重々承知の上で来ました!」
砕蜂「そうか!だが心意気だけでやっていけるほどこの隊は甘くはない!まずは瞬歩を使えるようにすることだ!」
彡(゚)(゚)「……ワイもう瞬歩使えるんですけど。選抜クラスは霊術院の時点で瞬歩を習うんですよ。」
砕蜂「……そうか。ならばすぐに実戦だ!ここからは私ではなく大前田が代わって説明を行う!私はこれから隊首会のために一番隊舎に向かう!」
彡(゚)(゚)(少なくとも賢そうには見えへんな。無駄に偉そうなわりにちょっと抜けてる。やっぱ隊長の器ちゃうわ。ここやったら簡単に成りあがれそうやな。)
大前田「了解です隊長!…………ワイ、ウチの隊長についてどう思った?」
彡(゚)(゚)「本音をいっていいんですか……?控えめに言って、ポンコツだなあと……。(コイツも無能に見えるなあ)」
大前田「まあ実際ポンコツなんだが、だからいいこともあるんだ。部下として支え甲斐があるっていうかさ。ウチって十三隊の中でも一番身内を信頼できないだろ?身内の処断も任務の一つだからさ。だから誰も信用できなくなる時があるんだ。でもあの隊長は常に誰かを必要としている。隊長が完璧だったら、二番隊は今よりはるかにギスギスしてたと思うぜ。」
彡(゚)(゚)「そんなもんなんですかね(ただ無能を無理やり正当化してるだけやろ。何いってだこの豚。)」
大前田「ところでワイ、時計に興味はないか…」
砕蜂「大前田!」
大前田「ど……、どうしたんですか隊長!もう隊首会に行ったはずじゃ」
砕蜂「実は今日の隊首会、副隊長も出席が求められる会だったのだ!」
大前田「そんなのわざわざ戻って来るほどのことじゃないでしょ!更木隊長とかサボりまくってますし、なんとかなりますって。」
砕蜂「うるさい!とにかく早く支度をしろ!」
大前田「わ、わかりましたよオ……。あー、ワイは教科書を読んで隠密信号について一通り覚えといてくれよ。あと、そこにあるお菓子はどれも高級な奴だけど、
いくらでも食べていっていいぞ。でも全部俺の金だ!俺への感謝を忘れるな!」
砕蜂「そんなこと言ってる暇があったら支度しろ!ワイは此方など見ず、直ぐ暗記にとりかかれ!」
彡(゚)(゚)「……あ、了解です。」
彡(゚)(゚)「噂に違わず、二番隊隊長はポンコツやったな。」
彡(゚)(゚)「おまけに副隊長は銭ゲバ。終わってるわこの隊。」
彡(゚)(゚)「ワイならあんな無能ムーブせえへんし、もっとうまい金の使い方するわ。なんやねんお菓子って。美味しいけど。」
彡(゚)(゚)「ワイはあいつらより凄い。ワイは凄い。ワイは……。」
彡(;)(;)
~~~
彡(;)(;)「ワイはゴミや。他人より優れてる部分を探して、それで他人より全てで優れた気になって、無意味に他人を見下して……。実際はワイよりいい部分なんていっぱいあるのに。それなのにワイは他人を見下すだけで安心して、全然周りに合わせたり、成長したりする努力なんかしなくて。」
彡(;)(;)「こうなったら、規律が厳しい六番隊に行って性根を叩き直すしかない。六番隊は貴族の子弟が多くて真央霊術院の前から関係が出来てるらしいのがネックやが、もうしゃーない。朽木白哉隊長の名前も、『白』がついててワイ好みやし、六番隊に行く運命やったんかもしれへんな。」
彡(゚)(゚)「え?なんで門前払いなんですか?」
理吉「なんでって言われても……、君みたいなのを入れて揉められると困るんだよ。ウチって貴族の子弟が多いだろ?揉めた時に不利なのは君の方だよ?だからあらかじめ揉めそうなのは排除してるんだよ。」
彡(゚)(゚)「そんな……、ワイが揉めそうって」
理吉「口ではどうとでもいえるけど、一度や二度ならともかく、客観的に見てこんなに隊を移ってるのはおかしいだろ。おまけに十番隊や十三番隊からの君の評判はすこぶる悪い。」
彡(゚)(゚)「でも……、まだ見習い期間なのに門前払いはないですよ。せめて面談とかしてくれないと……。」
理吉「……、一体……、一体いつから、選ぶのが死神見習い側だけだと錯覚していた?」
彡(゚)(゚)「?…どういうことや……?」
理吉「真央霊術院を卒業した者は一年の見習い期間を経て、配属先を選ぶことになってるけど、同時にこの一年は、護廷十三隊側がほしい隊員・ほしくない隊員を選別する期間でもあるんだ。正直、まだ見習い期間だから引き取ってくれるところもかもしれないけど、一年後には君のような問題児はどこへ行っても門前払いだよ。寧ろ今の内に門前払いする我々に感謝してほしいくらいだ。」
彡(;)(;)「そんな……、そんな……」
~~~
藍染「成程。そういうわけで君はこの隊に来たんだ。」
彡(;)(;)「はい……。もうワイを受け入れてくれるところはほとんどなくて。」
藍染「そんなことはないよ。それに三番隊隊長と九番隊隊長は僕の元部下だ。特に九番隊は君の最初の所属だろ?僕から口聞きしておくよ。」
彡(;)(;)「ワイのためにそこまでしてくださって、ありがとうございます」
藍染「礼には及ばないよ。そもそも瀞霊廷の、過去の失敗への風当たりが必要以上に強いことは、僕も前から問題だと思っていたんだ。その風潮の被害者を一人救えただけでも良かったよ。とにかく、私は君の仲間だ。そして君は我々の仲間だ。」
彡(;)(;)「た、隊長ァ・・・」ポロポロ
彡(;)(;)「で、でもワイ、、、なんの能力もないゾ、、、」
藍染「五月蠅い!!!!行こう!!!!!」ドン!!!!!
藍染「私は面白い者が好きだ!!!」ニィ
彡(;)(;)「う、う゛う゛、、、あ゛い゛ぜん゛だい゛ぢょお゛お゛お゛、、、、」ポロポロ
市丸「よろしくやで!俺くん!」
東仙「私は東仙要。よろしく(思っていたより醜いな)」
東仙「私より弱そうな奴が入って来て嬉しいぞ私は」
市丸「今夜は糞干し柿だ———!!!」
藍染「私が織姫に治させるから安心して怪我してすればいい」
東仙「東仙要だ。瀞霊廷通信編集長」ジワァ
市丸・ギン「新人ンンンンン!!!干し柿は好きかぁ—―———?????」
こんばんは、清盛です。
紅白対抗アドベントカレンダー企画、今日のテーマは「紅」です。明日のテーマは白で、明後日のテーマは紅です。
その次は白。紅。白紅。白紅白紅。白紅白紅白紅白紅白紅白紅 ー
とりどりの色たちが つむぐ炎の螺旋 果てしなく続いてく はるかから受け継いだ光―
今日はスマブラでVIPに入る方法について書きます。
スマブラをプレイする人の多くは、友人たちと楽しむパーティーゲームだと思っていますが、実は知らない人たちとひたすら戦うオンライン対戦が実装されており、その中でも上位5%が参加することができるVIPというものがあるのです。かなり適当な例えをすると、天鳳でいうと特上卓に参加できる四段、大学受験というゲームでいえばMARCHあたりでしょうか。
これを聞いて「いや…‥雑魚じゃねえか」と思ったそこのアナタ。傲慢です。
本当にトップ層の人間からするとバカにできるけど、その遊戯に触れている人間全体からすると上位に位置づけられるくらいのポジションって大事だと思うんですよね。始めたばかりの人が憧れることができて、到達することが現実的な水準があってこそ、裾野が広がるんです! 裾野からちょっと登ったところから言っても格好はつきませんが……。
さて、VIPを目指す人がYoutubeで動画を色々検索してみても、大体プロやそれに類する人たちの動画しかない。もちろんそういったものも大いに参考になるんですが、僕がVIPを目指している時に探していたのは「ギリギリVIPの水準を満たしている人」が考えていることでした。 完璧なプレイを目指すのは、スマブラというスピードの速いゲームの場合特に難しい。まずは意識を低く持ち、ギリギリVIPの人を参考にしようというわけです。 しかし、意外とそういうコンテンツは見つからなかった。僕が使っているカムイというキャラクターの人気があまりないというのも理由だったのかもしれませんが。
このような経験があったので、この記事はそれを提供することを目的としています(つーかこれが限界 VIP不安定層なので……)。タイトルには「VIPに入る方法」とか書きましたが、ぶっちゃけ現時点での思考を言語化しておく私的備忘録みたいなものですね。では、本題に入ります。
相手を先に三回撃墜することが最終目標です。 撃墜するまでのプロセスは、
①敵に始動技を当て②コンボをして%を溜め③撃墜技を当てる
という流れですね。まあ説明されずとも当たり前の話なんですけど、逆VIPの頃の僕はここが思考として染み付いていませんでした。当時戦闘力800万くらいの友人がコンボを覚えずにそこまで行ったという話を聞いて、コンボより前の段階に「動きの良さ」なる曖昧なものを上達させる必要があるんだな、とボンヤリ思ってひたすらオンラインに潜ったりしていましたが、中々上達せず……。
今考えると、これは明確に間違いでしたね。理由は大体この記事に書いてあるので省きますが、とにかくコンボは大事です!基本的なものは練習しておきましょう。
時系列順に①②③と番号を振りましたが、一番大事なので②のコンボから説明します。 トレーニングモードでコンボを練習した後、オンライン対戦に潜ったあなたは最初にこう思うはずです。 「これ実戦で決めるの無理じゃね?」 そうなんですよね。このゲーム、確定コンボといっても「敵の落下速度」「敵の大きさ」「蓄積ダメージ」「ベク変」といった変数が多すぎ、またそれぞれの尺度が細かすぎて、いつ確定しているのかがよく分からない。 本当はコンボ精度を高めるために、キャラ別、ダメージ別、ベク変別に研究する必要があるっぽいんですが、僕たちはたかがVIPに入りたいだけなのでもっと意識低く行きましょう。 考慮するべき変数は2つだけ。しかもそれぞれたったの三段階です。
●「敵の大きさ」の大・中・小
●「蓄積ダメージ」の序盤・中盤・終盤
これを意識してコンボを試みると、完璧ではありませんが大体入るようになりますし、確定するか否かの勘も働くようになります(恐らく無意識のうちに位置関係で判断してる気がする)。
あと「これは確定しなさそうだな」と判断したらコンボを中断して、相手が暴れるか回避するかの読み合いに持ち込むのも有利な展開を維持する上で大事です。
撃墜に至るプロセスの①ですね。 このwikiの差し合いの項とか読むといいんじゃないでしょうか。 僕は意識を低く持ちあまり択を厳密に整理せず、バックジャンプをすれば相手が置き技を振ってきやすいとか、自分の行動が敵のどういう行動を釣り出しやすいかを大まかに意識して、その後に始動技を当てられる展開になるかを考えるようにしています。相手ファイターにどういう択があるかを把握して、それをどう咎められるか・あるいは咎められないかを知り、大体の成功パターンを蓄積していきましょう。
低リスクで振れる撃墜技を擦る、それをまったく咎められないなら擦りに擦りまくる。対応されるようであれば、撃墜技生当てを諦めて着地狩りや崖などの有利展開に持っていく……ってのが大事ですかね。分かってる人からすると狙ってる技がモロバレだと撃墜拒否が簡単になってしまうので、複数の択を持っておきましょう。あと復帰阻止はファイターによりけりなので何とも言えないですが、カムイの場合は阻止に行ける場面が限られているので、行けなさそうな時は無理せず崖展開を維持するようにしています。
先程も貼ったwikiのガケのぼり狩りの項を読みましょう。 他人の褌で申し訳ないんですが、今まで書いたこと含め本記事を読むよりこのwiki読む方が本来は有意義です。 あえて意識低い勢として独自の意見を言えるとするなら、VIP以下では
ジャンプ上がりの位置に攻撃を置く→嫌がった相手が回避上がり→スマッシュ!
というように、こちらの釣り行動に対して相手が同じ行動を繰り返して読み合いが成立せず、一方的に狩れることも多いです。そこに対応してくる相手への解答を詰めることは諦めて、狩れる奴だけ狩りましょう。
色々書きましたが、意識低く水準を設定したのにも関わらず自分でも徹底できてない部分も多いことや、どの点で意識が低いのかということを明確に自覚できたので、これから成長していく上で僕にとっては有意義な言語化ができました。みなさんにとって役に立つかは分かりませんが。
福田のおっちゃんもこう言ってますが、他人が言語化したものを読んでも「ほーん」で終わっちゃうんですよね。身体のレベルで実感できない。 かといって自分で掴む前にそういうものに触れることが無意味かというと、僕はそうは思わなくて、身体レベルの感覚を自分なりに言語化する上での補助線になると思います。この記事がもし誰かの補助線になれたら嬉しいですね。
それでは、よいスマブラライフを! "高み"で待ってるぜ。