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京大漫トロピーのブログです

【12/13】最近読んだ漫画が紅くってよかった

まきますか  まきませんか

こんにちは146Bです。最近はこの名前も使わなくなってきてしまい、漫トロだけの名前になりつつあります。

はじめに

今回のブログで扱う漫画は『ローゼンメイデン』です。

冒頭の二択はこの漫画の書き出しでもあり、有名な一節だと思います。
主人公桜田シュンくんは「まきますか」に丸をつけて、大きな運命の奔流に巻き込まれることとなります。

ローゼンメイデン』とはどのような作品か

本作の構成はいささか複雑。というのも最初は幻冬舎の『月刊コミックバーズ』で連載されてましたが、途中から集英社の『週刊ヤングジャンプ』に移籍。その影響で物語の途中に断裂があります。
また、その時にローマ字タイトルから現在のカタカナタイトルに変更されています。
カタカナタイトルのから手を取り、1巻から読んでいるはずなのに物語が途中から始まっているのに気付く、というのはあるあるでしょう。「バキ」シリーズがどこから始まっているかわからなくなるやつと同じです。

完結した現在では「バーズ」で連載されていたのを「1部」、「ヤンジャン」で連載されていたのを2部、3部と分けられています。

そんな『ローゼンメイデン』も旧バーズ版が連載されてから今年で20周年、それを記念して旧バーズ版からヤンジャン版までを通して収録した愛蔵版が発売されました。私はそれを集めて読んだわけです。

あらすじ

1部ではシュンくんは「まきます」を選んだために、家に真紅という「ローゼンメイデン」が届きます(これが「紅」要素です)。愛蔵版1巻の表紙の子ですね。シュンくんは不登校な中学生でクソガキ、そんなやつの元にまた別のクソガキな真紅っていう生命が吹き込まれたアンティークドールがやってきてドタバタな日常になるって感じですね。面白くないです。1部の終わりはとても唐突。 別のメンヘラっぽいアンティークドールが襲撃してきて、真紅たちがピンチになったのを助けようとして終わるって感じですね。打ち切りを疑うレベル。

またもや二者択一を迫られるシュンくん

続きはヤンジャン版へ。
そのまま2部を読み始めてみると、なんと冒頭でシュンくんは「まきませんか」に丸をつけているじゃないですか。話を読み進めていくと、「まいた」世界線で行き詰まったから「まかなかった」世界線の可能性に賭けたらしいとのこと。話が複雑になってきたぞ。しかし、2部になって以降は結構面白くなります。

ローゼンメイデン」とかいう生命を吹き込まれたアンティークドールが作られたのは、すごい人形職人さんが「究極の少女」を作りたかったから。それがなぜか人形をバトらせて解決させようとなったらしい。Fateで説明すると、シュンくんたち人形の媒介がマスターで、真紅たちローゼンメイデンがサーバント、聖杯戦争アリスゲームってのになります。ローゼンメイデンも7体いるし。

なのに最初はロリコン漫画みたいなおちゃらけた日常ばっかで拍子抜け。やっと面白くなってきたってことですね。
2部になって盛り上がってきて、「まかなかった」世界線である程度の解決がなされます。

そして続く3部では「まいた」世界線桜田シュンと「まかなかった世界線」の桜田シュンが合流し、さまざまな「ローゼンメイデン」と力を合わせて最終決戦へってことです。

ローゼンメイデン』の魅力

「究極の少女」ってなんだよって思いつつも、戦うアンティークドールちゃんたちカッコかわいい! って読むわけです。

この漫画、とはいえテーマのフラフラしてたり、伏線の処理がちょっと雑かったりするので、あまり出来がよくないですね。一方で人気を博したのも確か。なぜだろうか。まぁロリコン漫画として受容されたからだろうって思いますが。

作者(ユニット)のPEACH-PITは『しゅごキャラ』という少女漫画も手掛けており、少女の造形が精緻。愛蔵版の表紙にいる「薔薇乙女ローゼンメイデン)」たちを見てください。愛くるしいですね!
アンティークドールってやつに聖杯戦争に、その上で「不思議の国のアリス」要素。厨二心をくすぐるのに、あどけない少女が主役というギャップ。オシャレだと思わさせるだけのものが詰められています。

その上真紅がツンデレっぽくてかわいいってのもあるのかな。個人的には真紅よりも、真紅ら桜田シュン人生と対置されるメンヘラ陣営の方が好きです。

終わり

以上、ざっくりと『ローゼンメイデン』のあらすじとその魅力について追ってみました。『ローゼンメイデン0 -ゼロ-』ってのはまだ読んでいないのでいつか読んでみたいですね。というのも『ローゼンメイデン0 -ゼロ-』はどうやら大正浪漫的らしい。その要素にゴシックな「薔薇乙女」を混ぜ合わせたらどんな作品になるのか、ワクワクします。