mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/17】真心をきみに

ナヤです。テーマが“誕生“らしいので、自分のオタク人格の誕生について書く。

時代は遡り2014年。私は2ちゃんねるVIP板のアニメスレにいた。学校をサボり、布団の中でスマホのブラウザから開いていたのを、今でも思い出せる。
スレでは様々な話題が話されていたが、スレッドをリロードし最新レスを見ると、どうやらハルヒについて話しているということがわかった。
私はハルヒについて何も知らなかった。知らないのだから何も話さなければ良いものを、クソガキだった私は、ハルヒ語りをしていたニートにレスをつけてしまった。

ハルヒ見た事ない。面白いの?」

話の輪に入りたい一心だった。

ハルヒも見た事がないクソガキは死ね」

いくつか私にレスが付いたが、概ねこのような意のレスだった。

衝撃を受けた。

死ねって。死ねって!!!半年ROMるだけじゃ済まねえのかよ!!
本当にショックを受けて傷つきはしたが、それと同時に、大きな学びも得られたと、その時は思えた。
最近のオタクは違うようだが、古いオタク達は基礎知識と文脈を重視する。
まあ、ある程度の有名どころくらいはチェックして、アニメ歴史の大まかな流れくらい掴んでから口を開けということだ。
上記のようなことを、古いオタク達は言う。いったい彼らはどこでそのような思想を持つに至るのだろうか。私には判然としない。
しかし、私の場合は明確だった。
この、死ね、とレスをつけられた時だった。
一発で感染した。
オタクとして覚醒した私は狂ったようにanit⚪︎beでアニメを見ることになる。
片っ端からアニメスレに出没しては古いオタク達に低姿勢でアニメをおすすめしてもらい、それを見る日々。それと同時に毎期のアニメチェックも欠かさない。ニコ動に投稿されたアニメはコメントありきで見ると本当に面白かったので、当時はつまらない日なんて1日もなかったものだ。あゝ、黄金の日々。

時は流れ現在。

気づけば同世代で自分よりアニメを見ている人と出会ったことがない、出会うだろうという希望すら持てないような化け物になっていた。(単に出会いや友達が少ない可能性については考慮しない)

…………。


数日前、親しい先輩に泣きそうになりながら吐露した。私はここまでアニメを見てきたのは、将来できるであろうアニメオタクの友人に、負けない為だった。がっかりされない為だった。感動してもらいたかった。こんなにアニメの話が通じるのはお前だけだよ!って、通じ合いたかった。
それなのに、俺の人生って、なんなんだろうな………。
先輩は、友達作る為にアニメを見てきたのに強化しすぎて友達ができないなんて、と笑っていた。

アニメにリソースを使いすぎたせいで、自分の人生は限界だ。
おかしいだろ、2ちゃんに使っていた時間があれば、アニメを見ていた時間があれば、アニオタとは言わないまでも、素晴らしい友人との出会いの機会は増えていたかもしれないし、恋愛の機会だってもっとあったかもしれない。
偶然性は何倍にも拡張され、自分の人生は何倍にも面白くなっていたのかもしれないのだ。
人生の選択を、きっとどこかで間違えた。
取り返しは、もうつかない。

これからの方針として、しばらく孤独に徹しようと思う。もう張り合う友人もいないのにオタクをするのは疲れたし、かといって恋愛や大学生っぽい遊びにも興味を持てない。
今しばらく自分を見つめ直し、自分を立て直す時間が必要なんだと思う。
先輩はこう言った。
自分が何を好きだと思い生きてきたか、もう一度見つめ直すと良いよ、と。
きっと、その通りなんだと思う。

最後に漫トロについて話すが、漫トロに入った理由は自分のオタク的視野を拡張する為だった。オタクとして生きて行く為には、アニメだけではいけない。ゲーム、漫画、批評、哲学、様々な視座を内面化することが必要だと思ったのだ。
漫トロの皆さんは、自分なんかから見ると、過去数十年に渡って漫画を読み、漫画世界の歴史を大まかに把握して喋る、立派なオタクに見えた。切磋琢磨しているようにも見えるし、好感が持てる。この先どのくらい所属する事になるかわからないが、その姿勢と膨大な知識は学ばせていただきたいと思う。