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京大漫トロピーのブログです

【12/8】『ケロロ軍曹』連載25周年を迎えて

最近カイジを和也編まで復習し終わったKGです。和也編の主役はどう考えても和也より貧乏アジア人3人組なので普通にタイトル詐欺だということに初めて気づきました。あと、兵頭会長の影響を受けずに自分だけで勝負したいと言ってる割に、著作は本名で出版するのずるくない?

閑話休題

私KGという漫画読みの誕生の原点といえる作品とは何か?と問われればおそらく答えは『ケロロ軍曹』でしょう。

KGのLINEのアイコン

私とケロロ軍曹の出会いは5歳の時、親戚の家においてあった大量の漫画の中から選び取った『ケロロ軍曹』第一巻でした。そこに「ケロロ」が置いてあったのは作者の吉崎観音先生が熊本出身であり、同郷だったからだとか。ここからKGのケロロ愛が続いて今年で早15年というのだから驚きです。振りカエルと、私の人生にいつも大きな影響を与えてきた作品といえるでしょう。私が一足早く、小学校高学年の時に中二病になったのは、きっといろんなオカルトが身の回りに当然のようにある「ケロロ」の世界に憧れたからでしょうし、近所のおじさんと仲良くなり、いろんなゲームやらマンガやらを教えてもらったのもケロロと冬樹くんの関係性に近いものがありました。ある程度運動が得意になったのもドロロ兵長の忍者走りに影響されて忍者を目指した時期があったことが大きいように思います。初めて買ってもらったCDも「ケロロ」のアニメで使われた音楽メドレーでしたね…思い出は尽きる気配がありません。

そこで今回はそんな私の人生に大きな影響を与えた『ケロロ軍曹』の誕生について解説していきます。

時は1998年、東京は三鷹にて、吉崎先生が作画担当で連載していた『VS騎士ラムネ&40炎』が完結しました。次回作がどうなるのか、今まで小学館で依頼されるがままに執筆をつづけてきた吉崎先生のもとに担当から電話がかかってきます。「最近は女の子が主人公の漫画が人気あるんだよね」「でも吉崎君女の子描くの苦手でしょ?」「吉崎君の描きたいマンガ描いてみてよ」それとなく注文はついているものの、オリジナル作品の読み切りを打診されたのでした。

吉崎先生は悩みました。今でこそ『けものフレンズ』のキャラデザを担当し人気を博すなど、かわいらしい女の子の描き方の定評のある吉崎先生でしたが、当時はかわいい女の子というものを描くことに大きな苦手意識がありました。また、前述の「ラムネ」の作画を通して魅力的なキャラクターの必要性を痛感するものの、魅力的なキャラクターとは何か?その答えはわかっていません。そもそもどんなジャンルの漫画にするのか。「ケロロ」以前の先生の作品にそこまで共通のジャンルがあるわけでもありません。あれやこれやと悩みつつ、自分の原点となった漫画に思いを馳せます。

吉崎観音先生が人生で初めて読んだ漫画、それは「ドラえもん」でした。そして新人漫画家だった35年前、最初に担当編集に描いてみたいといったのもいわゆるドラえもん系、すなわち、子供向けで、超科学的なアイテムを出し、ギャグを挟みつつ一話完結で毎回テーマを変えていく。そんな漫画です。新人だった当時は、担当に「これは藤子先生だから描ける漫画なんだよねえ」と言われて断念していた吉崎先生はこのジャンルに挑戦してみたい!と決意を固めます。

ジャンルの次はキャラクターです。近所のファミレスでコーヒーを注文しながら、あーでもないこーでもないと粘るうちに持ってきた紙が尽きると、こんどは紙ナプキンを使ってアイデアを練る。そんな日々を繰り返すうちに降りてきた天啓!オカルトが好きだし宇宙人?動物と混ぜてみたらどうだろう、地球人を解剖する宇宙人、カエルの解剖…宇宙人といえば地球侵略するし軍人、ワンポイントは☆にしてみよう、目はまんまるにして…そうしてできたのが初期ケロロ軍曹です。

ケロロ軍曹』一巻の表紙

女の子の問題も、キャラクターや世界観、設定が固まっていくうちにすんなり決まっていきました。当時流行っていたいわゆるハーレム系にならって女の子をうまくたくさん出すにはどうすればいいか。女の子一人ずつに宇宙人のパートナーを登場させてみよう。それなら宇宙人はたくさん登場するし、どうせ軍人の設定なんだから小隊だってあるはずだ。そうして現在の『ケロロ軍曹』の骨子といえる部分が出来上がっていきました。

最終的に、「少年エース」を意識した『2021』と子供向けを意識した『ケロロぐんそー』という二つの読み切りが作られ、掲載されました。どちらも好評だったものの、より漫画家や編集者からの評判が良かった『ケロロぐんそー』が連載されることが決まりました。こうして、1999年2月『ケロロ軍曹』の連載が始まりました。

さて、奇しくも『ケロロ軍曹』は今年で誕生から25周年を迎え、ファンクラブが開設したりアニメの制作者たちを招いてのリアルイベントが開催されたりと盛り上がってきている今日でございます。

私もささやかながらファン活動をやってきましたが、ここにきてまた「ケロロ」愛を再燃させてくれるとは、ファン冥利に尽きるところであります。

こたつに入って、みかんを食べながらアニメ版『ケロロ軍曹』をシーズン1から一気見しようか、なんて、冬になっても冬眠しないカエルたちの活躍で、厳しいこの季節を乗り切れそうです。