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mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/06】『季節感のある読書』という概念を咀嚼するのに時間がかかりすぎた

漫トロピー留年軍団の一員にして外部生、その上超が付くレベルの遅筆なRenです。
正直に申し上げて、この時間に更新できたことすらも奇跡のような出来事なんです、信じてください!

さておき、今回は京大漫トロピーアドベントカレンダーの12/6を担当させていただきます……もう7日ですね、本当に申し訳ない。クリスマス当日まではだいたい20日弱となります。
共通テーマはクリスマスをねじれた形で意識したと思しき『クリスマスに読みたくない漫画』ですが、さて困った。

というのも私は本来読書体験というものは俗界と切り離されてしかるべきものだと思っておりますゆえ、季節感を考慮して本を読むということができておりません。
したがって、クリスマスらしい/らしくないという概念も評価軸の中に存在せず、ふさわしい漫画を挙げることができないのでこの記事はこれ以上発展のさせようが無くあえなく中絶……となってしまう。
それではあまりにも味気なく、手抜きと言われても仕方がありません。せめて何かしらの要素をこじつけることができないか考えてみましょう。


現代日本におけるクリスマスといえば、まずは家族や恋人、友人たちと楽しい団欒? の時をすごす行事となっていると認識しています。
であればそれを破壊するようなストーリーにはあまり触れたくない気分になると考えてもいいのではないでしょうか。

……ここでわりと本気でニンジャスレイヤーを紹介したい気分に駆られたりもしましたけれど、あれは漫画原作ではないので自重しておきましょう。
問題のシーンは3巻にありますが、それ以外もわりと社会道徳とかが破壊されて簡単に人が死んだり不幸な目に遭ったりする正統派のサイバーパンクなので、
どこを読んでも少々陰鬱な気分になれるのではないでしょうか。(ここで欺瞞に満ちた笑顔を浮かべる)

さておき漫画という分野ならば、この手のオリジン(出自)を持つ超有名キャラクターが既に存在していますね。
そう、ブルース・ウェイン――バットマンです。
というわけで彼の邦訳版の軽い紹介でも、と思ったのですけれど、よく考えるとあの有名なオリジンを日本語で読むことは難しいのでした。少なくとも私の不十分な読書経験の中にはありません。
今度こそ手詰まりかとも思いましたけれど、そういえばいいのがありました。

スーパーマンの傑作のひとつ、『他に何を望もう/For the Man Who Has Everything』です。
誕生日に悪役から最悪のプレゼントを送られたスーパーマンの話で、脚本はウォッチメンのアラン・ムーア。
自らの願望、ヒーローとならなかった世界の中に閉じ込められる彼(と、バットマン)の描写が非常に巧みで、自分のアメコミ知識力が足りないことを悔しく思えてしまいます。
クリスマスそのものからは少し離れてしまいますが、全体の空気感というか物語のトーンはまさしくといった感じです。
もしもクリスマスの日、家族や友人との待ち合わせ時にこれを読んで時間を潰すようなことをしたならば、自分がこの漫画のような目に遭わず平穏無事な生活を送れていることに感謝したくなるでしょう。

――もっとも、さすがにハードカバーでこそないものの大判で高価なこの本を出先で読むような事態はそうそう無いかもしれませんが。

最後になりますが、実はこの漫画は日本的な尺度でいえば短編に属し、単体で単行本が出ているわけではありません。
ですが、アラン・ムーアの名声もあって今までに2冊の翻訳本に収録されています。
バットマン:キリングジョーク』『スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード』がそれなのですが、
前者は絶版のうえ、この話が収録されていない(というか表題作以外全部別物)『~完全版』が存在しているので注意が必要です。



とうに夜半を過ぎてさすがに許されない時間を数時間も超過してしまっておりますので、これにて私の手番は終了とさせていただきたいと思います。
では皆様、よいお年を。そして願わくば、マンガチックでない平和なクリスマスを送れますように。