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京大漫トロピーのブログです

【12/23】アカ漫画を読んでを勝手に苦しむ様子

どうもこんにちは,6年目のばいたるとです。
漫トロピーは大学を出るまで(あるいは出でもなお)ずーっと在籍できるサークルですから,修士・博士課程の会員もそこそこいるんですよね。 そんな彼らは自身が研究で培った深い専門性に基づいた議論をレビューで展開したり,あるいは研究生活で身に着けたスキルを存分に生かして会誌作成に貢献するなどして,サークル活動を盛り上げている頼もしい人材です。
一方で,修士2回生にして幽霊会員気味のばいたるとくんは,装置のメンテナンスを生業として研究室に居座っているそうです。 論文を書けない院生には人権がないので,メンテナンス業務に過剰に従事することでしか存在価値を見出せないんですって。こんな奴でも博士課程に進めるんですから,弊専攻の院試はガバガバどころかスカスカ,ゲイの末路。
しかしメンテを手伝うのはいいとして,それで不手際で怒られるのもしょうがないとして,それで嫌味言われるのはムカつくわね。「ばいちゃん(仮称)の手際が悪いせいで時間かかっちゃったじゃねえかよ~」とか言ってくるなら最初から一人でやってほしい。

ところで今年のアドベントカレンダーのテーマは,つまり対立煽りですね。

み~~んな俺んヤルこと見下しやがってよお……
社会学だの
百合だの
統計学だの
あーだのこーだの
みんな偉い専門もってていいなア!!
じゃあ専門バトルしようぜ! 専門バトル!!

ばいたるとくんは,"アカ"ハラに長けている自負があるそうです。ついでに奇数日のテーマがなので都合がいい。
最近サイコミでアカハラ漫画の連載が始まったので紹介していこうと思います。
まあ,アカハラというのは相手の受け取り方の問題なので,別に俺はアカハラされてる訳ちゃうけどね。

以下,『アカデミックSOS』の紹介

アカデミックSOS
主人公・志方は情報系研究室のM1。幼少期の教育により賞を取ることに執着し,大学院でも論文を書くことに躍起になっている。
B4の女の子(重要)・丸山は,バリバリ研究を進めて配属2か月で1本目の論文を執筆,その後1年のうちに計5本も論文を書いてすべて有名ジャーナルに採択される。
圧倒的な差を見せつけられてメンがヘラった志方に丸山が研究活動のあるべき姿を説くことで生気を取り戻し,ついでに二人はいい感じになっていく。
その後,なんやかんやで丸山は別の研究室に引き抜かれ,研究成果を奪われ,自殺したので,志方は丸山の死と研究不正の真相を突き止めていく___というお話。

いやー,グロい漫画や。あらゆるコマがグロい。

まずグロいのは,論文を書くことに固執する主人子。志方の受けた幼期の洗脳は「賞をとること」なのだから,生き急ぐのは「賞を取らなきゃ」になるはずなのに,どうして「論文を書かなきゃ」になるのか。目的と手段が逆転している。院生の読者を共感性周知で殺す気でもあるのだろうか。

ヴォエ!

いやもちろん,論文は書かなきゃいけないっすよ。現時点で筆頭の論文がゼロ報の俺だってそりゃ理解してますよ。理解してるからこんな漫画読んでダメージ受けてんだよ!!

そして,後輩もグロい。2か月でゼロから論文仕上げるB4,すごいわね(小並感)。俺は実験系なのでデータがでるのに2か月かかることだってざらにあるのだが(実験下手糞なので)。最近論文がacceptされた後輩ちんが脳裏に浮かんでイライラしてきた。なぜ俺は自分の時間を投げうって後背ちんの論文のチェックをしていたのだろうか。数式ミスがいくつかあったぞ。

そんな優秀な人材に正論を語らせるなんてグロすぎる。その内容は要するに「研究の世界には競争もあるけど,大事なのは好きなことを研究することだよね!」というもの。

ヴォエ!(2度目)

純真に研究を進めるハートはB4の6月に捨ててきてしまった。余計なお世話だと言いたい。俺の研究なんてクソだよ,クソ。
煽り性能高そう。
あかんホンマに吐きそうになってきた。俺も自己肯定感を高めてくれる他者が欲しい。

そして,なぜ異性の文脈を用いて救いをもたらすのか。院生なんだから,もっと苦しんでほしい。どんなに同期がいようと院生は孤独なのだから! もっと苦しんでくれ! 虚像で俺を惑わさないでくれ!

丸山はどうして自殺したのだろうか。陳腐なミステリーであると捉えれば,研究不正を訴えようとして口封じで殺されたんだろう。
しかし(俺にとっての)希望を見出すために,別の理由を考えよう。
そう,彼女は研究成果を奪われたショックで病んでしまい自殺したのだ。あの女はあんな正論を吐きながらもメンタル雑魚だったのだ。ざまあねえぜ! 研究成果を奪われるなんて屁でもねえだろ! 俺もあるぞ! 学会発表アブスト提出の前日に「コレコレで発表するからアブスト用の図を作ってくれますか?」ってメール来てから死ね!

しかし,実際に死ぬ行動を起こせたことは評価が高い。俺もしばしば指導教員に「怪我したらどうすんだよ」とか「死んだらどうすんだよ」とか言われますが,死んだら死んだでそこまでなんだから知ったこっちゃない。むしろ俺がおらなんだらこのテーマの実験進めるやつが誰もおらんくなって,一矢報いることができて清々しいかもしれん。

やはり死は救済,俺も死のうかな。

して,書くのがしんどくなってきたので筆を置くことにします。研究がうまくいっていなくて病んでいるドMな院生は1話を読むとしんどくなっていいですよ。
そしてただグロいだけの漫画ではなく,セクハラを行う音響戦士など草が生える展開も紹介したいのだが,スクショ禁止なので載せられない,どうして今時そんなに古風なんだろうね。

ちなみにこの妙な生々しさをたらしめる研究生活のリアルさは,作者が理系の研究室出身で(しかも地元の名門だった),まして当時の指導教員を監修に着けているらしい。さぞかしホワイトなんだろうな。
本作が国と大学の圧力で潰されないことを願ってやまない。