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京大漫トロピーのブログです

あきそら2巻の話

 

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寮に帰った時、僕はひどく落ち込んでいた。僕には半年以上想い続けている人がいる。その人が彼氏のことを心から愛していて一緒にいたいんだということを知って、『WHITE ALBUM2』の曲を聴いて泣きながら鴨川沿いを歩いて帰ってきたところだった。

 


思考がぐちゃぐちゃで、得体のしれない感情に突き動かされてタバコをポケットに喫煙所に向かった。誰かに話を聞いてもらいたかった。

 


先輩は傷心の僕にタバコをくれた。同じように恋愛の悩みを愚痴る人もいた。暖かさを感じながら、それでも気分は落ち着かなくて逃げるように僕はタバコを吸い続けた。

 


15本くらい吸った頃だろうか、好きな人が好きな人がとうわごとのように呟いていたその人を連れて先輩は席を立った。僕は離れるのが怖くて付いていった。

 


敷布団の上に三人で横になった。そこで僕は側の本棚に『あきそら』を見つける。僕が今一番読みたい漫画だった。

 


『あきそら』2巻では、主人公ソラとその双子の妹ナミ、それに可奈との間で三角関係が展開される。ナミは可奈に想いを寄せている。可奈がソラのことが好きなのも知っている。だからナミは自分の気持ちを押し殺して可奈と主人公の恋愛がうまくいくようにサポートする。僕もそうだ。想い人には彼女の好きな人と幸せになってほしい。でも、それを言葉にする時、ナミも僕も自分の心を偽っている。

 

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ナミの作戦で可奈とソラはデートをする。いい感じになる二人。見届けたナミは気持ちの置き場を失って、可奈との思い出の教室で一人佇む。そこでアクシデントが起きる。可奈とソラが入ってきたのだ。慌てて隠れるナミ。そのナミの眼前で可奈とソラはセックスをする。二人が去り残されるナミ。

 

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本当は……うまくいくはずないって……思っていた

 


ソラ兄がヘマして全部ダメになっちゃえばいいって……

 


このままずっと何も変わらないって……

 

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ねえ…可奈

 


私は……

 


どこで間違えてしまったんだろうーーー

 

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ナミの慟哭が教室に響く。

 


翌日、何も知らない可奈はナミに感謝に気持ちを伝える。親友として、心からの…

 

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やっぱり…これは………罰なんだーーー

 

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積み重ねた偽りの数だけ…

 


わたしの言葉は形を失って…

 


空に溶けて…

 


もう…二度と

 


届かないんだーーーーー

 

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今、僕は『あきそら』2巻を抱きながら眠りに就こうとしている。二人はもう眠ってしまった。規則正しいいびきが不思議と居心地がいい。

 


僕は……どこで間違えてしまったんだろうーーーーー