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京大漫トロピーのブログです

【12/6】お嬢様学校コンプレックス

こんばんは、はいどろです。日を跨いでしまいすみません。紅白対抗アドカ6日目のテーマは「白」。白といえば純粋無垢、純粋で無垢なものといえば「天使」、そしてうら若き乙女たち。ということで少女漫画からひとつ紹介したいと思います。

左から柚子、和音、史緒

笑う大天使(ミカエル)』は、1987年から白泉社花とゆめ』で連載された学園コメディ。舞台は名門お嬢様学校、聖ミカエル学園。元伯爵家の血をひく史緒・名門華族出身の母を持つ和音・一大レストラングループの総帥令嬢の柚子らは真のお嬢様になりそこね、互いの本性も知らぬまま猫をかぶり、良家の子女然としたうるわしい学園生活を送っていました。ところがある日、柚子と和音は学園の裏の林でこっそり庶民の味「アジのひらき」をくわえている史緒を目撃してしまい、互いの本性がバレてしまいます。というのがこの作品の導入なのですが、すでに不思議な空気が漂い始めていますね。この独特の空気感は川原泉作品に共通して見られます。

これが、こう......。


川原泉お得意のうんちくを織り交ぜながら日常パートは進んでいきます。しかし、3人はあるとき戯れに化学実験で作った薬品が原因で超人的な怪力の持ち主になってしまいます。いろいろツッコミどころ満載ですが、サクサク進めていきましょう。

な〜んでだろうなあ


時を同じくして、巷では名門女子高生連続誘拐事件が発生していました。犯人一味が学園内にいることを突き止めた3人は、超人的パワーを使って誘拐事件を解決します。

女子高生の写真を挟んだ聖書に嬉しそうに頬ずりする神父...明らかにアヤシイ


とまあ、内容について触れるのはこの辺りまでにしましょう。個人的に印象に残っているシーンはこちら。麦チョコってそんなに好きでもないのになぜかこれを見ると食べたくなってしまいます。

能天気でよろしいことですな


最後に、記事を書いている途中にWikipediaで見つけた作者のエピソードが興味深かったので引用。

大学4年在学中に、初めての漫画「ジュリエット白書」を『花とゆめ』に投稿。その後、大学の教授の紹介で地元女子校の教員採用の面接を受けたが、良妻賢母教育と勉学のどちらを優先するかという質問に「もちろん勉学」と答えた結果、不採用となる。この件が川原のお嬢様学校コンプレックスの元となったという。


そして、『笑う大天使』の冒頭

アーメン....


川原泉の描きたかった少女像、本作の彼女らのようなキャラはこの作品以後も姿を変えて登場します。不思議な台詞回しや独特のぼーっとした空気感、キャラ造形などが気に入ったのであれば作者のどの作品から読んでも楽しめると思います。それではごきげんよう