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京大漫トロピーのブログです

【12/20】TRPG「フィアスコ」と二つの倒錯

こんにちは、りんごです。

もう年末ですね。卒業単位を揃えることもままならない、みたいなことを冒頭に書こうとしていたのですが先にやられてしまいました。人生は予測不可能。

TRPGの話。ここ数年でTRPGはかなり市民権を得ているような気がします。自分も友人と卓を囲んで夜ふけに楽しんでいます。(夜要素消化)

幼稚園のころやった「ごっこ遊び」にいくらかのゲーム性を加えたこの遊びは、ニコニコ動画でのリプレイ動画などから更に広い人気を得ました。そうしたリプレイ動画を見て「自分もやってみたい!!」と思った人は多いはずです。

ただ、TRPGにはGMの存在が不可欠で、セッション前の準備もあることからなかなか気軽に遊べず、周りの人間を誘いにくいと感じることもあるのではないでしょうか。

そんな人にオススメしたいのが、最近日本語訳が出てBGB様からもリプレイ動画の出たこのシステムです。

Fiasco

Fiasco

harrowhill.rdy.jp

この「フィアスコ」、セッションにおける特定のGMがいません。事前にシナリオを用意する必要もなし。なぜなら…その場でシナリオを作っていくTRPGだから!!

君と大惨事を作るRPG

その名に違うことなく、『フィアスコ』のキャラクターたちはそのほとんどすべてが酷い目にあいます。死ぬことだって普通にあります。それはこのゲームが映画『ブラッド・シンプル』『ファーゴ』など、間抜けで三流の悪党がその身に合わない野望を抱いて、穴だらけの計画で大仕事に挑むといった映画からインスピレーションを受けて作られた作品だからで、酷い目にあうことが前提となっています。

では、そんなゲームが面白いのか。いや、それが面白いんです。面白くなるように設計されています。
(公式サイトより)

公式・非公式に出ているいくつかのプレイセット(舞台設定)から一つ選んでプレイヤーが場面を作りシナリオを繋いでいく、というのが基本的な流れなんですが、この舞台設定がまたニクい。隔離された南極基地、西部の田舎町、ドラゴン退治を終えたパーティの後日談…破滅のニオイがプンプンしませんか?

そう、このフィアスコで描いていくストーリーは「堕する」物語。PCはゾンビ映画で最初に死んでいくような人間ばかり。セッションの最初のフェイズでキャラ同士の関係性を作っていき徐々に肉付けするのですが、これが楽しい。振ったダイス目を消費しながら、自分-他人や他人-他人の関係にプレイセットから選んだ不和のタネをぶち込んでいきます。

ゲームシステムの話を少し。フィアスコでは順繰りに手番が回ってきて、「自分が場面を作る」か「作ってもらった場面でどういう結果になるかを選ぶ」の どちらか一つを行います。つまり、自分の思った通りの展開は行えないのです。このシステムこそが、予測不可能で倒錯した人生をセッション内で表現する機能を担っているでしょう。

僕が云々言うより、リプレイを見てもらう方が面白さを伝えられるという悲しい確信があるので、先程も言及したBGB様の動画をどうぞ。
www.nicovideo.jp
この間試しにやってみた感想としては、普段他人の書いたストーリーや構成に色々と言っている人間がお話づくりの芽生えの部分を体験できて大変楽しかったです。

漫画の話。セッションがしたすぎて「TRPG」でアマゾンを巡っていたらこんな漫画を発見しました。

クトゥルフ神話TRPG4コマ ゆるるいえ!

クトゥルフ神話TRPG4コマ ゆるるいえ!

この作品、女子高生がTRPG部を立ち上げるというお話なのですが、ここに出てくるキャラクターは全てリプレイとして書籍が出版されている「るるいえシリーズ」に出てくるPCなのです。PCがPLとして漫画内のセッションでPCを演じる…頭が蕩けそうな倒錯具合ですね。こんな頭じゃ、卒論なんて書けるわけないよね。

何が言いたいかというと…フィアスコやろうぜ!
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(おわり)