mantrog

京大漫トロピーのブログです

聖地巡礼の話

 ミシェルです。夏は山登り。先日、日本三大山漫画の一つ『ヤマノススメ』の聖地巡礼も兼ね、棒ノ嶺(本編には未出。そのうち出る)に登った。あとにつづく同志のため、詳細を以下に記す。

ヤマノススメ  8巻 (アース・スターコミックス)

ヤマノススメ 8巻 (アース・スターコミックス)

 その日の天候は、夏らしくからっとした快晴。

7:30 車がダメになったとHから連絡がくる。予定を変更し、急遽電車で現地へ向かうことに。
8:00 最寄りの駅を出発。特急を待つホーム。Hがあとから合流したRに対し「調子はどうだ?」と聞く。「見りゃ分かるだろ」とクエン酸入りの飴をくれる。どうやら登山準備は万全のようだ。
 ◎メモをとるのを見られ、遺書やら死亡フラグやらとさんざんに揶揄される。なにも言返さず、ただ静かに中指を立てた。
9:30 飯能駅着。乗り換えの際コンビニに立ち寄り、チョコレートと水を買う。とりあえず牛丼屋に行くかとしきりに誘ってくるRの姿勢に恐怖を覚える。
 ★重要:駅の観光案内所でパンフレットを貰う。改札を出ると、浴衣姿の葵ちゃん(可愛e)が迎えてくれたため、すぐ分かった。
9:50 巡礼地・棒ノ嶺に向けて、国際興業バス(当然ヤマノススメラッピング)に乗り込む。意外と混雑した。
 ◎「ヤマノススメの葵から皆さんにオネガイデス」と葵ちゃん(可愛e)の案内音声が車内に優しく響くと、もう無闇やたらとテンションが上がってしまって、Rに窘められる。異教徒のHだけは「ひなたの声が聞きたかったのに」と毒吐き、喜びに水を差さんとする。
10:40 バス停・さわらびの湯に降り立つ。登山道入り口までは若干距離があり、20分弱なだらかなコンクリを歩く。ツーリング中の人達とダムを見てテンション上げる。
11:00 登山開始。
 ・Rが飴を貪り食ってきもち悪くなる。
 ・たかだか標高969mの山(昨年巡礼した三つ峠の半分ちょっと)だと高をくくってたところ、岩場の多さと順路の不透明さに登山は難航した。ながれる水の上を歩き、転びそうになる。Hは3回転んでドロだらけになった。汗をたくさん掻く。水をもう1ℓほど携帯してくれば良かったとすこし後悔した。ペースを維持するのに精一杯で、写真を撮ってる余裕なんぞない。皆一様に、早く山頂に辿り着かなくてはという一心で足を前に運んだ。時おり平坦な道が現れると、走った。両手をひろげて。一番の難関は、山頂手前に待ち受ける丸太階段であった。不揃な幅と、やけに高く設定された段差が200mほどつづき、一行の足とこころは消耗した。ほかの登山客(ベンチで休憩をとる際に「アラサーのちから見せてやる」と小耳に挟んだので、たぶんアラサー)も、ここはキツイ様子であった。すこし安堵する。余談だが、山ガールとすれ違うたび酷く緊張する。

12:30 登頂。一息つく。
 ・Hは、一人ぬけがけして手製のおにぎりを持参。山頂で待つひなたと食べる想定をしてたことには、さすがだなと感心する。
f:id:mantropy:20150819153357p:plain
 ・申し訳程度に記念撮影をすませたあと、13:00ごろに下山開始。三つ峠の際も思ったことだが、下り方が下手で直ぐに膝ががくがくになる。生まれたての子鹿のよう。愛でてくれ。皆黙々と歩く。上りより楽ではあるが、足への負担は下りが大きく、平坦な道に出ても走ることが出来なかった。途中、足を踏み外し斜面を滑り落ちる寸前まで往くハプニングが発生したが、14:00に無事再び山道入り口に。
14:30 温泉施設・さわらびの湯へ
 ◎建モノの姿を認めると、突然Hが走り出す。実は三つ峠のグリーンセンターでも同じことがあった。昨年は不覚をとったが、こんどばかりはこれを予想して足を残してある。一番乗りはお前じゃなく俺だと強固な意志で追う。ところが、スパートをかける地点があまりにも手前だったために両者とも足がつづかず、走っては立ち止まり走っては立ち止まりを繰り返し、ようやくゴール。犬だと思った。
 ・入浴。半裸で集団的自衛権の話をするオジサン達がすこし気になった。風呂上りはフルーツ牛乳。先に上がったHとRは、山中で出くわした仲睦まじきカップルに感化されたのか、かき氷をシェアしており一抹の疎外感を味わう。売店にはアニ○イトと見まがうほどヤマノススメグッズが陳列される。ラベルに葵ちゃん達が描かれた地酒<天覧山>を買う。限定1000本とか煽られちゃうと弱る。隣でHは相も変わらずピンバッジ集めに情熱を注ぐ。変態性はちょっとした趣味などの細部に宿ると感じる。
15:20 ちかくのうどん屋で遅めの昼食を採りながら、帰りのバスを待つ。蕎麦湯が特に美味だった。

 ああ、あれが最後のオムライスだったんだなって。