【12/13】「真実の愛」をさがして
こんばんは、ふわふわです。
今年のテーマは「ホワイトクリスマス」ということで。2014年に「"ホワイト"クリスマス」を語るなら、あの作品のことは避けて通れませんよね。あの、アナ……アナユ……アナ雪……*1
『アナと雪の女王』。いや、マジで。
『アナと雪の女王』
『アナと雪の女王』は2014年*2公開のディズニーのアニメーション映画です。
この映画のストーリーの半分以上は一番の見所、主題歌『Let it go』が流れるシーンを見れば分かります。すごく簡単な英語だし、字幕付きだし英語苦手な人も安心の動画や。
こりゃオスカー2つ持っていくわなあ、という話ですよ。『かぐや姫の物語』を観に行ったときにこの映像を流して終わり、という予告編*3が流れたのですが、「あ、これはヤバい」と思いました。実際に観に行ったら予想したとおりの傑作でした。
この映画のすばらしいところは、ディズニーが、ディズニーにしか作れない、いかにもディズニーな映画を作っていることにあります。つまり、ケレン味にあふれたコテコテストーリーのハイクオリティアニメーション映画なのです。『アナと雪の女王』は全編、ミュージカルのように『Let it go』はもちろん、『For the First Time in Forever』*4などのいかにもな歌が差し挟まれながら進みます。「真実の愛」を探すというコテコテのストーリーは、芝居がかった演出と世界一のアニメーションスタジオの(お金のかかった)技術にマッチしていやらしさを感じない、素直なケレン味となって観客の心を揺さぶります。俗っぽい流行には僕も腹を立てているのですが、そこはグッとこらえて素直に楽しむべき作品です。
もちろんディズニー的ヒロインにとっての「真実の愛」の多様化もこの作品の隠れた見所の一つです。東京ディズニーリゾートで元タカラジェンヌが同性結婚式を挙げたのは記憶に新しい話題です。*5
クリスマスをどう過ごすべきか
今年のクリスマスは、『アナと雪の女王』で決まりでしょう。本作に関して言えば『Let it go』をはじめとする楽曲の数々の良さを性格に味わうにも、吹き替え版ではなく、絶対に字幕版を観るべきです。「ありのまま」という訳は意図的に当てたのでしょうが、意味がズレにズレてて誤訳としか言いようがありません。僕は大嫌いです。
そして、本当は映画館で、大スクリーンで見るべき映画ですが以下からブルーレイやDVDを買って観るのが今『アナと雪の女王』を観る一番現実的な手段です。3200円という、誰にでも手に入る驚きの価格でブルーレイ+DVD+デジタルコピーで楽しめる、というのもディズニー映画だからこそ、でしょう。
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ところで
僕は九州出身なので雪が積もっているところなんて見たことがありません。
だから、雪ってやっぱりロマンチックなイメージなのですが、雪がむっちゃ降る地方の人にとっては、雪はイヤなものらしいです。
『Let it go』にもthe kingdom of isolationって一節がありますが、まあそういうもんらしいです。
で。この漫画ですよ。
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『愛しのアイリーン』と新井英樹の魅力
舞台は東北の農村。この作品では雪の中の農村の光景が何度となく描かれますが、雪はまさに閉鎖的で閉塞感あふれる、陰気くさい農村の雰囲気を醸し出します。
その農村で繰り広げられるのは、ある農家の一人息子、独身42歳パチンコ店員宍戸岩男が同僚に振られて、お見合いもイヤだからと自暴自棄になってフィリピンからアイリーン・ゴンザレスを300万円で買ってきて、国際結婚しようとしたけど堅物の母親は当然認めるわけもなく、というストーリー。
『愛しのアイリーン』は農村の後継者問題や国際結婚などの社会問題も大きなテーマですが、やはり「愛」とは何かを軸に読みたい漫画です。親子の愛とは。夫婦の愛とは。自分たちの愛に他人を巻き込むこととは。
昔ある漫トロ会員が新井英樹の漫画のことを圧迫面接漫画といってこき下ろしたことがありましたが、新井英樹の魅力はまさにそこにあります。ストーリーは非常に暗く、ガンガン最悪の方向に向かっていき、正直読んでてイヤになります。しかし、新井英樹のエネルギッシュな漫画描写は読者を捕らえて放しません。一度読み始めたら最後まで読まないと気が済まない。そして1500ページを超えるとても長い漫画を読み終え、肉体的にも精神的にも疲れ果てた頭で呆然としながら作品を反芻するのです。
むすび
クリスマスはキリスト教的定義に従って、やはり愛について思いを馳せるべき日です。
毛色の違う2作ですが、『アナと雪の女王』『愛しのアイリーン』をクリスマスに味わうべき作品として勧めます。
(ふわふわ)
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