mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/20】全国旅行支援を使って伊勢海老を実質無料で食べる方法

 

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1353です。先日に全国旅行支援を使って旅行に行ってきました。

なんと平日予約時に使う配布されるクーポンを使って伊勢海老を実質無料で食べることができました。

伊勢海老の身は綺麗な白色でした。

以下簡潔なレポート。

 

全国旅行支援って何よ

宿泊代が4割引•最大3000円のクーポンを取得できるキャンペーンです。

詳しくは下記のURLを参照ください。

https://travelersnavi.com/coupon/kenminwari-kakudai

この施策、我々が納める税金から出ています。

相次ぐ増税で我々一般国民から集めた金を旅行業界に注ぎ込む、大変素晴らしい政策ですね。

当然ながらこのキャンペーン、旅行に行かない国民は恩恵を享受することができません。

旅行に行くことで初めて自分が納めた税によるサービスを享受できるのです。

ですから全国旅行支援を使うことは実質的な納税負担の減少→行き得ということになります。

 

伊勢という選択肢について

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伊勢の魅力は大体上記のコマに記された通りです。

特にこの時期は海産物が旬でとても美味しい。

また、全国旅行支援は食事メインの旅行と相性が良いです。

というのも、クーポンを利用できる店は基本的に地元の業者に限られる(例えばレジャー施設などでは使えないことがある)からです。

3000円という金額設定も普段食べられない高級食材に何とか手の届く、絶妙な額ですね。

 

どうやって予約するのさ

手続き自体はそんなに難しくないです。

各種予約サイトで手続きする際に全国旅行支援のプランを選ぶだけです。

自分の場合はるるぶトラベルを使いました。

https://www.rurubu.travel/?cid=1839182

個人的な話になりますが、サークル内の旅行で宿を探す時には大体るるぶトラベルを使ってます。

料金や場所が見やすいのが良いですね。

注意点として3回以上のワクチン接種、もしくはPCR検査の陽性判定を証明する書類を当日見せる必要があります。

 

当日の行程

1泊2日で4人の旅行でしたが、諸事情で夜からの参加となりました。

まず宿について。伊勢パールピアホテルという宿に泊まりました。

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伊勢市駅から徒歩数分、伊勢神宮の近くと立地も好条件。

これも全国旅行支援の恩恵で1人5700円で行くことができました。しかも朝食のバイキング付き。

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本来は温泉があるのですが、当日は改修工事のため行けず。代わりに周囲にあった銭湯に行けました。もっとも僕自身は途中参加なので行けませんでしたが...

夕飯は満船屋という居酒屋です。

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地元の海産物や松坂牛が食えます。

美味しかったのは鮪のネギマと,ウニの松坂牛巻き(2枚目)。

ウニを松坂牛で巻くのはバカの発想だと内心軽蔑していましたが、口に入れた途端自身の誤りを認めました。

 

飯を食べた後は宿へ。部屋はまあまあ。

翌日朝にはビュッフェがありました。

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伊勢うどんや漬物など、現地の食材を使った料理が提供されました。

食事目的の旅行でビュッフェがあると食べすぎて昼飯が食べられなくなるというケースが多いですが、数より質で勝負するタイプだったのであまり気になりませんでした。

 

チェックアウト後、昼食に食べたのが伊勢海老。

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おかげ横丁という伊勢神宮近隣に建てられた商店街の店で食べました。

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海老は勿論牡蠣や天ぷらも文句ないです。

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食事の詳細。ここから4人分のクーポン12000円が引かれます。1人頭1000円ほどの計算。

伊勢海老は8000円だったので、クーポンで全部賄った計算です。

伊勢海老を食べた感想ですが、肉の歯応えがプリプリしていて凄かったです。(小並感)

焼物よりお造りを推奨。1人230円で頭を赤出汁にしてくれます

 

後は伊勢神宮にもお参りしてきました。

意外と建造物のデザインが質素だったのが印象的。

 

注意点

宿は早めに取りましょう。

遅めに取ると額も高くなるしそもそも枠が空いていないしで良いことないです。

我々は10月くらいに予約しましたが、11月分は全て抑えられていました。

 

終わりに

非常に満足です。なお、修論...

もう一度行く時はあまり触れられなかった伊勢うどんや松坂牛を食べたい。

 

全国旅行支援は1月からも再度行われるようです。(ただし補助額が若干下がらます。)伊勢に限らずどこかいってみてはどうでしょうか。

 

下は記事内で引用した作品です。

社会人になった放課後ティータイムがパチンコをしています。

放課後ティータイムは三重で年越しオールナイトパチンコをしています。

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【12/19】突然いいところに行く友を君は祝えるか

ふれにあです。
今日12月19日は「BLEACH 巻頭歌骨牌」の再販開始日でした!
僕は初版のときに買えなかったので、日付変わるちょっと前からスタンバイして無事購入することが出来ました。
届くのはしばらく先だそうですが、とても楽しみです。


アドカのテーマとしては、奇数日なので「赤」ですね。
というわけで、BLEACHにおける「赤」の話します。
BLEACHは名前を非常に大切にしている作品ですが、彩色に関してもかなり思慮を入れています。
本作における最も重要な色はもちろん白と黒ですが、赤はその次くらいに重要な位置づけにある色だと思っています。いや、BLEACHが白黒を大事にしている作品なら、赤を大事にしているのはBURN THE WITCHの方でしょうか。

さて、BLEACHにおける2大・赤いキャラといえば、誰と誰でしょうか?


阿散井恋次(※1)」と「バズビー」ですよね。

この2人は結構似た立ち位置にあるキャラで、接点、共通点を挙げれば
・髪が赤い
・特徴的なオシャレを施している
・火属性の技を持つ
・幼少期からの友が突然、圧倒的な力を持つ者に迎え入れられる
・クールな上司(赤に対して白を象徴する)にただならぬ因縁があり、衝突し、敗れる
・組織の今の動きと反発する過去からの強い意志を抱えている
・最終章にて敵として対峙するが、そこそこ気が合う

と、明らかに死神側、滅却師側の対比をなすキャラとなっています。
BLEACHには対となるキャラというのが数多く存在します。一護と銀城、織姫とリルカ、浦原とマユリのように。この2人もそういった対比の一つですね。しかし、この2人は互いがアイデンティティを賭けて争うようなことはなく、物語上のポジションとしての対比がこの上ないほどに強く出されたキャラとなっています。
自分としては、この2人は「赤=主人公」のステレオタイプよろしく、各陣営側のある種の主人公であると捉えています。
(本当の主人公であるところの一護はどこか"主人公の役割"を果たしているだけというか、物語の大きな軸を支えるための「楔(※2)」となっているように思えて、彼がストーリーの大きな流れを決めてくれているからこそ、他のキャラクターが魅力を余すことなく出せているのではないでしょうか。)
という話はさておき、この2人の対比の美しさについて触れていきますね。


恋次「牙」、バズビーは「指」
2人はともに、自身の固有能力の技に身体の一部を象徴とする技を複数持っており、恋次は狒狒王蛇尾丸(双王蛇尾丸)の「狒牙絶咬」、「蛇牙鉄炮」と牙を使った攻撃、バズビーは「バーナーフィンガー1~4」、「バーニング・フル・フィンガーズ(※3)」と指を使った攻撃が作中何度も登場します。これは2人を表紙とする3冊の巻頭詩にも漏れなく登場しており、獣っぽさと人間らしさの対比は、両者の幼少期の戦い方から来ているのでしょうか。


・別れを祝福した恋次と、憎んだバズビー
二人とも、自分-友-敵(本当は同じ意志を持つ) という構図で強い因縁を持っていますが、恋次のケースは恋次-ルキア-白哉なのに対して、バズビーはバズビー-ハッシュ-ハッシュと、同一の人物が友と敵の両方のポジションを担っています。幼少期のパートナーとして研鑽し、志を共にした2人は、圧倒的な力を持つもの(朽木家/ユーハバッハ)に友が突然迎え入れられるという事件に見舞われます。そこでは、よく知らんが力と金が莫大にある世界へとルキアを連れて行かれる恋次の境遇と、故郷を焼かれ、ずっと恨んできたユーハバッハという強大な敵に自分ではなく無能だと思い込んでいたハッシュが認められるというバズビーの境遇は、別れとしてはあまりに違うものでした。


・悔しがる恋次と、悔しがれなかったバズビー
原作17巻・尸魂界編にて一護に敗れてルキアを助けるという自身の真意に気づいた恋次は、習得したばかりの卍解を使って朽木白哉に挑むが、白哉卍解になす術なく敗北。白哉から告げられる勝敗の理由は「格が違う」。名ゼリフ「自分自身の魂にだ!」とともに立ち上がるもその牙で白哉を倒すことはできず、倒れるときに吐いた言葉は「ちくしょう」でした。

対して原作69~70巻・千年血戦編にて、聖別によって力を削がれ、他の滅却師たちとともに完全に反旗を翻したバズビーは、遂に幼少期からの因縁のあるハッシュヴァルトに戦いを挑むが、ハッシュヴァルトの能力すら使われず惨敗を喫します。最期の言葉は「お前に敗けたらもっと悔しいもんだと思ってたぜ」。バズビーは自分が選ばれなかったことが腑に落ちた、自分と研鑽を積んだハッシュが思っていたよりずっと強くなっていたことにどこか嬉しさを感じながらも命を落としました。

一方はずっと格上との戦い、もう一方は元子分との戦いで、更に強くなったばかり、弱くなったばかりという状況で死闘を終えた2人がこうしたセリフで散っていくのは少し皮肉っぽく、友を自分の手で奪い返せずに悔しがった恋次を思い出させながらバズビーの最期を印象づけています。
そしてこの死闘での敗北によって、恋次は生き残り、バズビーは死亡します。戦った相手はどちらも、彼らとの仲間意識を取るか組織の一員としての振る舞いを取るかの中で揺れていたという、それを知れたらどんなに良かったかということを生き残った方だけが知ることとなります。
最終的に幼少期からの友と結婚するに至る恋次と、もう一方で対話ができないまま殺し合いになってしまったバズビーの物語を同じ話の中で見事に描ききっています。友と本当にぶつかり合い、最期までわかり合えないという、それまでのBLEACHの作品内では描かれてこなかった関係を物語終盤で提示してきたところには並々ならぬ構成力を感じます。


今回の記事を書くにあたって改めて読み直し、考えたのですが、これほどまでに綺麗な対比をして異なる結末を示しているのは本当に痺れました。
BLEACHにはルキア恋次、一護とチャドのような「友」の2人はよく登場しますが、バズとハッシュの物語はここまでの展開が合った上でようやく描ける、もう一つの「友情」の形なんですね。
アニメでのバズとハッシュの対決楽しみにしてます。

なお、今回紹介した尸魂界編の部分は、現在「ゼブラック」にて無料配信されています。是非読み直してみてください。
zebrack-comic.shueisha.co.jp



※1 僕がBLEACHに触れたのは小学生の頃の2009年あたりなのですが、この名前って多分2003年のスーパー戦隊爆竜戦隊アバレンジャー」から来てるんじゃないか?と思っていました。どうなんでしょうか。
※2 これは一護が霊王の資質を備えていることとかけている。
※3 Burning Full Fingersを略すとBFF、つまりBest Friend Foreverになるという指摘を見た時はかなり胸熱でした。

【12/18】無から出るのは嘘か真か

だちです。こんばんは。
「白」が象徴するもの、それは「無」でしょう。
無とは何もないのではなく、すべての始まりであり、そしてすべての終わりでもあります。
白紙や白地図など、未だ何にも染まっていない始まりの色、白髪、白装束など、終わりへと向かう色、また、すべての色を含み、無限の可能性を内包する色である白と無は多くの部分を共通して表すことができます。

というのはかっこつけたかったただの雑記ですが、

こちらが今回紹介する漫画になります。

6月 夏休みの少し前 ある日突然に彼女は死んだ

主人公のハナは死んだはずの少女マコトと一緒に暮らして?います。前半では、普通の日常っぽく描かれる生活の中で、死んだ人間が動いていることの異常性やマコトを世話するハナの心情が見え隠れします。

マコトは「代行症」と呼ばれている症状で、これは生前に体内に入り込んだウイルスが宿主の死後に身体を乗っ取って動き出すというものです。感染症であり、発症すれば通報・隔離の対象になります。発症しても身体は死んだ状態であり、いずれは朽ち果てます。だんだん人の形が崩れていくマコトを他人にバレないよう隠しながら、ハナは「マコトがしたいこと」をしてあげようとします。

前半が終わると過去編が入り、他人を寄せ付けないタイプだったハナがマコトと関係を築いていく過程が描かれます。ハナとマコトは親友関係になり、ハナの両親はいつも家に一人のハナのために、孤児であるマコトを養子縁組として家に迎えようとします。が、マコトの態度が急変、それを解決できないままマコトが死んでしまい、「代行症」を発症してしまいます。

現在に戻り、ハナに協力している医師からマコトの身体はもう限界であることを告げられ、ハナは何をしようか考えたあげく、マコトを海につれていこうとします。周囲にもバレ始め、追い詰められながらも海に辿り着いたところで二人の生活は終わりを迎えます。そして最終話、マコトが本当にしたかったことに気付いたハナは二度のマコトの死から立ち直り前を向いて生きていきます。


ざっとあらすじをさらいました。内容の面で言えば、「重病で身体が動かなくなった患者と家族」「死者の残したメッセージを読み解こうとする残された者」という要素を代行症という設定で繋ぎ、動いているが死んでいる状態であるという点が話の、それと二人の関係の深みを与えています。

全体を通してハナが考えていた「マコトがしたいこと」というのはマコトがわずかに発する言葉からハナが読み取ったことですが、意思があって発する言葉ではなく、刺激に反応して記憶が呼び起こされているだけであるという説明がなされます。ハナはそれを分かっているのかいないのか、常に死んだような目とマコトが反応したときの必死さが哀愁を誘います。もう死んでいるから望みはないのに、動くと希望があるように錯覚してしまう、分かっていながらも縋ってしまうという悲壮感は、先に挙げた二つの要素が上手く組み合わさっていると思います。

タイトルからも分かるとおり、嘘を真に、というモチーフも繰り返し登場します。全編を通してハナのマコトの言葉への対応もそうですし、過去編でも、二人が家族ごっこをしている描写からマコトの養子縁組の話につながる部分、マコトが代行症を発症する直前のシーンの二回、特に目立つように使われています。話の中心にも嘘が関わっていて、嘘と真のモチーフはそのままハナとマコトの人物像、関係性に転嫁されます。二人の他者への接し方が正反対だったこと、その二人が孤独という境遇で意気投合したことなどに表れます。

要素を細かく分解すると結構ありきたりなものじゃないかというツッコミも感じますが、この漫画は1巻完結と短いながらも起承転結がはっきりとしており、前述の通り要素の組み合わせによる深味も出ているため、ただの死者交信的な内容に収まらない魅力を持っています。
死者交信系の(かつ百合の)話だと『マイ・ブロークン・マリコ』なんかが好評でしたが、それを好きだと言っていた人とか批判していた人とかまだ読んでないよって人に読んでみて欲しいですね。
ではでは。

【12/17】みんながそうやって大人になってもわたしは子供の頃の事を忘れない

みかんばこです。奇数日なのでテーマは「赤」。「赤」は"終わり"を想起させる色だ。日暮れの夕焼け、落ちる間際の赤紅葉、星の晩年の赤色巨星。"終わり"そのものではないけれど、「ああ、終わっていくんだなあ」という感傷を齎してくれる。"終わり"に向かう時の流れに対しては身を委ねることしかできず、されど"始まり"の輝きには胸を焦がされる。"始まり"の輝きとは、「白」だ。明け方の空が白むように、一等星が青白い光を放つように。希望と可能性に満ち溢れた「白」が、時の経過によって徐々にその様相を変え、「赤」によって終末に誘われる。「赤」の美しさはこの魔性を孕んでいるように感じる。

小さい頃から未来を想像するのが好きだった。高校生の自分はどんな人間になっているだろう。大学生は、社会人は、あるいは老後は?それは他愛ない子どもの空想でしかなくて、つまらない現実から逃避するための幼稚な手段であったけれど、幼少の時分だからこそ信奉できる「可能性」というものに希望と価値を見出していたのも確かだ。しかし、ひとつ歳を重ねるごとに「可能性」は減っていく。代わりに自分が取り零してきたものばかり目につくようになる。あの頃に戻りたいと強く願う。やり直しの希望ではない、ただ可能性に満ち溢れ、未来を夢想することを許されたあの頃への純粋な憧憬。それは転じて、「子ども」の神聖性への崇拝と妬みに昇華する。

子どもが大人になる話が好きだ。とりわけ、成長とともに喪失を描いている話が好きだ。成長に伴う喪失の示唆は、俺の子どもに対するルサンチマンを和らげてくれる。大人になれという強迫的なメッセージに幾分かの納得も与えてくれる。特に好きなのは『ディスコミュニケーション』内宇宙編の一編、「天使が朝来る」だ。

「この日だ…… この日子供のわたしたちは死んで…… 大人の男と女になったんだ……」

初めて着る中学生の制服、夕陽が差し込む廃墟に佇む大人びた幼馴染、「美紀にキスしてもいい……?」、触れ合うふたり、降りてくる天使、身体を撃ち抜かれ、血と内臓をぶちまけ、体内から「リンガ」と「ヨニ」が生まれる───

第一に、すべての絵が美しすぎる。人が自然に惹かれ合うことを艷美的に示唆し、天使による祝福から一転、子どもの彼らはグロテスクに殺され大人へと生まれ変わる。ペニスとヴァギナを象徴する「リンガ」と「ヨニ」を携えて。

たいていの人間は、この光景を観測できない。恋に焦がれるままに、何もわからぬままに、いつの間にか大人になって、そのことを受け入れている。けれど美紀は違った。彼女には男女の持つ「リンガ」と「ヨニ」を視る力があり、その力のせいで子どもの自分たちが殺される瞬間を見てしまう。子どもから大人になるにつれてはっきり失われるものがあるということを認識してしまうのだ。だから彼女は成長を拒絶する。ここでいう成長とは、子どもの頃の平等な関係を捨て去り、男と女の関係を受け入れることだ。

「子供の頃の──男や女なんて関係なくて、一番 気が合う 一番 仲良しだった行彦が好きだったんだ」
「どうして大きくなると押し倒したり押し倒されたりする関係にならなきゃいけないの」

恋愛はどうしても傷付け合うことから逃れられない。子どもの「仲良し」にそんなものは必要なかったはずなのに。けれど大人の恋には子どものそれとは比べものにならないほどの輝きと、快楽がある。無邪気に可能性を追求する子どもたちは、この輝きには抗えない。「みんなこれから大人の世界ではじまる──今まで経験した事のない新しい出来事への期待を抑えられないんだよ」 だから、永遠に子どものままでいるには、自分の可能性を自ら閉ざすしかない。だけど、可能性を追えない子どもはもはや子どもとしての役割を果たさないし、完全に可能性を閉ざした人間は死人と変わらない。結局子どもは自らの可能性を追求する限り、色々なことを忘れながら大人になるしかない生き物なのだろう。俺はどうしても、やるせなさとともに「ざまあみろ」とも思ってしまうんだなあ。

【12/16】キラキラ美少女研究者見習いの修論執筆RTA☆~百合で修論書きたい編~

おはこんハロチャオ~!!キラキラ美少女研究者見習いのレニです☆
今回のテーマは「紅白」ということで、紅い花といえば薔薇ですが、白い花といえば百合ですね!なので私も「百合」で修論を書いてみようと思います!それではさっそくやっていきましょう!

【前回までのあらすじ☆】

キラキラ大学生のレニは、キラキラ美少女研究者に進化するために、漫画で卒論を書くということをしたのでした!詳しくは以下のブログから☆
mantropy.hatenablog.com

【M1前期】卒論を査読論文にする☆

卒論で1960年代の『週刊少女フレンド』を扱ったので、全身が60年代になっている間に、卒論を査読論文にしてしまいたいと考えました!なので国会図書館関西館に再び足を運び、雑誌の閲覧を進めました!雑誌の閲覧は合計2.3週くらいしていて、0.3週目は卒論では見れてなかった1970~72年分の閲覧、1.3週目は自分で考えたカテゴリー分けが正しいかの確認、2.3週目は客観的な内容分析のために全部の文字の確認を行いました!春休みのうちから足を運び、6月くらいまでやってた気がします!研究者に休みはありません!

それを何とか7、8月にまとめ、無事8月末に某雑誌に論文投稿&査読をパスすることができました☆

また国会図書館は日曜日に空いていないので、日曜日に何かできることがないかと考え、京都国際マンガミュージアムコミケのカタログをとりあえず全部見てみるということを思いつきました!この時期から何となく、百合で修論書けないかなということを考えていたので、先行研究で数多く指摘されている、『美少女戦士セーラームーン』関係を中心に、条件を決めてサークルカットを数えていくことにしました!
しかし!『美少女戦士セーラームーン』について何も知らないので、『美少女戦士セーラームーン』のキャラの判別すらできないということに気づき、『美少女戦士セーラームーン』の漫画とアニメを見始めました!

加えて、思い付きで、何かの役に立つだろうと、過去の『コミック百合姫』の収集と閲覧を始めました!

M1前期にやったのはそれくらいでしょうか☆あとは社会調査の授業の謎英語論文読みと謎R課題に苦しめられたくらいです!

あっ、このころから、思い付きで、何かの役に立つだろうと、テーマに関するアニメを見る、ということを始めました!
試みに、今まで見たアニメに、クロスレビュー風に点数をつけてみます!

美少女戦士セーラームーン:1期4点、2期6点、3期8点  ―百合好きはセラムンに足向けて寝るな。
少女革命ウテナ:8点  ―百合好きはウテナに足向けて寝るな。
魔法少女まどかマギカ:10点 ―何でもっと早く見てなかったんだろう。
・少女歌劇レヴュースタァライト:8点 ―いつも心に大場なな。
魔法騎士レイアース:3点 ―ベタなスポコンみたい。半分で見るのをやめちゃった。
響け!ユーフォニアム:7点 ―見てて胃が痛くなってきた。
カードキャプターさくらクロウカード編:7点 ―人間関係のすべてがえっちに見える。
けいおん1期:4点 ―ユーフォと足して2で割ったらいい緊張感になりそう。
NOIR:7点 ―バチクソオサレアニメ。処刑ソングが良い。
サクラ大戦:5点 ―テン年代なら大神一郎は存在していないと思う。
おジャ魔女どれみ:8点 ―小学生の解像度が高い。情操教育に良さそう。
シスタープリンセス:2点 ―ギャルゲーのイヤな所出てる。千影ちゃんだけ好き。
月姫:4点 ―主人公が強い女に破滅されられると思ったら、勝手に破滅していた。
ダーティペア:6点 ―単話の完成度は高いが、単話完結型すぎる。
シスタープリンセスRePure:1点 ―もっとギャルゲーのイヤな所出てる。見る苦痛。
ユリ熊嵐:7点 ―なにもわからない。
双恋:3点 ―主人公が決断を棚上げするの何なんだ。
神奈月の巫女:5点 ―愛すべきクソアニメ。
ふたりはプリキュア:6点 ―おもちゃの販促色が強い。
結城友奈は勇者である:7点 ―ポストまどマギはちゃんとすればそりゃ面白いだろ。
マリア様がみてる:9点 ―ゼロ年代に突如発生した最強の百合。
ストロベリー・パニック:7点 ―ゼロ年代に養殖された最強の百合。
平家物語:7点 ―20年代アニメ、質が高い。
同級生2:2点 ―周囲の人格を終わらせることで主人公を良く見せるな。
舞-HiME:6点 ―後半の殺し合いパートよかった。
ToHeart:8点 ―ギャルゲーのイヤな所が無い。ちゃんと学園ものをしていた。
Kanon:4点 ―シスプリ見てなかったら「あうー」に耐えられなかった。
舞-乙HiME:7点 ―舞-HiMEを見ていると刺さる演出が多い。
AIKa:1点 ―まごうことなきクソアニメ。
・ヴァリアブル・ジオ:1点 ―上に同じ。
逮捕しちゃうぞ:8点 ―アニメとしての動き、メカの造形、物語展開、とてもよい。
バトルアスリーテス大運動会:7点 ―90年代のゲーム原作とは思えない百合っぽさ。
リコリス・リコイル:6点 ―世界を革命しないんですか……??
魔法少女リリカルなのは:6点 ―「なのは」の受容史、気になる。
MADLAX:10点 ―何もわからないがちゃんと面白い。唯一2週した。
ToHeart2:3点 ―何も無かった。姫百合姉妹のところはちょっとよかった。
恋姫無双:5点 ―萌えマシマシのジャンクフードさが逆に潔い。
あずまんが大王:8点 ―何故か懐かしさを感じる。

【M1後期】書評論文を書く☆

ひとまず卒論を査読論文にし、特にやることがなくなり、何も分からなくなっていました!とりあえず思い付きで、研究に関係のありそうな謎英語論文を読んだり、カタログを閲覧している時期の現物の同人誌を買って読んだり、国会図書館本館に行って昔のレズビアン系雑誌を読んだりしていました!この時期は学部からやってきたことが一段落して、目指すべきところがなくて何もできず、精神的に不安定だった気がします!

コミケカタログの調査とか百合姫の閲覧とかもあまり成果が芳しくなく、ぼくはもうだめだになっていました!

ゼミのレジュメにもSOSを載せました☆

で、とりあえず何かせにゃあかんと、当時読んでいた研究に関係ありそうな謎英語本の内容をまとめて、今まで読んできた謎英語論文の議論と組み合わせて、研究室紀要に書評論文を載せることに決めました!12月に思いついて1月に提出だったのでかなりドタバタでしたが、なんとか書き切り、書評論文を出すことができました!

あと、コミケカタログの調査15年分が、M1の終わりごろに終わりました!

6581行になりました☆
【M2前期】調査と夢バトルと学会発表☆

M1の春休み頃から、何か動かないとダメになると思って、とりあえず思い付きで『電撃G'sマガジン』の閲覧を始めました!ギャルゲー情報誌だった「Gs」が、『ストロベリー・パニック』とかいう百合企画を突然掲載し始めたのはなぜなのか、調べてみようと思ったからです!春休み中国会図書館に通い、9.7年分くらいを閲覧しました!研究者に休みはありません!
で、せっかく調べたんだから何かにしたいと思い、これをもとに某同人誌に論考を寄稿しました!

またコミケカタログの調査に関しても、「おぼろげながら浮かんできた」像を繋ぎ合わせるために何かしないといけないと思い、インタビュー調査と、特定の作品に限定した全数調査を始めました!前者に関しては、サークルカットや収集した同人誌の情報をもとに、話を聞きたい人を炙り出し、Google検索やTwitter検索やPixiv検索を駆使して調べまくり、ビジネスメールの書き方を調べ、完璧な文面を仕上げ、いろいろな作家様に送りました!国会図書館の中で震えた指で送信していたのを、よく覚えています!結果的に11人の方からお話を伺うことができました!
後者に関しては、14作品に関してn年分、コミケカタログで触れていたサークルカットを全て記録しました!が、特にその後使うことはありませんでした!

使いませんでした☆

加えてこの時期にせねばならなかったのが、「学振」、通称夢バトルです!Dに入ってからの3年間の研究計画と、自分の研究能力と、目指す研究者像を書いた申請書を作成し、日本学術振興会という機関に申請し、採択されれば月20万のお金がもらえるという制度です!申請書を書くのは論文を書くより難しいです!学期が始まってから6月くらいまで、ずっとこれのためにヒィヒィ言ってました!

結果は不採用でした!国会図書館にいるときに不採用通知をもらい、全くページをめくれなくなってしまったのを、よく覚えています!

そして学振の申請が一段落した後、やっぱり何か目的地がないとダメになってしまうと思い、当時進めていたコミケの調査で学会発表をすることにしました!そのため8月まで、今まで調べてきたことをまとめ、また調べ直す作業が始まりました!夏休み中も国会図書館本館に通い、コミケカタログ15年分2週目をしました!そして、台風14号が直撃した東京にて、無事学会発表を終えることができました!

【M2後期】そして修論へ☆

発表準備と並行して夏休み中に、春休みから中途半端になっていた『電撃G'sマガジン』の閲覧を、区切りのいい2009年まで、144冊分を終えました!研究者に休みはありません!そしてカテゴリーを設定し、それがちゃんと機能するものなのか確かめるために、11月まで『電撃G'sマガジン』の2週目の閲覧をしました!

6628行になりました☆


さて、そろそろ修論のことを考えないといけません!現状の手札は、一応学会発表まで終えたコミケカタログの調査と、一応昔同人誌でまとめておいた『電撃G'sマガジン』の調査です!ただこれだけだと百合の修論としては物足りないので、11月を使って、集めていた『コミック百合姫』の、2010年度までの特集記事に内容を絞って調査を行うことにしました!作品を全部調査するのは時間的に無理でした!

26冊なので電撃より楽です☆

そして12月、「コミケの調査」「百合姫の特集記事の調査」「電撃Gsマガジンの調査」という3枚の手札で、修論を書き上げなければなりません!このバラバラな3匹をいかに1本の論文にまとめ上げるのか!?そして修論は本当に完成するのか!?キラキラ美少女研究者見習いの運命やいかに!!

次回「キラキラ美少女研究者見習いの博論執筆RTA☆」または「レニ、死す」でお会いしましょう☆

【12/15】時間がないので適当に

はたはたです。奇数日なのでテーマは紅だそうです。漫トロピーには赤い人がたくさんなので別に特別"紅"にこだわって書かなくても勝てる気がします。
正直、明日5時に起きなきゃいけないし、アドカ書かなきゃと思ったのさっきだしで時間がないので適当に自分の思った内容をさらっと書きます。
とはいえ紅について何も書かないというのもあれなので一つだけ紹介。

スターリンの葬送狂騒曲』。二度は会誌でレビューされていたと思うので詳しく知りたい方は会誌を読みましょう。はい。

本題に行きましょう。最近"漫画"としてtwitterで物議をかもしたコンテンツがありました。『温泉むすめ』です。
温泉むすめというのは日本中の温泉を擬人化した地域活性化プロジェクトです。なぜなのかよくわからないのですが、俗にいうツイフェミに燃やされ少し話題になりました。燃やされたことで認知度が上がるという怪我の功名はありましたが、正直そういう面倒な話題はよそでやってほしいと思いましたね。
まぁ、とにかく世では炎上騒動で認知されているかもしれないですが、この温泉むすめというプロジェクトは単純に魅力的なものだと思っているので色眼鏡をかけずに見てほしいと思い少しだけその魅力を記します。

僕が最初に温泉むすめに触れたとき、「キャラクターは背後に物語があってこそ魅力的になるものだ」と考えていたため、それほどこのコンテンツには興味をひかれませんでした。ただ、かわいいキャラクターがいるということは、キャラクターがいないことに比べてアドバンテージではあるわけです。もともと温泉旅行などをするのが好きだったので、いつの間にか温泉の選定基準の一つに入り込んでいました。そして、グッズなどを買い温泉街を歩き回っているうちにそこをより楽しむことができるようになってきます。

かわいいね

パネルなどは温泉宿や日帰り温泉、観光案内所などにあり、温泉街をめぐっていくにちょうどいい配置になっています。これを軸に回っていっても温泉街を十分楽しめます。このように、温泉むすめは温泉街をぶらりと回るのにちょうどよいコンテンツでした。
温泉を楽しむときの少しのスパイスとして働く秀逸なコンテンツだと僕は思っています。
そういえば、漫トロピーは漫画読みのサークルでしたね。当然温泉むすめのコミカライズも存在します。
comic.webnewtype.com

コミックNewtypeであらかた読めるようです。正直内容的には特筆すべきところはないように感じる漫画ではありますが、実際に各温泉地に足を運んでキャラクターを見て、ということを行った後ならば物語の中に存在するキャラクター達を見て感ずるところがあるというものです。
キャラクターで展開されているもののコミカライズの楽しみ方というものを温泉むすめを通じて教わったと感じています。
ぜひとも実際に温泉地まで足を運んでみてください。温泉むすめをどう思おうと、温泉を心地よく楽しむことができるでしょう。

【12/14】人生の中の「偶然と必然」-星里もちる『りびんぐゲーム』(ネタバレなし)-

あなたは何でもできる。未来は真っ白なんだから。よくある決まり文句だ。

だが、本当に自分の人生を真っ白なんて言葉で表現してもいいのだろうか。

星里もちるの漫画『りびんぐゲーム』の最終話にこんなセリフがある。

「でも、出会いって不思議ですよね。ここのビルが傾くことがなかったら、そのあと俺の周りで起こるすべての出来事はひとつも起こらなかったんだから。」(主人公・不破雷蔵)

片岡ともがシナリオを書いた名作ノベルゲーム『ラムネ』の中で僕が好きな場面がある。幼馴染の七海がかつて好きだった主人公・健次に過去を振り返りながら感慨深く語りかける場面だ(PS2版佐倉ルート)。主人公には佐倉という大切な恋人がいる。

七海「不思議だよね…キッカケとか偶然とか、人の縁とか…」

健次は問う。
「仮に、佐倉が居なかったら、俺達どうなっていただろうな?」

「でもね、今はそれを考えても無意味だと思う
「だって、例え、これから何かが起こったとしても、何かが終わったとしても…」
「今まで積み重ねたモノは減らないし、変わらない…」

ここから「偶然と必然」が人生を動かすという片岡ともの人生観が示される。

健次「これが…偶然や運命ってのか…」
七海「うーん、どうなんだろうね…」
七海「もしかしたら、必然なのかもしれないし、見えないナニかなのかも…」
もしくは、その全てなのかもしれない。
様々な、偶然や必然やその全てによって、子供の頃からそれなりに共に過ごしてきた七海。
家族のようでもあり、お姉さんのようでもあり…
今では、幼なじみと呼ばれる親友へとなった。

人生は「偶然と必然」でできている。「偶然」によって出会いが生まれ、人と人とが「必然」的に惹かれあい人生は進んでいく。「偶然と必然」に導かれた個々の人生の過程で生まれたひとりひとりの「想い」とでも呼べるようなもの。それが結びつく奇跡を「運命」と呼ぶのだと僕は思う。

りびんぐゲーム』に星里もちるが込めたものも同じことだ。

雷蔵らが最後の結末に至るまでには、さまざまな「偶然」があった。そのひとつひとつの「可能性」が浮かんでは消えていき、わずかな「可能性」だけが選び取られていく。そうして雷蔵の人生は進んでいく。

星里もちるの話の作り方が僕は好きだ。

りびんぐゲーム』では、偶然の出来事や出会いがきっかけにキャラクターが考えを変えていく。でも変わった考えをそのまま持ち続けるわけじゃない。また偶然の出来事がきっかけで挫折したり、状況が元に戻ったらまた気が変わって一度決めた決心を反故にするキャラクターもいる。でも、その「偶然」の中にも確実に人のナニかを変える出来事もある。そうやって少しずつ人は自分のカタチを変えていきながら時間が流れていく。人生の道が決まっていく。

りびんぐゲーム』の何よりすごいところは、キャラクターたちの微細な変化を逃さず捉える星里もちるの描写力だ。セリフ回しも抜群にうまく、ひとつひとつのセリフにキャラクターの人生の積み重ねを感じさせられる。それでいてエンタメとしても完成度が高い。とにかく非の打ち所が全くないくらいレベルの高いことをやっている。ただただ、すごい。ベタ褒めになってしまった。みんな読んで欲しいなあ。

(ちろきしん)