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京大漫トロピーのブログです

新歓毎日投稿企画【4/19】キラキラ大学生の卒論執筆RTA☆

こんにちは☆美少女文系キラキラ大学院生のレニです☆今回のテーマは「春」ということで、私もこの春からめでたく入院することになりました!
それに先んじて、「『漫画』をテーマにして卒論を書く」ということをしたので、ここに書いてみたいと思います!これを読んで皆も美少女文系キラキラ大学院生になろう!ばいたると?知らない人ですね……

【3回前期】テーマ決め☆

卒論を書くには、まずテーマを決めなければなりません!私は社会学のゼミにいたのですが、社会学の裾野はメチャクチャ広いので、基本的にやりたいものをやることができます☆私は漫画が好きだったので、漫画で何か書けないかな~ということを考えていました!

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全ての始まり
ということで先行研究を調べてみると、何ということでしょう、ボーイズラブについての研究は死ぬほどあるのに、ガールズラブについての研究が全然ないじゃありませんか! f:id:mantropy:20210419181619p:plain f:id:mantropy:20210419181655p:plain ちなみに「百合」だと、「小池百合子が云々」みたいなゴミみたいな記事が死ぬほど引っかかって、使い物になりませんでした☆ f:id:mantropy:20210419181719p:plain これはもう私がやるしかないよね☆ということで、私の卒論テーマは「百合」に決まりました~!ぱちぱち~! しかし、先行研究が無いということは、先行研究が無いということです!これではゼミの発表ができません!ということで最初のゼミは、あっちを探しこっちを探し、やっとの思いでGoogle scholarから拾い上げてきた謎英語百合論文をもとに発表しました!つかれた~☆ www.japanesestudies.org.uk あと発表では、2003年に創刊された最初の専門誌『百合姉妹』の実物を購入し、教授准教授先輩同期に回し読みさせました!布教布教☆ 発表は概ね好評でした!ここで、とある先輩の言葉が、私の人生を大きく変えることになるのです!それは…… 「先行研究に、なりたくない?」 f:id:mantropy:20210419183045p:plain ということで、この辺から、大学院という選択肢を意識するようになりました!
【3回後期】先行研究集め☆
先の『百合姉妹』や謎英語論文によると、どうやら「百合」の成り立ちは、戦前の少女小説、戦後の少女漫画、戦後の少女小説からなるそうです!ということで私は、ここらへんに関する本や論文を、た~くさん読みました! f:id:mantropy:20210419183712j:plain>
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勉強になりますわお姉様!
特に大変だったのは、一番最初と一番最後の発表です!最初の発表は、いきなりトップバッターになってしまったので、図書館から山のように本を借りてきて、1週間で目を通しました☆最後の発表は、ドイツ人の謎英語百合博士論文183頁を発見してしまったので、必死に目を通しました☆なんで日本の漫画に関する先行研究が、謎英語百合論文しかないの~?? ubt.opus.hbz-nrw.de ちなみに、このころの知見を活かして描いたのが、昨年の春会誌の個人寄稿で描いた「百合を見る会」です!でもコロナのせいで、ほとんどの人に見られずじまい!かなしいね☆
【4回前期】卒論の素描☆
4回生になると、卒論20000字に収めるために、テーマを絞らないといけません!でも、せっかく百合についてこれから研究してくなら、どうせなら源流から辿りたいよね☆ということで私は、「百合」漫画の源流としてしばしば語られる、1970年代初めの少女漫画について論じることにしました! 最初の発表では、1970年前後の少女漫画に関する先行研究を纏めたのですが、指導教官から「百合に比べてこのころの少女漫画に関する土地勘がないんじゃない?」と言われてしまいました!そのため、昔の色々な少女漫画を買っては読み、買っては読みすることになりました☆ちなみにこの時期、ちょうどコロナのあれこれで鬱鬱だったので、精神的にヤバかったです☆
風と木の詩 (1)

風と木の詩 (1)

砂の城 1 (集英社文庫(コミック版))

砂の城 1 (集英社文庫(コミック版))

あと、「百合」の源流とされるような少女漫画作品も、たくさん買って読みました☆
桜京

桜京

一番最後のゼミ発表では、その頃の少女漫画の状況と、これらの作品を論じた先行研究を纏めたんですが、例の「お前も鬼にならないか?」の先輩から、「個々の作品を論じるんじゃなくて、『ここからここまで全部読みました』と論じなければならない」と指摘されました☆この言葉が、卒論の方向性を大きく決めることになります☆
【4回夏休み~秋】院試、そして教育実習
ほぼ2か月潰れました!卒論、進捗ダメです!
【4回秋~提出】卒論提出!
先行研究は調べ尽くしたので、いよいよ調査に入ります!しかし漫画研究で「ここからここまで全部読みました☆」するのは、並大抵のことではありません☆私は来る日も来る日も国会図書館関西館(往復約3時間、交通費約2000円)に通いつめ、1960年代前半から1970年代前半までの「週刊少女フレンド」や「別冊セブンティーン」などの少女漫画雑誌、述べ約13年分400冊700作品を全て確認しました!読んではメモし読んではメモし、たまに図書館のロビーからオンライン授業に参加しの繰り返しで、心が折れかけました☆
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血を吐きながら続ける悲しいマラソン
そしてここから、少女同士の親密性に関する作品を拾い上げ、60年代から70年代初めまでに、どういう変化があったのかを論じました! 解ったことは4点です! ①少女同士の親密性は、60年代前半には価値あるものとして描かれたが、男女の恋愛が主題化するにつれ、ありふれたものとして描かれるようになった。 ②時代が進むと、女学校のような伝統的な少女文化のモチーフが、記号(ステレオタイプ)となっていった。 ③少女の強い親密性は、スポーツ漫画の中に描かれ続けた。 ④少女の恋愛的関係を描く作品が70年代に登場し、同性愛が「タブー」とされるが故に、異性愛規範を強化したり攪乱したりしていた。 ということで、見事卒論RTA完走、無事卒業することができました! 皆さんもぜひ漫画で卒論を書いて、私のような美少女文系キラキラ大学院生を目指してください☆☆☆