【12/19】餃子、パリッとさせたくて。〜シャニマスおすすめコミュ紹介〜
こんにちは、ファービーです。今年のアドベントカレンダーのテーマは「パーティー」らしいですね。パーティーと言われても陰キャの自分には縁遠い世界です。何の話をしたら良いのでしょうか? パーティー、パーリー、パリ……。はっ!!
餃子、パリッとさせたくて…。
ということで、今日はシャニマスの話をします。申し訳程度に漫画の話もするから、アイマスに興味ない人も最後まで読んでくれ。
アイドルマスターシャイニーカラーズとは
そもそも『アイドルマスター シャイニーカラーズ』とはenzaから配信されているアイマスシリーズの新作です。スマホアプリ、あるいはパソコンのブラウザゲームとして遊ぶことができるよ。
ゲームシステムとしては、プロデュースカードとサポートカードを使ってデッキを編成して、アイドルを育成していくというものになっています。イメージとしてはパワプロのアプリ版が近いでしょうか。
シャニマスの魅力は「コミュ」「イラスト」「歌」「女の子がえっちなこと」にあります。今回はこのコミュの良さについて書いていこうと思います。イラストの凄さとかは下記のサイトを参照してください。
ch.nicovideo.jp
note.mu
歌はぜひ自分の耳で聞いてくれ。『太陽キッス』や『トライアングル』は本当に良い曲なので。
【MV MAD】太陽キッス【シャニマス1周年記念】
『娘・娘・謹・賀』より〜あけまして〜
アンティーカのみんなで初日の出を見に行った帰りにガチャガチャを回すコミュです。一枚絵自体は初日の出を見た瞬間を捉えていますが、コミュの話自体はその帰りにお寿司のマスコットのガチャガチャをみんなで回すことに焦点が当てられています。
シャニマスのコミュのすごいなと感じる所の一つに、キャラが現実の世界を生きているかのように魅せる技術があります。目的地に向かう車の中でのしりとりが一番楽しかったりするように、案外目的そのものよりもそれまでの道中の出来事が記憶に残ったりするって割とありますよね。17~19歳であるアンティーカのメンバーたちも、初日の出そのものよりも帰り道のガチャガチャで盛り上がっている方が何となく説得力があります。『ルーツレポ』のように、明確に言語化されていない、だけれども誰しもが共有しうる感覚をうまくキャラクターに投影させていますね。
『白・白・白・祈』より〜そこにいますか雪〜
続いても霧子のカードのコミュです。こいつ霧子大好きか?。幽谷霧子というキャラクターは独特な形で世界を解釈するキャラです。あらゆるものに〜さんをつけたり(ゼラニウムさん、天ぷらさん)、独自の論理で物事を捉えたりします。
しかし、単なる不思議ちゃんとして描かれているわけではなく、おそらく霧子はこの世に存在するあらゆるものを大切にしている人間として描かれているのだと私は思っています。あらゆるものを〜さんと呼ぶのも、霧子がその対象物を大切にしていることの表れです。そういった霧子の人間性が最もよく出ているコミュの一つがこのコミュです。
「白くて、綺麗で、でもみんなにそれで当然だって思われていて、きっととっても緊張して降ってくると思います。雪はとっても偉いです。」という霧子の独白からコミュは始まります。
そしてPとともに仕事に向かう途中で霧子は空を見上げ言います、「一つ目に、落ちてくる雪が見たい」と。
そして、仕事の途中の休憩時間、何かを感じ取った霧子は屋上へと向かいます。そして霧子は言います。「一番最初に降りてくる雪に頑張ったねって伝えたくて、他の皆も励まされてきたんだよって。」
誰からも励まされない、褒めてもらうことも無い雪に対して、感謝の思いを伝えたいという霧子の姿勢、めちゃめちゃエモいですよね。このコミュからもわかるように、霧子はこの世界に存在するあらゆるものに敬意を払い、大切にする人間なのです。何となくですが、こういった風に世界を解釈するのpanpanyaっぽくないですか?霧子はpanpanyaだったのか。
『チエルアルコは流星の』
シャニマスベストコミュを決めようとするなら、筆頭候補としてあげられるのが八宮めぐるの『チエルアルコは流星の』です。
このコミュは3つの話で構成されていて、繋がったコミュになっています。最初のコミュ「異邦の青、浮遊する」ではめぐるの映画の出演の話がなくなってしまうことから始まります。めぐるは「大正時代に日本にやってきた大人しい青い目の女の子」の役を演じる予定でしたが、ストーリーの都合からカットされてしまいました。自分と正反対の役と向き合い、どんな言葉をかけるべきか悩んでいたところでの出来事であり、めぐるが落ち込むところからコミュは始まります。
次の話の「同調の水、されど」では落ち込んだ気持ちを何とか立て直した(実際にはまだ引きずっている)めぐるとプロデューサーがペットショップににて一匹だけ色の異なる魚を見つけます。
シャニマスのコミュは暗喩を用いた表現が多く用いられます。「青い目の女の子」も「色の異なる魚」もめぐる自身を表した暗喩表現です。「異邦の青、浮遊する」とあるように、アメリカ人とのハーフであるめぐるは学校での同調圧力の中で悩み生きてきたことがほのめかされています。めぐるの明るいパーソナリティは、自分の居場所を獲得するための手段だった側面があるのでしょう。アイドルマスターのコンテンツの中では非常にセンシティブな部分に踏み込んだコミュになっています。
周囲から浮いている魚を見たプロデューサーはめぐるに「寂しそう?」と問います。めぐるはこの問いに対して「…ううん、わからないよ。この魚の気持ちはこの魚にしかわからないよ。寂しいとか悲しいとか一言で言えるのかも。」と答えます。
そしてめぐるはコミュの最後で魚に対して、「大丈夫、君の色は綺麗だよ」と言葉をかけます。
この一連のやり取りにはめぐると他者への向き合い方が描かれています。それは「他人の感情はわからない。ただ分からないと割り切った上で、どうやって他者と寄り添って生きていくか」というものです。ここで描かれる生き方は『違国日記』で描かれているものとよく似ています。
最後のお話である「無重力のウテナ」では、プロデューサーとのやり取りの中で元気を取り戻します。そして、心のとっかかりが取れためぐるは空を見上げ、その美しさに気づきます。
「色って心で見るんだね〜。この空の鮮やかさをみんなに届けられるようになりたいな」というセリフは、他者の感情を理解しきることは難しくても、世界の見方くらいなら変えられるのかもしれないという、めぐるの思いの表れです。自分がプロデューサーと関わって空の美しさに気づけたように。
ところで、コミュのタイトルにある「チエルアルコ」とはエスペラント語で虹を意味する言葉だそうです。エスペラント語は母語の異なる人々の意思伝達を目的として作られた言葉です。だとすればここの「チエルアルコ」とは、「自分と異なる他者に対して、美しさを伝える架け橋となる存在」と解釈することができます。これは3つ目のコミュでのめぐるのアンサーを端的に表した素晴らしい表現だと思います。ライターは天才ですね。
『catch the shiny tail』
最後に紹介するのはカードのコミュではなく、全体コミュの『catch the shiny tail』を紹介します。ちなみに、「餃子パリッとさせたくて」は、この全体コミュと関連カードである『アイムカミングスーン』八宮めぐるに収録されています。(灯織のコミュじゃなかったのか…)
このコミュはセンターに抜擢された真乃ちゃんが、どうして自分がセンターに選ばれたのか、他にもっとふさわしい人がいるではないかと思い悩む話です。
シャニマス全体に通じるコンセプトとして、「アイドルとしてだけではなく、一人の女の子として描こう」というものがあります。我々はアイドルやスポーツ選手をイメージする時、アイドルとして活躍している姿やスポーツをしている姿しか思い描きません。しかし彼ら彼女らはアイドルやスポーツ選手である前に一人の人間であり、家族がいて、友達がいて、過去があって、一人一人の人生があります。そういった人間の部分も含めて描こうというのがシャニマスのやっていることなのでしょう。『天・天・白・布』では学校の友達と話す霧子の姿が描かれますし、めぐるやあさひのコミュでは過去に周囲から浮いていた過去がほのめかされます。そして、そういったコンセプトが色濃くでたコミュがこの『catch the shiny tail』です。
真乃はプロデューサーにどうして自分がセンターなのかを問います。
対してプロデューサーは、センターが周りと比べて優れている訳ではないことを伝えます。固定選択肢として「皆で特別だし、皆普通の女の子だ」というものが提示されるのも、シャニマスとしてこれが伝えたいメッセージであることを示しているのでしょう。
そして、真乃はユニットのメンバーに自分の思い悩んでいることを打ち明けます。そして、灯織もめぐるも「真乃が隣にいてくれるだけで十分である」と教えてくれます。
「その人に何ができるかではなく、その人そのものを肯定していこう」というこのやり取りは、これまでシャニマスが描いてきたアイドルの「人間」の部分を肯定していく一つの形ではないでしょうか。そういった風に考えると、このコミュはこれまでの集大成のコミュですよね。いい話だな〜。
終わりに
駄文を長々と語ってしまい、申し訳ありませんでした。この文でシャニマスの魅力を伝え切れてるとは思いませんが、興味を持ってくれた人がいれば幸いです。最後に一言