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京大漫トロピーのブログです

【12/8】未知の世界を覗きたい

こんばんは。はたはたです。
パーティー、というと僕の場合は誕生日に家族でやったり、クリスマスに家族でやったりと、食卓にケーキがあればパーティーみたいな感覚しかありません。大きいパーティに参加してみたいものです。合コンでも可ですよ!コンパってcompanyからきてて、和製英語だそうですね。英語ではpartyを使うんだとか。今、コンパをウィキで調べて知りました。
さて、漫画の紹介です。12/1にだちさんが酒に関する漫画を紹介していましたが、やはり大きなパーティーといえばアルコールなイメージがあるので僕からも一つビールに関する漫画を。

ばっかつ!~麦酒喝采~1 (電撃コミックスNEXT)

ばっかつ!~麦酒喝采~1 (電撃コミックスNEXT)

「ばっかつ!~麦酒喝采~」という漫画です。題名もうまいですね。ビール好きな女子大生たちによる日常系漫画です。当然キャラクターたちはかわいいです。それはさておき、僕の思うこの漫画の大きなの見どころは、ビールに関する知識の深さと、登場人物たちの飲み(?)レポです。ビールってとりあえず生、だけではないいろいろな楽しみ方があり、いろいろな種類に、いろいろな味があるのだ、と感じ入るばかりです。まだ未成年ですのでビールなどは飲んだことはないのですが、味、飲みごたえを詳細に述べられた飲みレポを前にしては唾を飲み込まざるを得ません。そして、そこにビールの歴史、作り方などの知識が紹介されることで興味深さが増しています。よくあるグルメ漫画といわれればそれまでではあるのですが、豊富な知識と体験に基づく漫画は、どんなにありふれた装いでも飽きが来ないし長く心の中に残るものです。今でも小学生の時に夢中になって読んだ「まんが世界ふしぎ物語シリーズ」や「まんが世界のなぞのなぞシリーズ」をよく覚えています。せっかくですので、このシリーズについても紹介しておきましょう。

ジャングルにきえたマヤ (まんが世界ふしぎ物語)

ジャングルにきえたマヤ (まんが世界ふしぎ物語)

消えたムー大陸のなぞ (まんが世界なぞのなぞ)

消えたムー大陸のなぞ (まんが世界なぞのなぞ)

この二つのシリーズ(「まんが世界の不思議シリーズ」は新シリーズも出ているので実際は三つのシリーズ)は児童向けの考古学漫画で、古代に起こった出来事についてを大人役が子供役に実体験を交えつつ教えるという形のものだったと思います(なにせ読んだのが小学生の頃でしたのでストーリーの細かい部分はかなり忘れてしまいました)。コメディ調ながらもしっかりとした知識にもとづく説明、面白いトリビアがあり、没頭した記憶があります。やはり、歴史関係のものを題材にすると、歴史自体創作以上に面白い物語という側面がありますので、面白くなります。しかしそこに、子供の視点のものと大人の視点のものがいることで身近に歴史のロマンを体感できます。またそういった、現代人側の登場人物の掛け合いなどでコメディ調となり、より面白くなっています。シリーズの中のものとしては「まんが世界なぞのなぞシリーズ」のムー大陸の話は当時非常に感動した記憶があります。確かこのシリーズは本に書いてある事柄をマシンでバーチャルリアル化して見るというものだったと思うのですが、この回ではムー大陸説を唱えた人の本が題材となります。そこで、現在の視点からの様々な反論が出てくるのですが、ラストの作家とムーの王とのやり取りが心に来るものでした(多分)。このように、知識が背景にある漫画というものは、普遍的な面白さを内包しているのです。
上では歴史を知識の魅力としてあげましたが、それだけではなく、別世界への興味という面でも魅力があると思います。つまり、今いる世界と似ているようで違う世界で最もリアリティーのある興味がわく世界というものを歴史は提示してくれるのだと考えます。昔の人が、旅の話を聞いてみたところのない場所を想像したように、我々は歴史を通じてみたことのない世界を思い浮かべるのでしょう。さて、このような別世界の日常を取り扱った面白い作品があります。「セントールの悩み」です。

セントールの悩み(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

セントールの悩み(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

残念ながら、僕はまだアニメしか見ていないのですが(漫トロ民のくせに)、この作品にある世界を眺めるのが面白いと感じています。主人公たちやその周りの人々の日常がメインで描かれているのですが、そこに少しづつ見えるディストピア的な世界やちょっとした歴史、世界の関係といったものが非常に興味深いです。少しリアル、しかし違うという付かず離れずな世界観は、それを眺めるだけでも楽しいものですし、考察してもいいものでしょう。アニメのワンフレーズですが気に入っているものがあります。「英雄は故郷に帰ると憲法を制定し、元お姫様と獣たちと末永く民主的に暮らしました。おしまい」というものです。読み聞かせの最後の部分ですね。こういうちらっと出てくるディストピアな世界を見て、少し背筋を凍らせながらも面白く感じるところがいいものです。「1984年」をイデオロギー的背景を考えずに楽しむようなものでしょうか。そういえば1984年にはビッグ・ブラザー率いる政党の存在が書かれていましたね。つまり、パーティーが存在するということです。おあとがよろしいようで(強引)。

p.s. どこかにありそうな別世界の描写をうまくしてくれる作家さんとして僕は三崎亜紀を非常に推しています。彼の作品群の中でも「失われた町」をはじめとする、緩く世界観を共有した物語群が特におもしろい。彼の本領は短編といわれますが、この長編の物語群は長編であるがゆえに世界についての描写が多く、どこかファンタジックかつミステリアスながらも実際にありそうな世界を何作もの物語にかけて堪能することができるので本当にマジでおすすめです!!(小説の話なので追伸としました)

失われた町 (集英社文庫)

失われた町 (集英社文庫)