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京大漫トロピーのブログです

【1/18】Catanを楽しむための101の方法②

mantropy.hatenablog.com
のつづきです。

③3番目のプレイヤーの思考
 1番目・2番目のプレイヤーが開拓可能領域と資源種類を確保する守りの姿勢であったのに反し、3番目のプレイヤーには攻めの姿勢が必要となります。具体的には、幾らか無理を通してでも、4番目のプレイヤーの動きを制限する配置を選ばなくてはなりません。4番目のプレイヤーは(Catanの勝敗を7割左右する)初期配置に関して圧倒的優位であり、したがって最も警戒すべきプレイヤーとなります。前回、1・2番目のプレイヤーが下流の動きを想定する行為は無駄であると論じましたが、3番目は事情が異なります。動きを把握すべき対象が一人に絞られ不確定要素が減ずるため、読むことの有意性が増す。4番目のプレイヤーの採用しそうなムーブを先んじて潰し、困難な盤面を叩きつけることは、あなたの可能性を高める有意義な行動です。

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 前置きはほどほどに、前回のマップを考察してゆきましょう。3番目のプレイヤーの第一に想定しなくてはならぬことは、4番目にとられたら嫌なムーブです。嫌なムーブとは、ケアすべき順に

(1)6・8のどちらにも隣接且つ資源5種類を網羅する配置。
(2)道賞と騎士賞を2つとも狙えてしまえる配置。
(3)1・2番目のプレイヤーがせっかく絞った希少資源をたやすく獲得できてしまう配置。
(4)6・8を被らせた2:1港を序盤からブン回らせてしまう配置。
(5)開拓可能領域を広く確保させてしまう配置。

 等が挙られます。(1)は考えなくてはならぬことが山積のため、あとまわし。実戦では、(2)や(3)の場合から検討するとパターン数が抑えられ、またその過程で(1)や(4)も出てくるため、スムーズです。

③-(2)道賞と騎士賞を睨む。
 3番目のプレイヤーはまず、道賞と騎士賞をそれぞれどのプレイヤーが獲得しそうであるかを考えましょう。ボーナス2点は、10点の内訳を考えたとき、強烈です。1位に立つプレイヤーは、大体このどちらかを獲得します。当然ですが、道賞は6・8の土・木に開拓地をさわらせたプレイヤーのものとなります。上のマップを見ると、1番目のプレイヤーが8土にふれさせてますね。返しに8木・9木を獲れば、割と有力な道賞候補となりそうです。しかし、木よりも小麦の供給を優先する可能性、2つ目の開拓地を最後に置くとき、道を伸ばしてゆく先が果たして残ってるか否かと言う懸念もあるため、一旦保留とします。2番目のプレイヤーに関しては、返しで6・8を含む道セットの地点を確保することは不可能と判るため、考慮しません。となると、道賞の獲得が濃厚なのは、自分か4番目のプレイヤーです。

 次に、騎士賞の候補を見てゆきます。鉄の出目が3・11・12と弱めとは言え、膠着状態に陥る盤面のため、3鉄・11鉄は試行回数の増えたぶん何回か出ると考えて結構でしょう。とすると、鉄にふれさせたプレイヤーが畢竟一歩リードします(※2:1港や3:1港の可能性は、一先ずここでは考慮しません)。盤面を見ると、1番目は返しを小麦にふれさせられたなら、チャンスがあります。2番目は既に発展セットを整えたこともあって、騎士賞を目指す意志を感じます。しかし、3番目・4番目が芽無しかと問われたら、そうでもありません。鉄は不足ぎみですが、5・6・10と、小麦と羊が潤沢な盤面で、貿易などで鉄さえ工面できれば、騎士賞は十分にとどく範囲です。そしてこれこそ、前回、上のマップが2番目のプレイヤーに辛辣だと言った理由です。自分は道賞の可能性を捨ててしまってるのに、周囲は道賞と騎士賞のどちらをも視野に入れたプレイングを許されてしまってる。キツイと嘆きたくもなります。

 3番目のプレイヤーは通常、4番目の道賞と騎士賞どちらかの可能性を消しに掛かります。しかし現状、可能性は等しく残されており、なにをしばるべきなのかイマイチ判然としません。困った。更なる糸口を求め、(3)の考察へ移行します。

③-(3)レアメタルを睨む。
 反復となりますが、上図で希少なのは鉄です。レアメタルです。感謝すべきことに、1・2番目のプレイヤー達は、レアメタルをしばってくれました。初期配置フェイズは、1~3番目のプレイヤーが協同して、4番目の動きを鈍化させる段階でもあるため、上の2人は見事に仕事を果たしたと言えます。3番目は、なるべくこの恩に報じなくてはなりません。特に2番目は、シビアな状況であろうに1番目の土港さえ睨む燻し銀なムーブをしてくれてます。こんなんされたら濡れます。ビッシャビッシャのノアの大洪水です。筆者が3番目なら、この理性的なプレイヤーとはゲーム中も友好な交渉関係を築こうと目論見、不足した資源を補完しあえるよう、無理の生じぬ範囲で主力の資源を被らぬよう初期開拓地を配置します。好きです。些か余談を口にしました。再び話を戻す。(3)で浮上してくるのは、2人のしばった鉄を自分もしばるべきかと言った問題です。早速、マップを眺めましょう。

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 鉄の獲れる地点を列挙しました。この内、F・Gは12鉄がplayableな数字ではなく、候補から消去します。次に、「11鉄・12鉄」の木港です。(4)を先取しますが、これを4番目のプレイヤーが活用する場合、もう一つの開拓地を8木・9木のどちらかにふれさせなくてはなりません。まず8木だと、考えられる置き方は「3羊・4木・8木」もしくは「4木・8木・10麦」で、前者は土と麦を、後者は土と羊を犠牲にする。8木のパワーに期待を寄せたとしても、個人的には大して優良だとは思えません。9木はG「5麦・9木・12鉄」の一点。こちらも、せっかく4番目に置くと言うのに、一つも6・8にふれられず微妙。したがって木港のセンも消去。残るはD・E・Hですが、D・Eのどちらかに置くともう一方は潰れ、且つ6麦を有するEのほうが出目として優秀です。以上より、3番目が4番目の鉄をしばるなら、Eに開拓地を置くべきであると言うことが導き出せます。

 ここでもう一歩踏み込んで考えることは、Eに開拓地を置くと、依然3鉄はHが残ると言う点です。4番目のプレイヤーがHをとるなら、もう一つの開拓地の候補は「2木・6羊・9土」と「3羊・4木・9土」辺りでしょうか。前者は2木がplayableでなく、初期ハンドで木を1枚確保できたとしても、終始木の弱さを補うプレイを要し、隙が生まれます。後者は、4と9の道セットを含んだバランスの良さが光るものの、6・8を欠き、4番目の行動としては弱めです。よって、3番目がEに置くなら、4番目の鉄をしばることができた、或は弱体化させたと言っても大丈夫でしょう。騎士賞を潰すこともでき、(2)の観点にも合致します。

 しかし、以上の理由からEに置くと決めるのは、些か早計です。次は逆に、自分がEに置かぬパターンを想定しましょう。このパターンで4番目は、6麦と3鉄にさわらせぬ理由が見当たらず、ほぼ確実にE地点を獲ってくる。すると、もう一つの開拓地では木と土のセットを押さえたくなる。

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 その候補は上図のようになります。まず、IとJですが、やはり2木がネックです。Eでふれた11羊を補完するてだてもなく、①や②のプレイヤーに騎士賞も競負けそうです。Kは6羊が優秀ですが、Eの6麦と被っており、また3鉄がそれほど出る筈もなく、ハンドで資源を腐らせそうです。唯一6羊を活かせる羊港も遠く、最速で3:1港を獲りに行くとしても2木でデメリットのほうが目立つ。羊で木を釣出せそうな交渉先も特段見当たらず、I~Kの3地点は置かれたところで脅威は感じません。すると、問題となるのは、N・Mの道セットを含む2地点です。ここで、はじめて(1)の禁則がちらつきます。すなわち、4番目にEとN・Mのどちらかに置かれると、6麦を含む資源5種類を揃わせてしまう。これは(2)の道賞と騎士賞の阻止と言う観点からも、確実に回避しなくてはならぬ事態です。すると、3番目のプレイヤーは、Eに置かぬなら、M・N(おそらく羊港も狙えるMでしょう)に置くことになる。煮詰まってきましたね。つまり、3番目は、EかMを選ばなくてはならぬことに感づくのです。
 あとはEとMの純粋な比較です。

③-(4)2:1港の潜在性を見通す。
 これまでの話で、ちょっと待てや。4番目のプレイヤーのとる他の動きを検証してねーじゃん、と疑問を感じる人もおるやもしれません。たとえば、Kと「4木・8木・10麦」に置き、6・8を揃える物量開拓地プレイなどですね。正直、これをケアする必要も、余裕もありません。3番目は、あくまで自らの利益を損なわぬ範囲で動くべきです。過剰な奉仕精神は自滅を招きます。それに、6・8の物量作戦をケアするときは、6・8の資源が2:1港の配置と噛合うときです。マップを見ましょう。8土は①によって潰されてます。6麦の麦港は、鉄が弱めの盤面では脅威は低めです。8木にさわらせる木港は、そもそも木港が遠く、獲得するには土を捨てなくてはならぬため、期待薄です。残った6羊の羊港ですが、これはなかなかにありそうです。しかし、このマップでは出目の弱さから、鉄が盗賊や騎士に止められることはほぼなく、逆に羊の2:1港を得た6羊は恰好のマトとなります。う~ん、7を出しちゃった。とりあえず6羊を止めておこうと言う流れが一度でき上ってしまえば、そのプレイヤーは相当な苦境に追込まれます。したがって、本マップでは港を考慮したプレイングを意識する必要はありません。

③-(5) 開拓可能領域を狭める。
 そろそろ、3番目がどこに置くか結論を出しましょう。EとMの比較は割と等価です。発展プレイを好むならE、道賞を視野に入れた開拓地プレイを好むならMとしても良さそうです。ここで最後の一押しとなるのが、4番目の開拓可能領域です。Eに置くと、マップのまるまる西半分をガラ空きにしてしまうことが見てとれます。マップを広く残す動きは、下流のプレイヤーに開拓地プレイをするチャンスを与えてしまう。そうするよりは、早めに9土を確保し、返しで小麦を貰うMのほうが、幾分良さそうだ。道の伸ばす先は悩みますが、競争率の高そうな8木よりも、安全そうな6羊に向って伸ばします。

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 こんな感じになりました。疲れてきたので、4番目以降はあしたの僕が書くことでしょう。アカネチャンカワイイヤッター! 誰か琴葉姉妹のCatan実況あげてくれませんかね?
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