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京大漫トロピーのブログです

【1/17】Catanを楽しむための101の方法

 どうも、ミシェルです。アマガミssレビューを終えて暇なので、漫トロで最近市民権を獲得しつつあるCatanの戦略論でも書きます。因みに記事名は、某有名18禁ゲームのパクリです。101も項目を書き出せる筈もありませんが(ありませんよね?)、困難な盤面を乗りきるヒントを幾つか、皆さまに紹介できればと思ってます。これを読んだCatanプレイヤーからのフィードバックも期待してたりします。一応、(飽きなかったら)数日に亘って更新する予定です。記念すべき一日目は、初期配置に関してです。

カタン スタンダード版

カタン スタンダード版

◎初期配置のセオリー
 Catanは初期配置の段階で7割決まってしまうゲームだと頻繁に言われます。筆者もその意見には、おおむね賛成です。世界大会(youtubeに上ってます)を観戦すると、プロプレイヤーが10分以上、初期配置でうなる姿をよく目にします。それほど、初期配置は重要なのです。

1章)各資源の潜在的な価値
 実際の盤面を見てゆく前に、まず5つの資源の優先順位に関してふれておきます。あくまで個人的な見解ですが、各資源のランキングとその理由は、おおむね以下のようになります。
①小麦(4枚あるものの、開拓地、都市化、発展と、ほとんどのアクションに要求される。ゲーム中を通して需要の高くなる傾向を有すため。交渉を得意とするプレイヤーやトリッキーなプレイヤーは、鉄よりも小麦を重視する印象を受る)

②鉄(タイル3枚で供給不足になる。また、ゲームの終盤で都市化は大体必須のアクションとなる。なぜなら、都市化無しで10点の内容を考えると、開拓地5つで上限5点。最長交易路(以下、道賞)と最大騎士力(以下、騎士賞)を獲ったとしても、2点ずつで合計9点。それに5ポイントあるポイントを1枚足してようやく10点。道賞と騎士賞の内一つしか獲得できなかった場合は、ポイントを3枚。どちらの場合も、勝ち筋が大変細くなってしまう。また、貿易で鉄を賄おうとしても、都市化に必要とされる鉄は3枚。4:1貿易だと12枚、3:1貿易だと9枚もの他資源を必要としてしまって、速度不足とコストパフォーマンスの悪さが目立つ。また、鉄の重要性の高まるのは終盤で、基本その段階になると交渉の頻度は少なくなり、ましてや鉄は出回らなくなってしまう。以上の観点より、最も重要な資源は「鉄」だとするプレイヤーも大勢存在する。むしろ、マジョリティを占めるのはそっちやもしれぬ。交渉するにも発展するにも、鉄はそれ単体で最強のため、鉄と小麦のタイルが等価な場合、交渉に弱点意識のあるプレイヤーは前者を優先するべきだと感じる)

 ③土(木と同じで、街道と開拓地にしか使わぬものの、タイル3枚なので優先度は木より高め)
 ④木(タイル4枚。木と土は、3番目の開拓地を建てようと動く序盤に重要性の増す資源)
 ⑤羊(タイル4枚。騎士賞を狙うプレイで無かったなら、ハンドで腐る傾向にある。騎士賞を狙ってようと、まず鉄と小麦不足に陥って余る。騎士賞を獲ったあとは、都市化優先になるので腐る。羊の2:1港が最強とされるゆえんである)

 もちろん、以上の順位は場況やプレイスタイルによって若干変動するものの、フラットな状態ではおおむねこの理解でこと足りると感じます。これを踏まえ、次は実際の盤面を見ながらポジションとバランスに関して考察しましょう。

2章)ポジションと資源のバランス
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http://www4.plala.or.jp/hammer/catan/genlite/genlite.htmlで生成したマップです。流石に少し露骨過ぎやもしれません。

①1番目に開拓地を置くプレイヤーの思考
 念のため確認しておくと、赤の数字(6・8)は期待値が高く、最も優秀です。5・9は次に強く、4・10までを戦略の核にすることの可能なplayableなタイルとして見て大丈夫でしょう。これら6つの数字のどれかへさわらせたら、その資源はコンスタントに獲得できると皮算用して結構です。3・11は一ゲーム中に出ても3~5回まで、2・12は出たらラッキー程度に考えましょう。どのプレイヤーも基本、自分の初期配置を6・8にさわらせようと動きます。しかし、資源と数字の並びによっては、その限りではありません。
 まず、1番目のプレイヤーは、極悪な糞マップに追込まれて奇策の求められる場合をのぞき、一つ目の開拓地を3種類の資源にさわらせるべきです。なぜなら、最後に二つ目の開拓地を置くときには、一つ目と資源の重複しておらぬplayableな点は残っておらず、大体1種類の資源をきり捨てる状況になるからです。しかし、先の鉄則を守るなら、最悪でも4種類の資源を確保することができる。はじめ二つの開拓地で3種類の資源しか確保できぬプレイヤーは、よほどうまく交渉を運ばなくては満足に開拓地を建てることもままならず、そのまま出遅れて敗北します。したがって1番目、2番目のプレイヤーの置く一つ目2種は、初期配置3種のリスクを常に孕み、大変にリスキーな行為であることをよくよく自覚しなくてはなりません。一般として言われる基準ですが、6・8を含む5種は言うまでもなく、6・8を含まぬ5種か、6・8を含む4種が闘える初期配置とされます。
 それでは、上図を見てみましょう。まず、はじめに見るべきは各資源の出やすさです。中でも、真っ先に注目すべきは鉄です。このマップですと、3・11・12と弱めですね。したがって、どのプレイヤーも都市化は遠く、終盤膠着状態に陥って長期戦となることが予見されます。そうすると、鉄を獲得する方法は、3・11・12を出すか、貿易に限られます。鉄(ときに小麦)の数字が2・3・11・12と一つの4・10で構成される以下のマップは、2:1貿易と3:1貿易が極端に強くなって、港の重要性を高くする。一番目のプレイヤーはあわよくば2:1港の獲得まで視野に入れ、初期配置を選ぶことを強要されます。

◎港の重要性
 3:1港は、あると便利の典型で、割と必須です。皆さまの中にも、港が獲得できず終盤の動きが鈍化し、敗北を喫す体験をしたプレイヤーが大勢存在することでしょう。筆者も、その内の一人です。体感として、港の有る無しでは、勝率が10%ほど変わります。終盤、4枚トレードを試みると、どうしても途中でバーストしてしまうんですね。騎士や盗賊の運用で誤魔化せることもあるものの、基本、7出るなと禱るフラストレーションの溜まる展開となる。ところで、2:1港の強さに関してですが、羊港が最強です。次に、木、土、小麦、鉄港の順でつづきます。港は普通、終盤に不足した鉄を獲得する意図で活用するもののため、鉄港は最弱です。しかし、二つ目の開拓地を鉄港に置くときは例外で、序盤に不要な鉄を不足した資源へ変え、道や開拓地を建てスムーズに態勢を整えることが可能となります。但し、あくまでもその恩恵が発揮されるのは序盤~中盤までのため、二つ目を鉄港に置くことを積極的に狙うのは、やはり弱めのムーブとなります。貿易は、不要な資源を有用に変える強さの塊のようなムーブですが、1枚や2枚のロスを生じる事実を無視してはなりません。また2:1港と噛合う6・8の資源タイルは、騎士や盗賊の恰好の標的とされる。まして、卓上に誘導巧者の存在する場合は、そのプレイヤーの走る間の好都合な隠れ蓑・デコイとして活用されてしまう。最強である羊港を含め、開拓地の二つ目を港に置くときは、それ一辺倒に頼らぬ柔軟な配置をする必要が生じると言うことです。

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 上図の考察に戻ります。鉄が貴重であることは、既に確認しました。しかし、そのほかの資源は割と満遍なく出ることが見てとれます。となると、ここで2つの選択肢が浮上します。どうせ、出目は弱めなのだからと言ってあえて鉄をきるか、供給不足の鉄を重んじるかと言う二つです。この基準となるのは、playableな他2種の資源にふれさせることが可能か否かです。たとえば、3・11・12の鉄のどれかが6や8、仮に6・11・12であったなら、答えは簡単です。6鉄に隣接し且つ3種の資源を獲得できるよう配置すれば最良のムーブとなります。ところが、3鉄に隣接させ、その上得られる資源が2種であったり、3種でも残りに5・6・8・9の含まれぬようなら、本末転倒です。素直に鉄は諦め、よりバランスのとれた地点に配置するのが賢明となります。件のマップを見ると、幸運なことに、A「8土・4羊・3鉄」とB「6麦・4羊・3鉄」、C「6麦・4羊・11鉄」の3地点が候補に上ります(「6麦・11羊・3鉄」は上位互換のB・Cが存在するため、除きます)。この三つから、消極法で一つを選ぶとします。まず、配置のほかは得られる資源の内訳も期待値も同条件のB・Cですが、同条件なら港に近く位置するほう、Cのほうが3つ目の開拓地の建設地点を確約でき、安定します。一番目、二番目のプレイヤーの一つ目の開拓地の道は、外側に伸ばすべきです。内に伸ばすと、下の巡目のプレイヤーの動向によって道の先に開拓地が建てられなくなったり、余計な道を建てなくてはならなくなったりすることが、往往にして起きるからです。たとえば、Dの地点に開拓地を置き、Bのほうに向かって道を伸ばすと、そのBと「6麦・5麦・11羊」に開拓地を置かれて詰みます。たとえそうでなくとも、その2地点の付近に置かれると、道を一本余計に建てなくてはならなくなります。この一本は微差のようですが、大差です。きもに銘じましょう。話は戻り、BとCの比較ですが、たとえばBに置き、Cに向かって道を伸ばすとする。すると、「4羊・鉄11」の土港には置かれずとも、「6麦・11鉄・12鉄」に置かれ道を一本伸ばされるだけで自分の道は無駄となり、また3つ目の開拓地を建てる地点も減る。ところが、Cに置き道を大海へ伸ばすなら、「4羊」・「11鉄」の2地点が確保される。そして、理性ある卓なら、この2つが早早に潰されることなど、まず有り得ません。開拓地は4つ以上が理想のため、残り2つの内の半分を確保できることはとても魅力的に感じられます。
 BとCの比較は、Cに軍配が上りました。次は、AとCの比較です。言ってしまえば、8土と6麦の比較ですね。一見すると、割と等価です。とりあえず、こうしたときは、二つ目の開拓地で獲るべき資源は何か、そしてそれを獲る場合どこが残ってるかを適当に検討します。ここで全員の動きを全て想定しようとするプレイヤーも存在しますが、僕はあくまで「適当」を推奨します。コストと時間を浪費するし、なにより他者のこころの内なんて不確定だ。そんなことに心血を注ぐ位なら、プレイ中のカウンティングや話術にリソースを割くべきだと言うのが僕の持論です。Aに置くと、二つ目は麦と木を狙うことになります。そして、まず麦と木のどちらも獲れる地点を見てゆく。「2木・10麦」「4木・5麦」「8木・10麦」「10麦、9木」「5麦、9木」。その内、理想は「5麦、9木」ですが、貴重な12鉄の近くで、最後まで残って無さそうな印象を受る。「10麦、9木」は海辺なら残りそう。同じく「8木・10麦」も海辺なら残りそうで、且つ懸念であった3:1港を獲得できる優良そうな配置。8木が8土と被ってしまうものの、道セットなので消費は簡単でバーストの危険もなく、問題ありません。「4木・5麦」はそこはかとなく強く、残って無さそう。「2木・10麦」はそもそも2がplayableではなく、却下。木・麦のどちらかを捨てるなら、どちらかに寄せた、より強力な数字の地点も視野に入ってくる。
 Cを選ぶと、不足するのは土と木。その内、A地点は残ってる筈もなく「5土・2木」「2木・9土」はあまり置きたくありません。「9土・4木」が唯一積極的に置きたくなる地点ですが、残ってるかどうも怪しく感じられます。とは言え、Cを選ぶと発展セットが自動的に揃うのは美点のように見える。それにAに置くと、小麦を捨てなくてはならぬ可能性があるのも、幾らか不安だ。悩むところですが、土港の獲得も一応狙える(一応とするのは、他プレイヤーはまず間違なくCの地点に置き、妨害のリスクを感じるため)こともあって、Aに一つ目の開拓地を置くことにします。

②2番目に開拓地を置くプレイヤーの思考
 基本的に、1番目のプレイヤーと同じです。このマップではCに置きます。道に関しては下に伸ばし木港を確保したくなりますが、プレイヤー1の土港の妨害を睨んでとりあえず土港へ伸ばします。そもそもこのマップ、2番手にはかなり辛辣なため、初期の道を一本無駄にすることすら敗着となり得ます。前述のように道を伸ばせば、少なくとも「11鉄」の地点は確保できるため、ここは我慢を推奨します。
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 こんな感じになりました。疲れてきたので、3人目以降はあしたの僕が書くことでしょう。