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mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/23】七咲逢編②

七咲逢編 第2章「トキメキ」

ミシ:恋の呪文はスキトキメキトキス
醤油:さすがの猿飛
QP:2話のサブタイトル、「サイアク」から一転「トキメキ」ですか。
ミシ:観て行きましょう。
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(純一・薫・梅原の三馬鹿は、ハイレベルな容姿の転入生が図書委員をはじめた噂を耳にし、図書室へ野次馬をしに行く。誰が確認するかで揉めてると、またもや偶然その場に居合わせた七咲に「周りの迷惑」だと諫められる)
ミシ:この段階では純一と七咲との接点が希薄なため、偶然出くわすパターンが連続しますね。
醤油:森島ルートと似てますね。ただし、前者では純一が血眼になって日常に先輩の姿を見出さんと奮闘してたのに対し、後者の七咲編では七咲側から純一に声を掛けてくる。反転してるんですよね。
QP:さっきから疑問なんですけど、この娘運動部ですよね? それなのに先輩に接する態度がまるでなってませんよ。慇懃無礼にも程がある。
醤油:純一にのみですから。おそらく美也から幾らか事前情報は聞かされてるんでしょう。それで話の中で親近感を抱くようになり、多少のやんちゃ、素の己を出しても兄の甲斐性で許してくれるだろうと高を括った。七咲の中では美也を仲介にして、既に純一との疑似的な兄妹関係が構築されてしまってたんでしょうね。そして現実との齟齬に困惑して、あのような陰険な態度をとってしまったと。もっともすぐに自分のよく見知った側面を純一に見出し修正しましたけどね。
ミシ:お、シンデレラコンプレックスですかぁ? 中多さんを見習え。
醤油:狭量ですよ、ミシェル君。僕の寛容さをわけてあげましょう。
ミシ:なんか、ねちゃっと湿ってるので遠慮します。
図書室でなにをしてたのかと問う純一に「数学の追試の勉強をしてた」と答える七咲。「よかったら教えようか」とやたら先輩風を吹かす純一)
醤油:純一が数学得意である設定は、七咲編でしか出てきません。
ミシ:どのヒロインも軒並み純一よりハイスペックですからね。梨穂子以外に、数学得意だなんてわざわざ喧伝できません。綾辻さんに鼻で笑われます。
QP:噂をすれば出てきましたよ。
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(通りがかる綾辻。純一に七咲を紹介され、見つめ合う2人)
QP:え、怖っ。無言で腹の中探り合ってません?
ミシ:牽制です。一瞬の交差で2人の格付けは終わりました。ゴミを見る目でしたね。
醤油:綾辻さんにとって薫や森島先輩は別次元の人間ですが、七咲は自分と同一直線状の下位互換と言って差し支え有りませんからね。
ミシ:圧倒的な人間力の格差を除外すれば、なかなかどうして似通ってるんですけどね。要は純一にポーカーフェイスの裏側、とり繕った人格の奥にあるChildlike、純真さに触れて貰うのを密かに待ち望んでる訳でしょう?
QP:便利な言葉ですね。ポーカーフェイスとChildlike。
醤油:濫用しすぎですよ。
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(七咲「先輩、本当に数学得意なんですね。見直しました」)
(反抗期に入った小学生の弟との接しかたを純一に相談する七咲)
ミシ:郁夫君のことですね。
QP:親友の美也には相談せず、あえて純一に相談する辺り嫌らしさを感じます。
ミシ:美也は弟の存在すら知りませんでしたからね。
QP:己のプライベートな領域に踏み込ませる誘導。恋の駈ひきですね。
ミシ:否、そのような戦略性のある行為ではありません。単に七咲の人間強度が下がり始めてるんですよ。そしてそれは、僕らの英雄にも波及します。
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(翌日。担任に呼び出され、遅刻の多さを注意される純一。その理由を問われ「ビーバー三国志に夢中で夜更かししてしまったからだ」と捲し立てる)
QP:これ、本当にあの純一君ですか?
醤油:おつむもモラルも、あきらかに弱くなってますね。
ミシ:英雄の資質を剥奪されてます。あの大判焼きを食べてしまったのが良くなかった。
(「しっかりしろ」と担任に尻を叩かれ「そうだ。そうなんだよ! 解ったぞ、七咲」と何かを閃く純一)
QP:もう何もわかりませんよ……。
ミシ:期待感の強かった中多さんのときと異なり、嫌な予感しかしません。
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(Bパート。テラスで昼食を採る七咲・美也・中多の3人。そこに純一が走ってくる。美也「お兄ちゃん! イキナリ出てきて何なの? 紗江ちゃんが吃驚してるでしょ」)
ミシ:ああ、中多さんは天使ですね。
QP:むねを見るな。むねを。「それにしても、スゴイね……」って何やねん。
(純一「美也も七咲も、中多さん位に成長するとイイな」)
ミシ:さすがに失言ですよ、純一君。
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QP:七咲、激怒して席を立ちましたね。
醤油:第2話は冒頭・高橋先生、中盤・中多さんと、一貫して他の女性に目を奪われてしまう純一の痴態が描かれ、それに対し七咲が怒りを露わにします。「わたしだけを見て」ですね。
ミシ:「悩む」と言う行為に関して、非常に苛烈ですよね。1話で言えば、高橋先生がシーフードカレー、中多さんがとんかつ定食、美也が(元より選択肢に入ってなかったことから)B定食、そして最後に行きつく味噌ラーメンが七咲に相当する。
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(放課後、女子水泳部が練習するプールに忍び込む純一。暴挙に及んだ理由を詰問され、職員室での一件よろしく、再び独自の論理を捲し立てる純一)
(純一「それは、決して大きいとは言えなくても、毎日の部活で鍛えられた胸筋に内側から押し上げられ、外側からは抵抗を無くすために開発された競泳水着によって圧迫されてるムネ! 僕は、その美しく火薬のように爆発しそうなエネルギーを蓄えた感じが見たくて、のぞきに来てしまったんです! 本当にすみませんでした!」と土下座。七咲のほうを見る)
(頬を赤らめ、たじろぐ七咲)
ミシ:これが、英雄のなれの果て、ですか。
QP:こんな純一さん、僕は見とうなかった。
(塚原「そう。君はそのことをたった一人に伝えたかったようね。まったく。あとは任せたわ、七咲」)
ミシ:塚原先輩の対応も、人智を超えてます。純一への不信感を逸らし、あの場をおさめるだなんて、さすがのカリスマです。戦慄します。
醤油:他のルートの純一だったら、もっと上手くやれたんでしょうにねぇ。神亡き世界ですから、多少の理不尽は許容するほかありません。
QP:地獄やな。
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(七咲「先輩って、一体何なんですか? あんなことを大声で言うなんて、わたしには理解できません」)
QP:大丈夫。僕らにも理解できてませんよ。
(純一「でも、七咲に謝りたくて。ごめん」)
(七咲「部活が終わるまで、外で待ってて貰えますか」)
ミシ:もう全てを許した表情をしてますね。満更じゃなさそうです。
醤油:ミッションクリアですね。神は、人の子らに乗り越えられぬ試練など課しません。
QP:だから、神は死んだって言ってるじゃありませんか。
醤油:失礼。言葉のあやです。
ミシ:僕らの知ってる純一も、もう死んだんやね。かれ等は、どうしようもなく原罪を背負っとる。
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(放課後。浜辺。トイレ施設前。弟の一件に関して、純一はアドバイスする)
(純一「七咲の弟、少し甘やかしてもイイんじゃないかな? 今日高橋先生に叱られて、思ったんだ。僕も小学生のとき、わざとイタズラして女の先生に怒られた。今思うと、そうやって、興味をもって貰えるように甘えてたんだよな。きっと今の七咲の弟も、それと同じなんだよ。だから、甘やかしても大丈夫だと思う」)
ミシ:ヒロインの抱えた苦悩に関し一応の解決は提示してますが、なにかふに落ちませんね。この言及は郁夫のことであり、七咲の純一への態度でもあるんですよね。
醤油:構ってほしくて、迂遠な容喙をしてますからね。
QP:これ、純一のほうも「もっと僕を甘やかしても大丈夫だよ」と暗に仄めかしてませんか?
醤油:バブみ、を感じてるんですね。
ミシ:ああ、人間強度が下がってますね。共依存の関係です。
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(七咲は問題解決のお礼として、弟に贈ろうとして断られた「イナゴマスクの変身セット」を、純一に贈答しようとする。さすがに躊躇する純一だったが、七咲の寂しそうな表情を見て、しぶしぶ貰う)
醤油:七咲は純一をヒーローにしたくて、こんなことをするんですね。
ミシ:しかし、この世界での純一は、ヒーローにはなれません。しかたなく、ベルトは七咲が装着することになります。未熟な七咲自身に変化を要請してるんですね。
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(暫くごっこ遊びに興じる2人。通りがかった子ども達に変身をせがまれ、ノリノリで演じる七咲。最後にはベルトを譲ってしまう)
醤油:もうベルトは不要なんです。変身しなくとも、なにも出来ぬ現状を打破しなくとも、隣で純一が笑ってくれるなら、もう大丈夫だって安堵を得たんです。
ミシ:えっ、第3話のサブタイトル「ヘンシン」ですけど……。
醤油:……。
QP:あくまで好意的な解釈をすれば、外部から強制される変化ではなく、自己の内部から生じる自発的な変化で無くては無意味であると感じ、手離したんでしょう。ベルト一本で大胆にヒーローを演じることが出来るならば、幾らでも望むものになれる。己の可能性を見出し、それに賭してみたくなった。
ミシ:えっ、しかし3話は再び外部から変化を強制されて――。
醤油:次、行きましょう。
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(就寝前。純一を想って「ときめく」七咲。七咲「たぶん、意識し始めてるんだ。年上なのに頼りなくてちょっとカワイイ。それでも時おり見せる安心感にほっとする」)
QP:「トキメキ」の回収、無理矢理すぎません?
ミ・醤:ああ゛~。
(ED)