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mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/23】裏アドベントカレンダー3日目。七咲逢編①

七咲逢編 第1章「サイアク」

醤油:次は、七咲編ですね。
ミシ:2年前のあの日の回想から、再び話が始まります。やはりこの日は、アマガミの世界が生まれたXデーなんですね。
(七咲「郁夫の欲しがってた玩具、やっと買えた~」)
QP:早速、七咲が出てきましたね。昔のほうがお洒落な格好してません?
ミシ:せやね。2年間の内に何かあったんでしょうか?
醤油:水泳部への入部ですね。
ミシ:すぐ答えが出ました。
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(失意の内にあった純一は、曲がり角で少女と行き会う。家族と幸せなクリスマスを過ごすであろう少女に、羨望と嫉妬を感じる)
(新OP)君は君のままで~♪
一同:ああ゛~、歌が変わってるよぉ~。
QP:2期ですか? これ、2期なんですか?
醤油:2クール目やね。4人目やから。
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(森島ダンス)
醤油:謎の森島ダンス。好きですね。好き。
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(梅原と下校する純一は、立ち寄った公園でブランコに乗る七咲を見つける。めくれたスカートの中身を咄嗟に凝視してしまうと、咎められる)
ミシ:はじめて会った人間に辛辣な悪態をつく七咲ですが、その実、高圧的な態度をとるのは僅か15分ほどなんですよね。
QP:巷ではツンデレに分類されるとの話でしたが?
ミシ:すぐ陥落します。(ツン)デレですね。
醤油:本人もどうふるまうべきか迷ってるんですよ。自己のキャラクター・アイデンティティへの理解が未確立なんです。
ミシ:まだ高校1年生ですからね。
QP:また自分探しの話ですか?
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(とり繕うように自己紹介をする純一。しかし、七咲は「警察を呼ぶ」などと言う)
QP:スカートの中を覗き見てしまったとは言え、あまりのユーモアの無さに純一君、びびっちゃってますよ。さすがに可哀想じゃありませんか?
ミシ:完全に委縮してますね。でも、七咲としてはこうして純一が逐一反応してくれること自体、嬉しかったりするんでしょう?
醤油:そもそも他者との間合の詰めかたが下手ですからね。平静を装ったところで、内心ドキドキものですよ。可愛くありません?
QP:う~ん、まだちょっと分かりませんね。続き観ましょう。
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(翌日、食堂。悩む純一に「うしろが閊えてる」と突っかかる七咲。七咲「優柔不断なんてミットモナイですね」)
ミシ:ここもまた随分と苦言を呈されてますね。空腹で苛々してるんでしょうか?
醤油:自己理解の未熟さからくる攻撃性が顕著になってますね。パンクに憧れてるんでしょう。
QP:結局、純一が選んだのは悩んでたシーフードカレーでもとんかつ定食でもなく、ラーメンですか。
ミシ:てっきり七咲と同じB定食にすると思ったんですけどね。
醤油:これ、後の展開を鑑みるに、やはり味噌ラーメンなんでしょうねぇ。
(昼、美也が話題にしてた黒猫を見つける純一。あとをつけると、七咲に出会う)
ミシ:犬ではなく黒猫。
醤油:本編に犬が未登場なのって、七咲編だけですよね。
ミシ:すでに森島ルートで確認したことですが、DOG=GOD。つまり、七咲編は神不在の世界を描こうと試みてるんですわ。
QP:さすがに牽強付会ではありませんか?
醤油:たとえそうだとしても、それなら、あの黒猫は、一体なんの象徴だと言うのです?
ミシ:……CAT=ACT。
一同:!?
ミシ:ああ、なるほど。どうやら取っ掛かりを掴んでしまったようです。CAT=ACT。神不在の世界で、人はどのように生きるのか。精査してゆきましょう。
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(黒猫を抱き上げる七咲。その弾みで、スカートの中身に関心を奪われてしまう純一。目ざとく感知した七咲は不敵な笑みを湛え、自らスカートをまくって黒スクを見せつける)
ミシ:Jesus……。これ、倫理観やら貞操観念やら、諸諸大丈夫ですか?
醤油:水着ですから、見られても問題ありません。
QP:イヤ、「痴漢は止めろ」と煽ってるくせに、自ら見せてしまうのはどうなんでしょうか。卑猥すぎますし、色色とチグハグでしょう?
醤油:しかし、スポーツですから大丈夫です。
QP:譲りませんね。
ミシ:それは、その、有酸素運動的な意味で……?
QP:止しましょう。これ以上は藪から蛇を突きかねません。
(七咲「わたし、1-Aの七咲逢です。美也ちゃんと同じクラスですよ」)
ミシ:ここら辺の自己紹介を装った会話、酷く形式的ですよね。
醤油:悪態をつき過ぎてしまった「サイアク」の邂逅を、修復しようとしてるんです。空空しく映るのは、そのためですよ。CAT=ACT。猫かぶれって言うしね。
ミシ:七咲は道を過またねば、古手川唯のようになれた筈です。
醤油:むかつくけど、言ってることは理解できます。
ミシ:話は再び脱線するのですが、CATの密意に関連して「好奇心は猫をも殺す」と言うことわざがありますよね。
醤油:つづけて。
ミシ:この「好奇心」と言うのが曲者です。『トルーデさん』と言うグリム童話をご存知でしょうか? わがままでナマイキな少女が両親の制止も聞かず、トルーデさんと言う得体の知れぬ隣人の家を訪ねる。するとトルーデさんは魔女の正体を現わし、娘を棒きれに変えて火の中に投込んでしまうと言う話です。
醤油:好奇心の誘惑に屈した人間は、報復されると言った教訓ですか?
ミシ:否。娘の行動は、心の中に存在する個人的な父親や母親の像を超え、なお深く、普遍的無意識の領域へ向かって行った、至極自然な行為として解釈されます。しかし、普遍的無意識の内容は、人間に畏敬と恐怖の感情を呼び起こす。同じくグリム童話の「名付け親さん」に出てくるヴァシリーナの賢明さや、「マリアの子ども」の発揮した剛情さなど、的確なアプローチを取らなくては、母なる自然の炎は辺りを一瞬の間明るく照らすにしろ、すぐに闇に戻ってしまうと言うことです。
QP:しかし、その話が七咲編とどう関係するのですか?
ミシ:七咲の六大での立ち位置は「火」の元素、「成熟・浄化」でしたよね。『トルーデさん』で語られる魔女の火は、グレートマザー、大地と結びつく、重く、暗くかがやく炎であって、天上にかがやく聖なる火と比較される。ユング夫人は、マリアを天に存在する「高位の母」に位置づけ、トルーデさんを典型的な「低位の母」とします。しかし、後者にも天へ向かう意志は潜在する。その象徴がトルーデさんの息子である火ですが、それは上方に向かって閃くものの、あくまで大地に結ばれてる。この「劣等なロゴスとして特性づけられる」・「娘の好奇心」は手段を誤ったがために結果、天には至らなかった。七咲編は、七咲の中の劣等なロゴスが、天と結びつき「浄化」の炎となるか、大地に留まり「卑俗な火」のままになるか、その「成熟」の顛末を純一と共に見守る話なのです。
醤油:火は、人間の文明にとって建設的で不可欠なものですが、反面すべてのものを焼き尽くす破壊性をも有します。
QP:しっかし、ゆかなの声で「先輩」って呼ばれるのは、ええもんやな。
ミ・醤:同感です。
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(Bパート。商店街の福びきの一等・ハワイ旅行を強請る美也。しかし、純一は漫画『ビーバー三国志』に夢中で、まともに取り合わなかった。翌日、その報復で「ハワイ当たれ」と書かれた額を七咲に笑われる)
QP:タオルを貸したりだとか、憧れの森島先輩に笑われたことを慰めるだとか、もう堕ちてませんか? え、なにか劇的なイベントありましたっけ?
醤油:これが本来の逢ちゃんなんです。本来は素直でイイ子なんですよ。
QP:頭がおかしくなりそうだ。
醤油:耐えろ。
ミシ:突然挿まれる梨穂子と中多さんのカットインが癒しです。サンキュー、サッエ。
QP:ファッキュー、アッイ。
醤油:やめろぉ。
(放課後。荷もつ持ちを頼まれた純一。七咲「両親が共ばたらきなので、家のことはわたしがやってるんです。結構好きなんですよ、家事」)
QP:本当、距離の詰めかたが下手ですね。突然、放課後デートですか……。
醤油:他のヒロインが超人過ぎるんですよ。普通はこんな感じです。
ミ・QP:ダウト。
醤油:もたざる者同士の、精一杯の歩みですよ。応援しましょうよ。
ミシ:あ、でも、澄ました表情で家事出来ますよアピール、可愛ええな。
QP:ちょろすぎますよ。
(荷もつ持ちのお礼として、福びき券を渡された純一。結局一等は当たらず、六等・500円分の商品券が当たる)
QP:はずれ、ですね。森島先輩辺りとなら、必ず一等をひき当てるでしょうに。
ミシ:アレは神さまですからね。較べるのは酷です。それに、神は人に身に余る幸運を与えなどしません。破滅を招く元です。500円程度のささやかな祝福が、身の丈ですよ。もっとも、元よりこの世界に神など存在しませんがね。
醤油:さっきから辛辣ですね。黒猫に肉親でも殺されたんですか?
ミシ:あ、先日13年連れ添った愛猫が亡くなりまして。悲しかったなぁ。
醤・QP:知らんがな。
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(手に入れた商品券で、2人は大判焼きを買って食べる。七咲「はじめて買ったんです。クリーム入り。普段は手堅く小倉餡を買うんですけど、せっかくだから試そうかと思ったんです」)
醤油:知恵の実を齧ってますね。
ミシ:そして楽園を追放されるんですね。ゆえに神不在の世界であると。
醤油:七咲、普段とは違う味を選んでますよ。自らの殻をやぶって、前進してます。
ミシ:これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、七咲にとっては偉大な飛躍である。
QP:ニール!
ミ・醤:アームストロング!
ミシ:しかしこの一歩も、案外大判焼きの食べさせっこや交換を目論む、七咲の奸計やもしれませんよ。だのに、純一君が一息で食べきってしまって、辛酸を味わってます。
QP:絶妙に歯車が噛み合わんなぁ。
(浜辺を散歩する2人。純一「七咲はスゴイよなぁ。部活やって、ボランティアやって、こんな風に家のことまでやって、僕なんてイイとこ無いよ」)
(七咲「そんなこと無いですよ。水着を見てたスケベな目は、可愛かったですよ」)
(純一「それ、褒めてる?」)
(ボランティアの話で感化されたのか、浜辺で目につくゴミを拾う純一とその姿に感激する七咲)
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(七咲「先輩っ。大判焼きのクリーム、美味しかったですよ」)
ミシ:え、なんのためにゴミ拾ってるんですか?
醤油:地元愛ですよ。
ミシ:ダウト。水泳部で何となくやらされてるだけでしょう。イマイチ哲学が感じられんのです。
醤油:そんなものではありませんか? たかだか女子高生に、確固たる意志を見ようとし過ぎなんですよ。
QP:きまぐれですからね。猫ね。
醤油:大判焼きのクリーム美味しかったって言ってるんですよ? 一念発起して踏み出した新世界は鮮やかな色彩をしてましたって、出てきて良かったって言ってるんですよ?
ミシ:へぁ~?
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(ED。ゆらゆら揺れてる~♪(中略)ポーカーフェイス。Childlike~♪)
QP:恋はみずいろ。曲名はともかく、歌詞ピッタリですね。
ミシ:笑ってしまうわ、こんなん。
醤油:不謹慎ですよ。