読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/11】改宗!改宗です!

醤油です。つい最近、会長になりました。
今年のアドベントカレンダーのテーマは「宗教」。

ここで、今年の秋の会誌にある「他己紹介のページ」を見てみましょう。
きょーしろーくんによる僕の紹介を一部抜粋します。

あずまきよひこ信者。よつばスタジオがすごいという結論に至ったらしい。」

はい。これも「宗教」というわけで、そういう話をします。


先々週の金曜日、あずまきよひこの作品がまた一つ世に出ました。
よつばと!』13巻。

2年半ぶりの「神」からの恩恵だ!と、信者である僕はウキウキしていました。


ところが、この13巻、爆弾を抱えていました。
今となっては、この13という数字すら不吉に思えます。

一つは、前会長がこのアドベントカレンダー初日で触れていました。

「読者がよつばの変化にショックを受けうなだれた」

そう、よつばが着実に成長しているんです。
最初は元気いっぱいで、無性的な「幼児」だったよつばは、今ではもう「女の子」です。
これについては、以前から少しずつは変化していました。
テディベアを買ってもらうのが最初の転換点ですかね……
お隣の三姉妹の影響を受けながら、着々と「女の子」へと成長していくのです。
もっとも、成長自体は問題ないのです。そういう漫画ですから。
寂しくなるのは、まあ「親心」みたいなもんでしょう。
ちょうど表紙の、水溜まりにジャンプして着水する間の数秒を、僕たちは見ているんです。

ただ、13巻では「成長」という言葉だけで片付けられない場面があります。

f:id:mantropy:20151211000924p:plain

信じられます?よつばが「きゃりーぱみゅぱみゅ」とか「プリキュア」とか言い出したんですよ?
ああ、これは別世界の話じゃないんだなぁ……僕たちと同じ時空の話なのかぁ。
そう痛感させられたシーンです。
今まで作品の舞台について具体的な説明がされていなかった『よつばと!』にとって、これは大きな変化です。
僕たちと同じ世界で、よつばは今日も、リアルタイムで成長している。社会化・俗化していく……
彼女は僕たちの手からどんどん離れていくし、この瞬間にずっと留まることは許されないんだ。
水溜まりに着水せず、永遠に宙に浮いていることは出来ないんだ……

f:id:mantropy:20151211102556p:plain
「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」

今日だけじゃないんだ。その次には、明日、明後日がある。
それらをもっと楽しい日として、目を向けて受け入れて行かなくてはいけないんだ。
現実逃避を求めて読んでいた漫画に、現実を突きつけられました。

加えて、これはもう一つの悲しい事実を示しています。

よつばちゃんは今、この世界を生きています。他の時空なんてものはありません。
つまり、こことは別のパラレルワールドで、もしくは数年先の未来で、僕が「よつばのとーちゃん」になる可能性は失われた訳です。

ぶっちゃけてしまうと『よつばと!』はオタクの理想を具現化した世界です。
可愛い娘がいて、煩わしい妻はいない。しかも隣家の三姉妹が、妻の役割を一部代行してくれる。家には時々、気のいい友人が遊びに来てくれて、一緒に悪ふざけをしてくれる。最高だ。「よつばのとーちゃん」は、オタクの理想なんです。(しかも在宅の知的労働で生計立ててますからね。もう言うことないでしょ)
そもそも、この作品が載っている雑誌は『月刊コミック電撃大王』。オタクがターゲットなんです。
子育て主婦のための漫画なんかじゃない。おっさんが描いた、持たざるオタクに向けられた漫画なんです。
オタクは、「よつばのとーちゃん」になりたかった。
そんなオタクの夢は、13巻で死にました。

この夢の死を決定づけるものはまだあります。
二つ目の爆弾、ドン。


「よつばのとーちゃん」に名前が付きました。

f:id:mantropy:20151211003642p:plain

葉介、ですって。
確定しましたね。「よつばのとーちゃん」は僕たちじゃありません。

今まで彼の名はずっと伏せられていました。言ってしまえば、彼がこのゲームの自機だったからです。
僕たちは彼を通して、よつばたちと触れ合ってきました。
「とーちゃん」という役割名で呼ばれることで、僕たちは自然にこの世界に入り込めたのです。

ところがどっこい。
この度、「よつばのとーちゃん」は小岩井葉介さんが担当することになりました。
僕たちはもう何者でもありません。

「ばーちゃん」(小岩井葉介の母)が出てきたのも、これに付随する話です。
今までは、「よつばのとーちゃん」とその親には、何らかの説明が要りました。
まだまだ若い息子が、海外から子供を拾ってきて、それを養子にすると言ったら、親子の間に一悶着起きても不思議ではありません。彼は僕たちであるから、その事情や背景について、当事者として意識が向いてしまう。
ところが、「よつばのとーちゃん」が小岩井葉介という個人になった今では、それを気にする必要はありません。
何かがあったんでしょう。でも僕たちの知ったことではありません。小岩井さん家のことなんですから、余所者が詮索する話じゃないんです。

先ほど言った「親心」は、僕の抱いていた「父性」は、もう向ける宛がありません。
僕は「よつばのとーちゃん」ではない。
よつばちゃんのお父さんは、小岩井葉介さんなんだ。
僕の夢は終わったんだ。


GOD IS DEAD.

神は死んだ。


……改宗しなくちゃ。新しい拠り所を探さなきゃ。


というわけで改宗先を紹介します。

『奴隷との生活 -Teaching Feeling-』です。
f:id:mantropy:20151211005442p:plain

虐待された奴隷少女を引き取って、養うゲームです。
やっぱり父性は与えて初めて成立するからね。
シルヴィちゃんに色々教えてあげるんだ僕は。
ふへへ……


ゴッド・ブレス・ミー