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mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/5】あっ

 ミシェルです。2015のテーマは「宗教」だそうです。エロゲの話をします。チラシの裏だと思って読むんだ。

◇『CARNIVAL』(S.M.L)

CARNIVAL (二次元ドリームノベルズ)

CARNIVAL (二次元ドリームノベルズ)

 二重人格を患った主人公がイジメっ子を殺め、護送中に逃走。地元の夏祭りに来てみれば、おさな馴染みの家に匿われてアレする話。3章仕立てで、1章では無知な主人格、2章では殺人を実行した副人格、3章では二人の事情に通じたおさな馴染みと、それぞれの目から殺人に至るまでの経緯と全容とがあきらかにされる。話中に出てくるキャラクタ達は、その大半が剥奪され不足をかかえた人間である。主人公は愛する夫に裏ぎられこころを壊してしまった実母からチャイルドアビューズされ、おさな馴染みのリサは実父にセクシャルアビューズされる。自らの置かれた境遇への疑問と呪詛とを孕んだ軽らかな語り口からは、狭量な現実が生生しく浮き彫りにされる。表題の「CARNIVAL」とは謝肉祭、特にキリスト教における、一週間教会のウチとソトとでハメをはずしまくり、その最後に自らの狼藉ぶりの責任を大きな藁人形に転嫁、火あぶりにすることで閉幕する類の祭りを指す。話中、主人格と副人格との間に生じた齟齬で自壊しつつあった主人公は、目撃者の口封じと復讐といったおそまつな免罪符のもと、人道からはずれバーバリズムの限りをつくす。リサは、その悪逆を目の当りにしてなお主人公達に手を貸さんとするが、しかし酷薄な現実に、不徳と罪過とを負担する大きな藁人形など存在するはずも無かった。罪が許されることはない。背負い込んだ罪過に苛まれつづけた主人公は、遂には自ら命を絶って、祭りの閉幕を告げたのである。一連の事件をしめくくる3章は、ウソを重ねて表面をとり繕う自らの醜悪さに苦しむリサの独白で占められる。親友に誘われ、教会でもよおされるクリスマスパーティーに臨んだリサは、神父に「キリストを信じ、その言葉にしたがえさえすれば、どのような罪でも許される」と説かれる。
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picture1:Is that your last challenge? No, no, no.
 許しを望んだリサは聖書に目を通すことにするが、ごまかすような幾つかの鮮烈な言葉でかえって罪の重さを自覚するハメになり、より苦悩を増すだけであった。祭りの最後。ラストシーン。キリストを信じることのできなかったリサは、たとえ一瞬であっても、自らがただ一人その重さをあずけることのできた主人公の影に希望を見る。黒鷺も言及していたが、詰まるところ、どうしようもなく糞に塗れた自らを許すのは、自らが都合良すぎるその妄想を託せると思えた誰かによってであり、当人の意志のもちようでしかない。罪は依然として残り、罰が頭上を埋めつくした生ではあるが、先刻よりも幾らか足どりを軽くして、二人は丘を下りていくのである。

◇『ロマンティックダストシューターズ』
 今号の「快楽天」にも上に類した話があった。ロマンティックダストシューターズ。鬼頭ヘッド・タラコくちびるがトレードマーク。地味系主人公・五味が、パーフェクトでモテる親友・イケをダシに恋慕を募らせる女生徒の相談に乗るかたちで青い果実を食いちらかす話だ。イケの異性のタイプを問うてきた二人に五味は「ノンヴァージン」と答え、はじめてのパートナー役を務めること提案する。セミロングに申し出をあっさり承諾された五味は、悲哀を感じながらも悟る。
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◎「アイツのおかげで……毎日毎日、俺のチンポは乾く暇がない」
 セミロングと一通り事をすますと、五味の矛先は戸惑いつつもアダムとイヴとなった二人をしげしげと観察していたポニテに向かう。はじめは拒んでいたポニテだったが、やはり堕ちてしまう。実はこのポニテ、五味の密かな想い人。さりげなくキスを迫るも、当然拒まれションボリ。すると快楽天史に残る名言が生まれた。
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picture2:渇き。頬を濡らすもの
 なんと、なんとっ、ペーソスに富んだ漫画なんだろうか。五味は血涙を流しながら、ポニテを優しく抱きつづける。五味は自らに最も過酷な罰を与えていた。キリストに許しを請うことも無く、ただただ自らの罪過を魂に刻みつけるかのように腰をふる。そして、覚悟は伝わった。なりゆきを見まもっていたセミロングが五味の恋心を看破。情に絆されたポニテは愛に生きる男にキスを、許しを与える。
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picture3:チチチチを髣髴とさせる凄みのある表情
 五味は許された。だから筆者も、12/5担当なのにアップが6日にめりこんでしまった罪を「許す」ことにしたのだった。許しておくれ
(ミシェル)