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京大漫トロピーのブログです

【12/1】アドベントカレンダー、始まり始まり

こんにちは、りんごです。現会長ですが来週あたりには新会長が出てきているはずです。時間の流れは早いなぁ。

漫トロピーで三年前から行われてきたアドベントカレンダーが今年も始まります。
アドベントカレンダーについてご存じない方は、アドベントカレンダーとは - はてなキーワードをご参照ください。京大漫トロピーで実施しているこの企画では、会員のバトンリレーで記事が書かれていきます。
そして今年の漫トロアドベントカレンダーのテーマは……未定!? どうすんねんこれ。まあこれも来週には決まっているでしょう。
ということで、僕自身は「クリスマスに贈りたい漫画」というテーマで書かせてもらおうと思います。

さて、2015年11月28日、この日が何の日がご存知の方はおられるでしょうか。

最新刊の『よつばと!』を読んだ読者がよつばの変化にショックを受けうなだれた日? 違います。

聡明な読者の皆さんはお気づきでしょう。

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↑消費社会に振り回される人間

そう、モンスターハンタークロスの発売日です。大学生にもなって何をしているんだ、とプレイしながら思う。
しかし、僕にはこれを買わねばならない理由があるのです。それはさかのぼること8年前……。

当時の僕は中学生。クラスや部活では『モンスターハンター2nd』の話題でもちきりでした。スクールカースト下位に属し、周りにとりのこされまいと必死な僕は当然ハードと合わせて予約しました。
発売されるとともに、クラスメイトの間では「お前どこまでいった?」「俺は昨日○○倒した!」などといった会話が氾濫していきます。僕の目論見は当たったのです。これを機にもう少しみんなと仲良くなりたいな、などとウキウキしながらプレイを進めていました。ただ会話には加われていませんでした。これがのちに失敗を引き起こすことに。

そしてある日、部活の友人から 「~日にあいつの家で一緒にやろうぜ」とお誘いを受けたのです。僕はもちろん承諾しました。あのとき、燦燦と降り注ぐ光が僕の進むべき道をつくり、PSPがその道しるべとなっていました。そして約束の日、僕はPSPという名の人生の地図を手に狩場に赴いたのです。
しかし、そこで味わったのは深い深い悲しみでした。

部屋に入ると、部活の面々が床に座りすでにハンティングを開始していました。見ると、最大人数の4人プレイが二組できており、余った僕はしょっぱなからジャブを喰らう結果に。結局一人プレイを開始しました。人の家でプレイするとの予定で来たというのに、ソロで黙々と狩りをする。そんな僕におかまいなしに周りは楽しそうに遊んでいます。せめて4の倍数になるように人を呼べ、と主催者を恨む。耐えきれなかった僕は一人で遊ぶのをやめ、人のプレイを見始めます。

そこで目にしたのは、強そうなモンスター、強そうな装備。僕はこのときようやく悟ります。「あぁ、ここに加わることはできない」と。
モンスターハンターでは、モンスターに体力を削られ3回体力が尽きるとゲームオーバーとなるのですが、複数人数でプレイするときはその死亡許容回数がシェアされます。1ミッションで死亡していい回数はプレイする人数に関わらず3回で固定なので、すなわち「足をひっぱる人間」がでてきてしまうのです。
グループ内評価をこれ以上下げたくない僕は、まだ誘われてもいないのに「入らないようにしとこ」という決意を固めていました。すごく滑稽だ。そして適当な理由をつけ、早々に帰ったのです。帰り道、様々な感情の渦にとりこまれ僕は無と化しました。ちゃんと会話に加われていれば自分の状況が確認できていたのに。

今思えば、彼らは僕が遊びに行く以前から協力プレイでゲームをさくさくと進めていたのでしょう。とすれば僕はすでにそこから弾かれてたことになります。スクールカーストでも敗北し、ゲームの進行度でも負けてしまった僕の目の前には切り立った谷が。当然のように地図を破り捨て、闇に葬り去りました。PSPは実家のどこかに転がっています。友達作り目的でゲーム買ってもろくなことにならんわ。


僕がこの新作を買った理由は、中学生時代に満たされなかった欲望を追うことに迫られているからに他なりません。
幸い今は一緒にプレイしてくれる友人がいます。友達って大事や。

そんな鬱屈した思いが一部の漫画作品には溢れています。そんな作品をクリスマスに読んでもいいよね。
というわけで、これを。

押切蓮介先生のこの作品では、筆者自身の幼少期の楽し気な思い出と現在の状況とをペンの種類やタッチの差などで描き分けており、ノスタルジックな面をにおわせながらも、今自分が生きているこの世界での窮屈でどんよりとした生の進行がありありと表現されています。
上にあげたのは新装版なんだけど、こちらはその前の版。

猫背を伸ばして

猫背を伸ばして

こっちは怒鳴っている母親が表紙にでてきているんですよね。
作品内では何かと怒鳴ってくる母親が息子である作者を圧迫してくるんだけど、新装版を出す際、作者の中で母親に対する感情の変化があったのかもしれない。

もう一回記事を書く機会があるそうなので、漫画の内容めちゃくちゃ薄い気がするがこの辺で。皆さんがどんな記事を書くのか、楽しみですね。それでは。

(りんご)