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mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/08】(前編)勇者と魔王

ホリィ・センです。自分語りが大好きです。
漫トロピーに初めて来たときに「自己紹介得意です」って言ったんですけど、多分、自分語りが好きなだけです



―――――

22歳のクリスマスにもなって、僕は過去に拘泥したくはない。
これらの物語は僕の、主に中学時代(中二病)を中心とした話である。(全三編

兄と僕と漫画

僕には兄が二人いて、三人兄弟の末っ子だ。なかでも七歳年上の長男に影響を受けて育ってきた。
小学校二年生のときに筆算をやっていた僕は、例えば37×66のような計算をする際に37×6=222の計算をわざわざ二回していた。しかし、兄は教えてくれた。
「一回やった計算はもう一回せんでええんや。同じ数字書けばええ。――人間はいかにひねくれてるかが大事なんや。人間の発明はみんなそうやけど、いかにラクするかを考えて作られてる。洗濯機とかな」

僕は感動した。それ以来、僕は兄を尊敬して、兄についていこうと思った。中学(中二病)の頃には、もし僕が死んだら全ての遺産相続を兄にしてもらおうという空想をしていたほどだ。(中二病

だから、大学に入学して漫トロピーに入るまでの僕の漫画に対する態度は、かなりの割合で兄の影響によるものだ。未だにやぶうち優が自分の中でトップを走り続けるのもそういうことだったりする。

兄の本棚に漫画は二千冊以上はあると思う。しかし、実のところ僕は半分も読んでいないと思う。僕は、なかなか新しい漫画に手を出せず、気に入った同じ漫画を何度も何度も読み返していたのだ。
しかし、大学に入学し、漫トロピーに入ってからというもの、僕は「読み返し」をほとんどしなくなった。一度読んだ漫画をもう一度読むのは面倒くさい。知っている漫画を読んだところで楽しみは半減だ。
例えば、小学生の頃から読み始め、高校生になっても何度も読み返していた福本伸行作品などは、未だにどういう流れで、どういうセリフがあったかとかをそらで言えると思う。
しかし、今はそんなことはない。一度読んだ漫画をレビューしようものなら、おぼろげな記憶を手繰り寄せながら「こういうところが良かった、こういうところが良くなかった」と、一言だ。

前置きが長くなった。僕の人格形成は、僕が物心ついたときから、僕に中学時代にまともにオタク友達ができていくまでは、僕はずっとずっと兄の影響下に生きてきた。
さて、三つの話の一つ目の話をしよう。

+++++

ホリィ・セン少年は、RPGが好きだった。

幼稚園、小学生という時代からテレビゲームに触れていたものだが、兄と従兄弟が「ドラゴンクエストⅤ」をプレイしていたのが原光景としてある。
家にある様々な、兄と従兄弟由来のゲームをプレイしたものだが、ジャンルとして気に入ったのはRPGだったように思う。

象徴的なエピソードとして、小学校三年生の頃の僕は、ドラクエⅠをファミリーコンピュータ実機でプレイしていた。勇者は前しか向いていないのでコマンドをする度に方角を決定しなきゃいけなかったり、とびらを開けるには「とびら」というコマンドが必要だったり、戦いは常に一対一だったりと、なかなかなゲームだった。
そして何より、ふっかつのじゅもんで僕は苦しんだものだ。セーブするためにラダドームの王様に話しかけると復活の呪文を教えてくれる。僕は毎回毎回それを紙に書き留めていた。ただひたすらに家でドラクエをしていた。小学校の総合学習かなんかで使って余った紙をもらって持ち帰っては、裏にふっかつのじゅもんを書いた。二回ぐらい書き損じていたのか、記録が再生されないことがあって、そのときは絶望したものだった。

一番最初に竜王に辿り着いたときは全然勝てなかった。攻撃が全然通らないし、(最強装備のロトのつるぎをもってしても、ひどいときは8とかしかダメージを与えられないということも。)MPは竜王城で尽きてたし、という。
その他にも竜王に辿り着けずに、ダースドラゴン(ラリホーを使ってくる。勇者が全然起きない。)にやられたり、世界の半分をもらってふっかつのじゅもんを入れたら持ち物等そのままでレベル1になってたりといろいろあったものだ。
(なお、ダースドラゴンはこんな感じ→http://blog.square-enix.com/dqmb2/2009/03/09/ 普通のドラゴンの色違いなんだけど、カッコイイ。)

あの頃はドムドーラで最強呪文のベギラマを使いまくって手軽にレベル上げをしてたり、ゴールドマン(最大200ゴールドくれる)を倒しまくって金を稼いだりという単調作業を繰り返したものだ。
最終的に最強装備(ロトのつるぎみかがみのたて(14800Gもする。ゴールドマンを80回ぐらい倒さないと買えない。ふざけんな)、ロトのよろい)を揃え、
やくそうも最大個数の6個持ち、
何故か近所の友人が持ってたドラクエⅠ攻略本で竜王城の構造を見ながら、(レミーラを使わず、たいまつを使うことでMPを節約した。レミーラは範囲が広くてダンジョンの視界が広がるのだが、そこまで持続しない。たいまつは1マスしか明かりが灯らないが、ずっと持続する)
勇者レベル21(名前はドラクエⅡの裏技パスワードに習い、もょもとにしてた気がする)でMPを十分に残したまま竜王に対峙した。

竜王の火力は正直いってハンパなくて、2回攻撃くらったらもう死にそうになる。即べホイミである。攻撃→攻撃→べホイミ→攻撃→攻撃→べホイミのようなルーティーンを繰り返すゲームだった。
そうして、僕は竜王を倒した。あの頃は本当に感動した。
任天堂64ばっかりやってる学校のみんなはドラクエⅠなんて知らないのに、僕は「ドラクエⅠを実機でクリアしたんだ!レベル21で!」と言って喜んでいたものだ。(ちょうどその頃、ゲームボーイのリメイクでドラクエⅠ・Ⅱが出てたので地味にやってる奴もいたが。しかし、ファミコン版と比べると手に入る経験値や金も高くて、処理も早いので、クソヌルゲーだった)

ドラクエⅠだけでどんだけ語ってんだって話ですが、

僕はとにかくRPGが好きだったんです。ドラクエに関して言えばⅡはちゃんとやってませんが、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵなんかもかなりしっかり、(それこそ百時間単位で)プレイしました。

ファイナルファンタジーもⅣ(ただし、家にあったのはイージータイプ)とⅤとⅥ、あと結構時間をおいてですがⅨをかなりプレイしました。兄はⅧをすごくやってました。(アルティマニアが家にあった)、なぜかFFは最終ダンジョンまで行ってもラスボスを倒す気が起きなくなるゲームなんでⅥとⅨでまともにラスボスを倒した記憶はありませんが、隠し要素とかをいっぱい楽しんでました。

クロノ・トリガーなんかもハマった。あとファミコンで言えば「ウルティマ~恐怖のエクソダス~」とかいうクソゲーをなぜかすごく真面目にやってました(結局クリアはしてないけど)。ウルティマは次男と一緒になってやってたなぁ。

ウルティマ(恐怖のエクソダス)

ウルティマ(恐怖のエクソダス)

空想世界に没入していた僕には小学校時代、まともな友達が学校にいなかったものです。情緒も不安定でした。そんな中、次男にはよくごっこ遊び的な空想を話していたものです。マリオだとかなんたらの作品がごちゃ混ぜになった世界観を自分で作り上げ、それらのキャラクター達が自分の思うように動く世界観。そしてそこに混じる幼児的なオリジナリティ。
小学校には自分達のオリジナルキャラを作ってじゆうちょうでごっこ遊び(今思えば、TRPGの原型だ)をする輩もいましたが、それに交じるわけでもなく。友達がいなかった。
高校生になったぐらいに思い返したそれらは、邪気眼と呼ぶにふさわしかったかもしれません。

中学生になってもRPGの火は消えない

そして僕は次のステージに進んだ。長男や次男がネット上のRPGツクールで作られたゲームをプレイし始めたのだ。
今は昔、インターネットコンテストパークという、エンターブレインファミ通がやっていたRPGツクール作品のコンテストがあったものだ。
そこでは賞金がもらえたりするわけで、受賞作をいくつかプレイしたものだ。

受賞作品は今は50音順という形で残っている→http://www.enterbrain.co.jp/digifami/conpark/zyusyou/
今にして思えば、プレイした作品はほんの少しだ。僕は漫画を読むときと同様、ゲームも一つの作品を何度も何度もやるタイプだったから。
思い出深い作品はいくつもあるが、自分が最も感銘を受けたRPG中のRPGだと言える作品を紹介しておこう。
それが、「ルインハンターライチ」だ。
http://www.enterbrain.co.jp/digifami/conpark/zyusyou/2002_03.html

実直なんですよね。ホント。
ボーイ・ミーツ・ガールならぬガール・ミーツ・ボーイですか。そして、凝られたRPGのシステム。
敵と戦うときにランダムエンカウントではなくシンボルエンカウントである(要するにクロノ・トリガーみたいに敵がマップをうろついてる)というところも大いに活かされてました。
キャラクターも可愛くて、話も心に染みる。

そして、この人の次回作「扉の伝説~風のつばさ~」なんかはそのストーリーやらシステムやらを突き詰めたRPGの一つの究極と言ってもいい出来でした。あまりにもシステムが多くて煩瑣なのがアレなんだけど、それも含めて美徳なんですよねRPGって。
(作者であるサークルDoor、伝次郎Jrさんのホームページ→http://www.geocities.co.jp/Bookend/4860/

僕は結局、風のつばさをクリアすることはできなかった(めんどくさくなった)んですが、あの頃の感動は嘘ではなかったと思います。RPGツクール2000の製品版をアマゾンで買って、自分でもRPGを作ろうと思ったこと。将来の夢の一つとして、RPGを作り上げよう!と思ったのは良い思い出です。(これは老後の楽しみにとっておくかな?)

あ、そういえば、ストーリーとか描かずにダンジョン探索に特化した硬派なRPGで言えば、「Nepheshel」(ネフェシエル)なんかがありますね。僕はあんま好きじゃないですが、硬派なRPG好きにはオススメかと。描写はしないんだけど、何かしら想像を掻き立てる設定が散りばめられてたり→http://til.sakura.ne.jp/main.html
僕はプレイしたことないんですけど、「イストワール」というRPGも一部では有名で、ネフェシエルを参考にしたとのこと。なんとなく想像はつく→http://www.sk.aitai.ne.jp/~kakesu/histoire_support/

結局、RPGはどうなったのか?

いやね、人間の興味って移り変わりますよ。中学時代の情熱はなんだったのか。
僕が幻想を投影してきたRPGという神は一つの大きな終焉を迎えてしまいました。
未だにTPRGとかそれなりに興味あるんだけど、どうも尻込みしてしまうソレ。
しかし、僕が未だにRPG的なものにアコガレがあるのは本当だったりします。

そこで、僕が読んで感動したRPG的要素を持った作品を紹介しましょう。

ガムコミックス。TRPG界では有名な人なんですよねこの人。
言ったらこれ、メタファンタジーですよ。「RPGのお約束」があってこその作品。
この作品の続編である「ダーク・ローダーズ―魔王のおしごと」もまた更にメタ的な方向性で。そういうお約束が好きな人にはたまんないと思います。

ダークローダーズ(1)~魔王のおしごと~

ダークローダーズ(1)~魔王のおしごと~


次に、紹介するのはコレ。

ゲーマーズヘブン! 4 (BLADE COMICS)

ゲーマーズヘブン! 4 (BLADE COMICS)

ブレイドコミックス。どっかの雑誌見たら村上真紀さん、未だに仕事はしてるみたいで安心した。
これぞゲームプレイヤーの視点という漫画だ。
未完結作品なんだけど、ロリショタホモレズ作品としても見れる。

んで最後にコレ。

七人の武器屋1/7 (角川コミックス ドラゴンJr. 118-1)

七人の武器屋1/7 (角川コミックス ドラゴンJr. 118-1)

イラストレーターで漫画家の今野隼史さんに僕が出会ったのは、RPGツクールなんですよね。
「今の風を感じて」というゲームが先ほどのインターネットコンテストパークでは歴代総合1位なんですけど、それを作っていたアルファナッツで主にイラストを描いていたのが辺境紳士さん、またの名を今野隼史さんなわけです。

今野隼史さんも商業で漫画を描く時代になったわけですが、ある種の原点としてのこのRPGの色は残ってるのかなぁ、って思います。絶体絶命英雄とか、他の作品もオススメですね。


『七人の武器屋』に関してはぜひ原作の小説を読んでほしいですが、まさにこれもまたRPGなんですよ。ああ、たまらない。


なんかamazonのリンク貼りすぎですけど、単体でとにかくオススメできるのは『マンションズ&ドラゴンズ』ですね。TRPG好きにもそうでない方にもオススメ。

しかし僕は

22歳のクリスマスにもなって、過去に拘泥したくは、ない。

(実は昨日22歳になった)ホリィ・セン
(中編に続く)