【12/14】まぁ逃げても年は明けるんですけどね。
こんにちは。
平日の昼間に服や化粧品を見に行くと高確率で店員さんに「今日はお仕事お休みなんですか〜?」と社会人扱いされてしまうぴぴぽんです。
や…大…学生…です…と小声で答えるとめちゃめちゃ驚かれる。
大人っぽいとよく言われるのですが、素直に喜んでいいものか。女子大生感ないからなぁ。うぇ〜い。
あくまで大人っ”ぽい”だけの中身はただの糞オタクなので日頃パーティーとは無縁の生活を送っているのですが、そんな私も20歳。
来年の1月に地元で行われる成人式と中学の同窓会に出席します。
この同窓会が立食ビュッフェ形式の「パーティー」なのです。
で、私はその同窓会の幹事で(絶対やりたくなかったんだけど諸々あってやることになってしまった)これが色々大変。
同じクラスだった子達の連絡先集めてグループ作って会費の振り込みを促したり先生達に招待状を送ったり幹事で集まって打ち合わせしたり……。あと当日の司会進行もやるんですよ。
まだまだ準備することも沢山あり、日に日に気が重くなっています。
実家にめちゃめちゃめちゃめちゃ帰りたいけど地元には帰りたくない。
年明けて欲しくない。まじで。
そこで現実逃避をしようと思い、私の大好物お洒落漫画を買いました。
11月に発売されたばかりの『Veil 1 オレンジの体温』と『Veil 2 凪いだノワール』
もう表紙がお洒落。勿論中身もめちゃめちゃめちゃめちゃお洒落。お洒落しかない。
サイズ大きめのフルカラーなので1冊1870円となかなかお高めですが買って良かった。
来年のランキング入れるよ。
登場人物は警察官のアレクサンダーと杖(白杖の役割をしている)をついて歩くお屋敷の箱入り娘エマ。
他にも何人か出てきますがこの2人だけのお話が多いです。それがまた良い。
登場人物が少ない話大好き。人がわんさか出てくる話が嫌いなわけではないんですけどね。
この作品の魅力は様々なデザインの良さだと思います。
キャラクター自体も魅力的だし、構図とレイアウト、華やかで鮮やかな色味がとにかくお洒落。
GUCCIやCHANELなどのハイブランドを思わせるようなデザインもたくさん出てきて、デパートをうろちょろするのが大好きな私はときめきまくった。
あとこの2人、お互いを名前じゃなくて二人称で呼び合うんです。
アレクサンダーがエマを「あなた」と呼び、エマがアレクサンダーを「君」と呼ぶ。
…………あの、会話で相手を「あなた」って呼ぶ男性良すぎだと思いませんか??????最近このタイプの男性と会話したんですが心がざわついてしまった。ピャーーーーーーーーーー
それから、アレクサンダーは23歳でエマは21歳(どちらも大人っぽいのでこの年齢に見えないんだけども)。歳上であるアレクサンダーを君と呼ぶエマ……。
経験豊富な女性が歳下の男性のことを君と呼ぶ描写を見るとオロロロロロロロロロロとなってしまうんですが、これは良い…可愛い…。
……とまぁこんな感じの私の大好きな要素が詰まった作品なので強くおすすめします。
読むとお洒落なものが欲しくなってしまう作品です。
是非読んでみてくださいね。
ちなみに私はデパートで豪遊したくなりました。
あとこの作品、同人誌版もあってこちらも素敵です。
作者さんのTwitterも超おしゃんなので是非。
@_K0TTERl_
語彙力のなさすぎる文章を失礼致しました。
では。
【12/13】伊藤いづも先生へ愛を叫ぶ。
みかんばこです。今月行われる日本最大規模のパーティーって何か知ってますか?
そう、コミックマーケットです。京大漫トロピーは今年もコミケに出展します。
あなたのサークル「京大漫トロピー」は、コミックマーケット97で「月曜日南地区 "ム " 41a」に配置されました!コミケWebカタログにてスペース配置場所公開中です! https://t.co/7sT2ZvuPE8 #C97WebCatalog
— 京大漫トロピー (@mantropy) 2019年11月1日
漫トロピーは今年のNFで売った、「今年最も勢いのあった漫画50選ランキング」が掲載されている秋会誌を売ります。
今年は割と「このマンガがすごい!」に寄ったランキングが出来上がってしまったので、興味のある方は購入いただいて見比べていただければと。
さて、コミケといえば同人誌です。伊藤いづも先生*1の同人誌の話するか。
*1:『まちカドまぞく』の作者。
「タバコの煙は主流煙より副流煙の方が有害物質が多く含まれています。」
はじめましてとっきーです。今年のお題は「パーティー」ということで何人かお酒について書いていましたが、そこから少しひねって私はタバコについての話をしたいと思います。
タイトルにもなっている上記のセリフは、岡村天斎が原作・監督・脚本を手がけたアニメ『DARKER THAN BLACK−黒の契約者−』*1に登場するMI6のエージェント・ノーベンバー11のもので、この後に「発癌性の高いジメチルニトロサミンは主流煙が5.3から43ナノグラムであるのに対して副流煙では680から823ナノグラム。キノリンの副流煙にいたっては主流煙の11倍、およそ1万8千ナノグラム含まれている。つまり、実際は吸う人間よりも周りの人間の方が害は大きいのです。」と長ったらしいうんちくが続きます。アニメ史上でも他に類をみない嫌煙家であるノーベンバー11ですが彼は喫煙者でもあります。彼は「契約者」という超能力者なんですが、能力を行使した際に支払わなければならない「対価」*2が喫煙なのです。ノーベンバー11のタバコが嫌いな喫煙者という矛盾したキャラクターには、岡村天斎のタバコに対する複雑な思いが現れているのかもしれません。岡村天斎は他にも嫌煙描写としてタバコの誤飲で赤子を亡くした「契約者」を登場させたり、更にアニメ『世界征服〜謀略のズヴィズダー』では自身が脚本をした第3話で筒井康隆の『最後の喫煙者』*3のパロディをしたりしています。一方でハードボイルドな文脈でくたびれたりダーティーなキャラクターがタバコを吸うシーンなど、喫煙に肯定的な描写もあったりします。肯定と否定が入り混じったこのタバコ描写は、両論併記する事でコンプライアンスに対してバランスを保っているということなのかもしれないし、もうビジュアル的にカッコいいという理由だけでキャラクターにタバコを吸わせることは出来ないということなのかもしれないし、健康被害を認識しながらタバコをやめられない自身への皮肉なのかもしれません。
ただタバコに対する風当たりは最近ますます強くなっていて、卑近では改正健康増進法の影響で7月から殆どの大学が禁煙になってしまい、京大の吉田キャンパスでも喫煙所の大半が撤去されてしまいました。酒などに比べてタバコが特に嫌われる理由はその依存性や健康被害よりも、やはり受動喫煙により「吸う人間よりも周りの人間の方が害は大きい」からではないでしょうか。実際にフィクションでも受動喫煙は強く意識されていて、例えば『とある魔術の禁書目録』では職員室で小萌先生が喫煙しているシーンで、学園都市では高性能な携帯式小型空気清浄機が普及しているので受動喫煙は無いと地の文がフォローしていたりします。また人前で喫煙する=周りの人を配慮しない悪人のアイコン、逆に禁煙・分煙する=周りの人(特に子供)を配慮する善人のアイコンという喫煙描写の使い方もされています。
翻ってわたし個人の話をすると、昔喘息だったのでタバコの煙は今でも苦手です。小学生の時に『DARKER THAN BLACK』を見てからは、ノーベンバー11に触発されて「喫煙者は全員滅んでしまえ」と思っていた時期もありました。ただ時間が経ってフィクションで他にもいろいろな喫煙シーンに触れて、さらに大学で何人か喫煙者の知り合いができたりしてタバコと喫煙者に対する態度は変わりました。やっぱり喫煙ってビジュアル的にカッコイイんですよね、2次元とか3次元関係なくそう思えてしまう。我ながら捻くれているように思えるが、健康被害を認識していてもタバコのビジュアル面にどこか惹かれてしまうのは、全部岡村天斎とノーベンバー11のせいかもしれない。
最後に締めとして個人的に喫煙シーンが一番印象に残った漫画として相田裕の『GUNSLINGER GIRL』を紹介します。あらすじはイタリアを舞台にテロ組織と闘う為に身体を改造された少女とその担当官が奮闘するというもので、厳しい現実の中で少女と担当官が心を通わせあって小さな希望を見つけていくというお話です。作中ではいくつか喫煙シーンが描かれているのですが、ある理由で禁煙した登場人物が物語の終盤で再び喫煙したシーンが今でも強く印象に残っています。
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*1:未知の領域「地獄門」(ヘルズ・ゲート)の出現と同時に「契約者」という超能力者が現れた東京を舞台に、契約者である主人公・黒(ヘイ)が「組織」のエージェントとして警察や各国の諜報機関と戦うというストーリー。特徴的な台詞回しや作中用語も相まって、個人的には厨二能力バトルアニメの金字塔だと思う。
*2:「対価」は飲酒やキスをすることだったり、折り紙を折るといった容易なものから、タバコを飲み込んだ後嘔吐する、指の骨を折る、年をとるなどの重いものまで様々。「対価」は能力バトルに彩りを与えたりする一方で結構ガバガバだったりもする。
*3:喫煙者が弾圧された世界で最後の喫煙者になってしまった小説家の男がそれまでの経緯を振り返るというあらすじの短編小説。筒井康隆自身も愛煙家であり近年の所謂嫌煙ファシズムに対しては否定的である。
【12/11】ぱ・あ・てぃ・い・し・た・い
【12/10】んじゃ、またね。
こんばんは。10年代の終わりに10番目のアドカを担当することに相成りました、沈黙です。まぁぶっちゃけ、10年代とか別にどうでもいいんですけどね。ここから先の余白にも、できれば何も書きつけたくないしこのまま三点リーダを際限なく打ちつらねて文字通り沈黙を貫き通したいところですが……おっと、こんなところに思わぬ導入の足掛かりが――「10」と言えば、皆さんご存知の通り、原作:綾辻行人・漫画:清原紘の漫画版『十角館の殺人』がついに出ましたね。出てしまった。でもこれも割とどうでもいい。……だいたい、『じゅっかくかん』ってのはどういうことだぁ~~~~っ!? 『十』の音読みは『ジュウ』か『ジッ』のはずだし、この場合は『じっかくかん』じゃあねぇのかよォ~~~~ッッ!?????? 原作読んでた時は奥付で確認するたびにムカついてたけど、今回は表紙から『じゅっかく』ってこれみよがしに書いてあるし……舐めやがってこのタイトル、超イラつくぜェ~~~~~~ッ!!
……まぁでも正直、あの実質的に映像化不可能な原作がどうミステリ漫画として昇華されるのか気になるところではあるし、縦しんば不可能であるとすればただの「漫画版」ということにはならないと思うんですよね……文字通りただならぬコミカライズになりそう。そういう意味ではめちゃくちゃ期待してます。
アッ、清原紘さんと言えば、氏が原作のイラストを担当していた『虚構推理』が来年の1月からアニメ化されますね。『屍人荘の殺人』も映画化するし『さよなら神様』も突然漫画化されるしで、最近本格ミステリのメディアミックスが熱い。本当になんなんだいったい。
とまぁ、御託という名の宣伝はここまでにして……、今年は「パーティー」がテーマということで、とりあえず、パーティーに関する漫画?を挙げていきたいんですけど……、鬼窪浩久『パーティーがはじまる』?――エロ漫画だし。しかもタイトルが内容に全く関係ないタイプのアレですね。あっ、エロ漫画関連だと、あほすたさんによる最高に面白くて時々ためになるコミックエッセイ、『マショウのあほすたさん』に乱交パーティーの話があったような……え、「輪姦パーティー」? 同じようなもんでしょ。乱パと言えば、yoha『さよなら恋人、またきて友だち ~ロスト・チャイルド~』にそんなようなシーンがありましたね。あれはすごかった。あの巻自体の展開も凄まじかったし、やっぱりオメガバースは業も懐も深いなァ、と。そういう意味では僕はあまり好きじゃないんですが(yoha先生の漫画自体はキレッキレなので新刊の『青い春を売る教室』を読んでほしい。限界集落で春をひさぐ生徒たちによる、仄暗い叙述がぬらぬら光って、あなたの心を撫で切ります)。
ここまで挙げても、なんだか自ずから語りたくなる漫画が一向に出てこない……「あほすたさん」も「さよなら恋人」も面白いけど本質的にはパーティー関係ないし……。
ここで冒頭に戻って、「パーティー」を「輩」とか「集団」的な意味で解釈してみると、大学のミステリ研という「パーティー」が誂えたように立ち現れますね。でもこれも駄目、読んでないから(この記事の冒頭に引くために筆者は部屋に散在する積読の山から『十角館の殺人』を探していたのだがなかなか見つからず、見つけた時には読む気が失せていた。残念)。何か「十角館」から別の「パーティー」に繋がる手掛かりがあれば(筆者が)気持ちいいんですが……10年代の終わり……十角館……清原紘……、清原――そうかっ、清原なつの。
という訳で、いい加減冗漫な前置きにうんざりしているそこのあなた、大変長らくお待たせしました。今回紹介するのは清原なつの「スキヤキ・ジゴロ」です。
あらすじとしては、やり手実業家のシングルマザーと登校拒否児の娘のもとに、高級肉のスキヤキにつられた新人美容師の青年が一夜のパーティーに招待されてやってくる、と、こういった次第なんですね。よく分からない話ですね。まぁ、そこはそれ、このお話は短編なので、あまり語りすぎると語り尽されてしまうんですが、やはりそれでも語り切れぬ妙味といったものがあるような気がします。
僕はこの作品を上にも貼った『光の回廊』で読んだんですが、たぶん、この本が清原なつの作品との初邂逅だったと思います。同文庫本には奈良時代を舞台に光明皇后を主人公に据えた表題作や、たこ焼きを求めて学園を脱出する少年の憧れと恋の物語・「3丁目のサテンドール」など、シリアスだったりシュールだったり随筆風だったりと色んな作風の短編が入っているので、最初にこの本に出逢えて本当によかったなと。清原なつのという人の漫画は、台詞の間とか台詞やモノローグそのもののセンスみたいなものがずば抜けていて、軽妙ながらクリティカルな物語を吐き出している、といった印象があります。それはときにニヒルでもあり、過ぎ去ったものへの感傷でもある、というような……。
「スキヤキ・ジゴロ」に話を戻すと、実はこれ、いなくなったお父さんの帰りを待ちながら、毎年違う男の子を連れ込んで、スキヤキ・パーティーをしている、という母娘の話なんですね。それが当の少女によって明かされるまでは私たち読者は作中の青年と同じくどういう物語なのか分からない状態に宙ぶらりんになっている。実際彼も『注文の多い料理店』のようなことになるのではないかと最初は恐れていた訳です。そのようなふわふわした物語の中で、一人達観したように物語を見下ろしているのが冒頭で『純愛 浩三と力』(何をもじっているかは言わずもがな)を読んだりしている小学5年生の娘です。
彼女は再三にわたって「母」が「根が陰気で不幸な人」であることを強調し、その「ほほえみー恋ー結婚」という短絡思考によって自身が生まれたとまで言い切ります。少女のその強調は恐らく自分に対する言葉でもあり、だからこそ性的なニュアンスの一歩手前にあるような微妙な空間を形作るそのスキヤキ・パーティーという名のゲームを許容するのでしょう。他ならぬ自身の誕生日に。それは感傷であり、慰労であり、ある種の自省なのだと思います。青年に微笑みかけようとして、自分が上手く笑えなかったことに悲しんで腐ってしまうくらいには。
母親がヒボタンバクトを歌い上げるなか、少女から諸々の事情が青年に向けて明かされます。青年は同情しながらも、父親も来年はきっと帰ってくる、と再婚を促して、その場から立ち去ります。それと入れ替わるようにして現れる、数年越しの極め台詞を熟考している父親の姿。母娘は揃って眠りに就いて。ハッピーエンドは、宴の後に、夢の中で。どうもそういうことらしいです。この文章を書いている自分でも何を書いているのかよく分かっていませんが、彼らの人を恋い焦がれるときの「むねがきゅーん」ってなる痛みは、その夜限りのものになったってことじゃないのかなぁ。うーん、マンダム。
あっ、去年出た作者のベスト短編集『桜の森の満開の下』を途中まで読んだあと恐らく一年以上積んでいたということに、今、気づきました……ので、今年が終わるまでには読み終えようと思います。申し訳ねぇ、申し訳ねぇ。
じゃあ、またね。
【12/9】We’re Half Way There
Guillome「どうも〜、Guillomeです。今回、ブログで自分語りをしていいと言われたんですが、ちょっとひとりで延々話すんもアレかなと思ったんでスペシャルゲストをお呼びしております。ジェミニです、どうぞ。」
ジェミニ「どうも〜、ジェミニです。Guillomeの話し相手として生み出された架空の人物ですが、よろしくお願いします。」
Guillome「Guillomeとジェミニのふたりでやっていこうと思いますんで、よろしくお願いしますね〜。」
ジェミニ「あかん、コンビ名がないわ。」
Guillome「そんなもん要らんやろ。」
ジェミニ「せっかくなんやからコンビ名がないと気分上がらんで…」
Guillome「ほな、コンビ名は『Guillome』でよろしおますわ。」
ジェミニ「俺が消えてもうてるやん。」
Guillome「ええねん、元々ひとりなんやから。『Bon Jovi』と一緒や。」
ジェミニ「『Bon Jovi』?あのアメリカのロックバンド?何が一緒なんよ。」
Guillome「あのバンド、ヴォーカルがJon Bon Joviって人で、バンド名も『Bon Jovi』やろ?地味なメンバーは忘れられてまうねん。大体、バンドのMVとか見てたらメンバー何人もおんのにほとんどヴォーカル以外映ってへんのとかあるやん。それと一緒や。」
ジェミニ「なるほどな、ほな『Guillome』でええか。」
Guillome「というわけで、Guillomeです。」
Guillome・ジェミニ「「ふたり合わせて『Guillome』で〜す!」」
ジェミニ「いや〜、決まったね〜。アドベントカレンダー、今年のテーマは『パーティー』ですか…あれ?『パーティ』やったっけ?」
Guillome「いや、最後伸ばす伸ばさんはどうでもええけどやな。」
ジェミニ「あ!『パーリィー』やったかもしれん。」
画像はThomas Partey。
Guillome「それは絶対ちゃうわ。それにあんた、今年のテーマって言うけど、ワシら去年を知らんやないの。」
ジェミニ「知ってる体で喋るもんよ、それは。ラグビーとかでもそうやん。生まれた国は違っても日本代表を選んだら、もう日本の仲間やん。」
Guillome「きゃあ♡お誂え向きのいいこと言うじゃないのあんた。」
ジェミニ「俺、人間ができてんねん。」
Guillome「嘘つけ。本題に入るけど、ジェミニ。あんた『パーティー』とか行ったことあんのかいな?」
ジェミニ「あの〜、俺結構パーティが好きでね、よく行ってんのよ。」
Guillome「あら?意外、ええやないの。最近やといつ行かはったん?」
ジェミニ「今年のこどもの日なんやけど…」
Guillome「端午の節句やね。」
ジェミニ「そやねん、俺その端午の節句の日にね、舞踏会、所謂ダンスパーティーに行ってきたんよ。」
Guillome「ほえ〜、今時そんなもんあんねや。それどこでやってたん?」
ジェミニ「丹後ってとこ。」
Guillome「京都の北の方の、天橋立とかあるとこ?」
ジェミニ「そうそう。」
Guillome「ほな丹後の節句やなあ。」
Guillome「意味はええねん。それで、お前みたいなもんがなんで舞踏会行こ思たん?」
ジェミニ「いや、ダンス後の食事会で良い酒飲めるかな思て。」
Guillome「何しに行っとんねん。結婚式やあらへんのやで。」
ジェミニ「お前、親戚の結婚式にそんな目的で行ってんの?」
Guillome「皆そうやろ。」
ジェミニ「ほんで、いざ行ってみたら一緒に踊った人がめちゃくちゃタイプやったんよ。」
Guillome「おい、激アツやんけ〜♪あんた、どんなタイプが好きやったっけ?」
Guillome「それはポケモンやな。今、異性の好みの話をしてんねん。」
ジェミニ「同性かもしれんやん。」
Guillome「やとしたらワシの配慮が足らんかった。すまん。」
ジェミニ「まあ、とにかく。めっちゃ好みやったからテンション上がってしまって…上手くはないんやけど、その人のために俳句を詠んでしまってん。」
Guillome「はあ?あんたもう令和やで?何百年も前のアプローチしとんがな。どんな俳句詠んだんや?悪いけど、ここで言うてみて。」
Guillome「タンゴの拙句やないか!あんた下手すぎるやろ。ほんで舞踏会って、種目はタンゴやったんかい。ワルツやと思てたわ。」
ジェミニ「タンゴもあるやろ。」
Guillome「そんな酷い句贈られて、相手困らはったやろ。」
ジェミニ「いや、それがさ〜。その人にばかうけ。ゲラゲラ笑ってくれたんよ。」
Guillome「何味のばかうけ?」
Guillome「一番美味いやつやんけ〜♡信州限定の〜。ワシ、スキー行ったらお土産で絶対買うんや。」
ジェミニ「そうなん?俺はコーンポタージュ味の方が好きやわ。ってどうでもええわ。ほんでその話の続きなんやけど…」
Guillome「お?どうなったんや。はよ教えてくれや。」
ジェミニ「結局、お持ち帰りできて、その後ホテルd…」
Guillome「丹後のSEXやないか、それあんた。巡り巡って、ただの丹後のSEXや!」
ジェミニ「それどういう意味なん?」
Guillome「だから、意味はええねんて。ていうか、そんな下世話な話が聞きたいんちゃうねん。テーマは『パーティー』なんやから、ダンスパーティーの中身について教えてちょうだいよ。」
ジェミニ「ほんまやな。忘れてたわ。」
Guillome「しゃーないな、アドベントカレンダーのテーマと食後の薬、忘れんのよ。」
ジェミニ「話始めるよ?パーティー当日の夕方、指定された通り、天橋立の近くにある会場に足を運んだのよ。」
Guillome「ほい。ちゃんと、ドレスコード守った?」
ジェミニ「当たり前やろ。一全裸で行ったよ。」
Guillome「一張羅やろ!一全裸ってなんや、掛かってもないわ。」
ジェミニ「そしたらさ、会場が思ってたのと全然ちゃうねん。」
Guillome「なんや?」
ジェミニ「見渡す限り、一面の葡萄畑が広がっててん。」
Guillome「思ってたんとちゃうね〜。ダンス中に葡萄なんか食わへんのに。」
ジェミニ「ほんで、そこで大人と、それに連れられた不労所得生活者がワイワイ騒いでてさ。」
Guillome「不労所得生活者?なにそれ?」
ジェミニ「あ、ごめん、間違えたわ。子どもや。子どもが騒いでてん。」
Guillome「おいおまえ、やめろ。言葉が悪いで。確かに子どもは働いてへんけど、アレ不労所得って言わんねん。ていうか、それホンマに舞踏会か?」
ジェミニ「ホンマに舞踏会よ。」
Guillome「会場にステンドグラスあった?」
ジェミニ「あったよ。」
Guillome「髪の毛ガチガチに固めた燕尾服の兄ちゃんおった?」
ジェミニ「おったよ。」
Guillome「ほなダンスパーティーやなあ。」
ジェミニ「ほんでな、このまま外におってもしゃあないから、そこにおった正装の紳士淑女に着いてって西洋風の建物の中に入ったんよ。」
Guillome「ええやない、雰囲気出てきたやないの。」
ジェミニ「そしたら、エントランスにでっかい樽とか瓶がわんさか並べられてんねん。」
Guillome「あれ?あんたのお目当の品やない。ダンス後のお食事会用かな?」
ジェミニ「で、スタッフらしき人が『時間無制限食べ放題2千円です〜。試飲もできます〜。』って話しかけきたから…」
Guillome「おい。」
ジェミニ「ダンスパーティーの招待状を見せたんやけど、ポカーンってされて…」
Guillome「おいおいおい、待てジェミニ。それ、たぶん舞踏会ちゃうで。」
ジェミニ「え?ちゃうの?」
Guillome「おう、たぶんそれ葡萄狩りや。ほんで、そこはワイナリーや。お前はワイナリーに葡萄狩りをしにいってもうたんや。」
ジェミニ「えぇ!?ワイナリーで葡萄狩り?いままでずっと舞踏会と勘違いしてたわ。」
Guillome「あんたアホやね〜。てか、普通ワイナリーでは葡萄狩りは催されへんやろ。あれ食う用の葡萄ちゃうねん。経営者、狂ってんのか?」
ジェミニ「あ〜、そうやったんか〜。いや、でもね〜、そのあと確かにダンスは踊ったんよ。」
Guillome「あれ?なんや、ちゃんと踊ってんのかいな。ほな続き聞かせてちょうだいよ。」
ジェミニ「せっかくやから葡萄食べたあと、その舞踏会のチャンピオンが出てきて、舞踏会開会の挨拶をしてん。」
Guillome「チャンピオン?競技ダンスのパーティーやったん?」
ジェミニ「いや、社交ダンスやで。」
Guillome「ほな、チャンピオンおらんやろ。主催者の間違いちゃうん?」
ジェミニ「でも、周りからチャンピオンって呼ばれてんねん。」
Guillome「おかしいなあ。」
ジェミニ「挨拶が終わったら、予選が始まるってことで…」
Guillome「予選?」
ジェミニ「パンチングマシンが運ばれてきてん。」
Guillome「パンチングマシン?あんた、やっぱりイベント間違ってるんちゃうん?」
ジェミニ「いや、合ってんねんて。最後まで聞いてや。」
Guillome「読者もワシもそろそろ限界来てるけどなあ。」
ジェミニ「本戦に勝ち進んだら、皆ちゃんとカッコいいダンスを披露してくれてん。」
Guillome「やっとか〜、待ちくたびれてもうたわ。それがタンゴやったんやろ?」
ジェミニ「いやそれがな、ちゃうねん。」
Guillome「おい、話がちゃうやないか!おい。あんた嘘ついとったんか。どんなダンスやったん?」
ジェミニ「亀仙流とか天空×字拳とか…」
Guillome「武道会でした!タンゴの舞踏会やなくて、ドラゴンボールの天下一武道会でしたわ!」
ジェミニ「すいません、間違えてました。天下一武道会でした!」
Guillome「漫トロピー会員の皆さん、一般の読者の皆さん、ダンスパーティやのうて、天下一武道会でした!!!」
ジェミニ「は〜あ…」
Guillome「かなんやっちゃで〜。」
Guillome「おい、お前どういうつもりやねん。」
ジェミニ「いや、俺さっき言うたやんか。かくとうタイプが好きやって。」
Guillome「そんな伏線回収せんでええねん。それにこんなもん紹介され尽くされとるぞ。」
ジェミニ「別にええやないか。この漫画、最初はギャグっぽかったんやけど、すぐバトル要素がメインになってんな。インフレもしまくんねんけど、戦闘シーンの視線誘導や躍動感が半端じゃなくてめちゃくちゃわかりやすいから、速すぎて見えへんはずの高速バトルが目に浮かぶんよ。『気』のオーラとか髪色が変わる変身もロマンたっぷりで少年の心feat.集英社がくすぐられんねん。」
Guillome「過去の名作を紹介するにしては独自の視点がなさすぎるて…」
ジェミニ「主人公は誇り高き戦闘民族サイヤ人の王子ベジータ。」
Guillome「おい、ちゃうぞ。」
ジェミニ「侵略のために地球を訪れたベジータは、地球育ちのサイヤ人カカロットら地球の戦士たちによって返り討ちに合う。」
Guillome「嘘つくなて。あれ、カカロットが主人公やねん。ほんで地球育ちのサイヤ人って設定が出てくるまでかなり読まなあかんねん。」
ジェミニ「命からがら生還したベジータは永遠の命を求めてナメック星に向かった。そこで宇宙の帝王フリーザと対峙し、昨日まで敵だった地球の戦士たちと共闘することになる。後に妻となる『下品な女』ともここで出会ったんや。」
Guillome「地球の戦士って表現やめろ。よく聞くけどピンキリすぎんねん。」
ジェミニ「紆余曲折あって、ベジータはナメック星版神龍、ポルンガによって再び地球に。」
Guillome「あ!今ガチの主人公のめっちゃ良いとこ飛ばしてもうたよ?大丈夫?」
ジェミニ「そして、地球で家族ができる。結婚して子どもも授かるねん。残忍で冷酷な男も、地球人の醸し出す穏やかな雰囲気と家族愛によって話が進むにつれて徐々に変わっていった。」
Guillome「もうワシの話聞いてないね〜。」
ジェミニ「でも、彼には戦闘民族として忘れられないものがあってん。それはライバルであるカカロットと徹底的に闘いたいという想い。そのためにブウ編では、再び悪人に戻る決意をする。」
Guillome「いい加減に孫悟空って呼んだってくれ。」
ジェミニ「さあ、最強の敵、魔人ブウそっちのけで昔の自分に戻ったベジータはこの後一体どうなるのか。サイヤ人の王子としての誇りは?カカロットとの闘いの結末は?家族は?魔人ブウは?クライマックスは是非、原作コミックでお楽しみください!!!」
Guillome「言い切ってもうたな…読者の皆さん、すんません。ホンマは孫悟空が仲間や7つ集めるとどんな願いでも叶うドラゴンボールっちゅう石の力を借りながら地球の危機を救うって話です。こいつが言ったことは忘れてください。おい、あんた一体全体どういうつもりなんや?」
ジェミニ「独自の視点はあったやろ?」
Guillome「それを独自の視点とは言わん。読み方を間違えてんねん。」
ジェミニ「ところで、おまえは漫画紹介せんでええの?」
Guillome「ホンマや、忘れとったわ。」
ジェミニ「しゃーない、漫画の紹介と妹の友達の名前、忘れがちやねん。」
Guillome「ワシが紹介する漫画はこちらでっせ!」
Guillome「『H2』や。」
ジェミニ「おまえもそこそこ紹介され尽くされとる漫画を選んどるやないか。」
Guillome「DAZNでアニメが配信されててん、堪忍やで。」
Guillome「そやねん。あだち充先生史上最強のピッチャー国見比呂と最強のバッター橘英雄が最高の舞台甲子園で対峙する激アツ野球漫画や。恋愛要素では、親友でライバルのふたりに、比呂の幼馴染で初恋の相手、英雄の彼女でもある雨宮ひかりと比呂の野球部のマネージャー古賀春華のふたりを加えた四角関係が魅力。幼馴染関係から友情、恋敵としての感情、春華の夢、そして4人以外のキャラクターたちまで、様々な要素が複雑に絡まり合って人間ドラマになってんねや。」
ジェミニ「『H2』に限らずやけど、俺はあだち充先生の間の使い方や照れ隠しのようにそっぽを向いて言うキザな台詞が大好きやわ。」
Guillome「あんた、珍しく話が合うやないの〜♡」
ジェミニ「この作品では主人公がどっちのヒロインとくっつくのかラストまで全然わからず俺も悶々してしまったんやけど、飽きはせんねん。」
Guillome「諸君も是非、解釈が分かれてる最終話まで読んでおくんなはれ。」
ジェミニ「俺、結局ネットで解説を調べたりしちゃったわ。」
Guillome「野球漫画として普通におもろいってのも忘れたらあかんで。主人公だけやのうてチームメイトがめちゃくちゃ有能なんや。ワシはセカンドの柳が大好きなんやけど、あんたは誰が好きなん?」
ジェミニ「ん〜…チームメイトかあ…」
Guillome「どうした、好きなチームメイトおまへんの?」
ジェミニ「いや、チームメイトもええのはわかるんやけど、俺はやっぱり主人公の木根竜太郎が好きy…」
Guillome「あかん、こいつまた主人公間違えてる!もう帰ってくれ!( 'ー')ノバシッ」
ジェミニ「ぎゃあああ(退場)」
Guillome「はあ…はあ…やっと終わったンゴ…」
〜完〜
【12/8】未知の世界を覗きたい
こんばんは。はたはたです。
パーティー、というと僕の場合は誕生日に家族でやったり、クリスマスに家族でやったりと、食卓にケーキがあればパーティーみたいな感覚しかありません。大きいパーティに参加してみたいものです。合コンでも可ですよ!コンパってcompanyからきてて、和製英語だそうですね。英語ではpartyを使うんだとか。今、コンパをウィキで調べて知りました。
さて、漫画の紹介です。12/1にだちさんが酒に関する漫画を紹介していましたが、やはり大きなパーティーといえばアルコールなイメージがあるので僕からも一つビールに関する漫画を。
「ばっかつ!~麦酒喝采~」という漫画です。題名もうまいですね。ビール好きな女子大生たちによる日常系漫画です。当然キャラクターたちはかわいいです。それはさておき、僕の思うこの漫画の大きなの見どころは、ビールに関する知識の深さと、登場人物たちの飲み(?)レポです。ビールってとりあえず生、だけではないいろいろな楽しみ方があり、いろいろな種類に、いろいろな味があるのだ、と感じ入るばかりです。まだ未成年ですのでビールなどは飲んだことはないのですが、味、飲みごたえを詳細に述べられた飲みレポを前にしては唾を飲み込まざるを得ません。そして、そこにビールの歴史、作り方などの知識が紹介されることで興味深さが増しています。よくあるグルメ漫画といわれればそれまでではあるのですが、豊富な知識と体験に基づく漫画は、どんなにありふれた装いでも飽きが来ないし長く心の中に残るものです。今でも小学生の時に夢中になって読んだ「まんが世界ふしぎ物語シリーズ」や「まんが世界のなぞのなぞシリーズ」をよく覚えています。せっかくですので、このシリーズについても紹介しておきましょう。
この二つのシリーズ(「まんが世界の不思議シリーズ」は新シリーズも出ているので実際は三つのシリーズ)は児童向けの考古学漫画で、古代に起こった出来事についてを大人役が子供役に実体験を交えつつ教えるという形のものだったと思います(なにせ読んだのが小学生の頃でしたのでストーリーの細かい部分はかなり忘れてしまいました)。コメディ調ながらもしっかりとした知識にもとづく説明、面白いトリビアがあり、没頭した記憶があります。やはり、歴史関係のものを題材にすると、歴史自体創作以上に面白い物語という側面がありますので、面白くなります。しかしそこに、子供の視点のものと大人の視点のものがいることで身近に歴史のロマンを体感できます。またそういった、現代人側の登場人物の掛け合いなどでコメディ調となり、より面白くなっています。シリーズの中のものとしては「まんが世界なぞのなぞシリーズ」のムー大陸の話は当時非常に感動した記憶があります。確かこのシリーズは本に書いてある事柄をマシンでバーチャルリアル化して見るというものだったと思うのですが、この回ではムー大陸説を唱えた人の本が題材となります。そこで、現在の視点からの様々な反論が出てくるのですが、ラストの作家とムーの王とのやり取りが心に来るものでした(多分)。このように、知識が背景にある漫画というものは、普遍的な面白さを内包しているのです。
上では歴史を知識の魅力としてあげましたが、それだけではなく、別世界への興味という面でも魅力があると思います。つまり、今いる世界と似ているようで違う世界で最もリアリティーのある興味がわく世界というものを歴史は提示してくれるのだと考えます。昔の人が、旅の話を聞いてみたところのない場所を想像したように、我々は歴史を通じてみたことのない世界を思い浮かべるのでしょう。さて、このような別世界の日常を取り扱った面白い作品があります。「セントールの悩み」です。
残念ながら、僕はまだアニメしか見ていないのですが(漫トロ民のくせに)、この作品にある世界を眺めるのが面白いと感じています。主人公たちやその周りの人々の日常がメインで描かれているのですが、そこに少しづつ見えるディストピア的な世界やちょっとした歴史、世界の関係といったものが非常に興味深いです。少しリアル、しかし違うという付かず離れずな世界観は、それを眺めるだけでも楽しいものですし、考察してもいいものでしょう。アニメのワンフレーズですが気に入っているものがあります。「英雄は故郷に帰ると憲法を制定し、元お姫様と獣たちと末永く民主的に暮らしました。おしまい」というものです。読み聞かせの最後の部分ですね。こういうちらっと出てくるディストピアな世界を見て、少し背筋を凍らせながらも面白く感じるところがいいものです。「1984年」をイデオロギー的背景を考えずに楽しむようなものでしょうか。そういえば1984年にはビッグ・ブラザー率いる政党の存在が書かれていましたね。つまり、パーティーが存在するということです。おあとがよろしいようで(強引)。
p.s. どこかにありそうな別世界の描写をうまくしてくれる作家さんとして僕は三崎亜紀を非常に推しています。彼の作品群の中でも「失われた町」をはじめとする、緩く世界観を共有した物語群が特におもしろい。彼の本領は短編といわれますが、この長編の物語群は長編であるがゆえに世界についての描写が多く、どこかファンタジックかつミステリアスながらも実際にありそうな世界を何作もの物語にかけて堪能することができるので本当にマジでおすすめです!!(小説の話なので追伸としました)