mantrog

京大漫トロピーのブログです

【12/23】漫画読みサークルが無気力な僕にくれたもの

23歳もう一回留年しそう、kuraboです。
3年半の大学生活で大学や漫トロピーが僕にくれたものとは、僕が得たものとはなんなのか考えてみます。

Jitterin' Jinn - プレゼント  間に挟む動画は僕の気分に合わせたBGMです。


 僕の大学生活に勉強はほとんど無く、授業がある時間の多くを家で「そろそろ出なきゃ…」と思いながらパジャマでテレビを見て過ごしました。アルバイトも「来月からやるかも」と言い続け早45か月。光陰矢の如し。サークルもこの漫画読むサークルだけ、無気力で何も得られない、最もなってはいけないような大学生の僕が得たものとは。

【恋物語】 貝木のテーマ  今回のことから得られる教訓は・・・? 
 
 まず、読んだ漫画ですが漫画読むサークルに入ったからなのか、別の原因の無気力からなのか入学後かなり漫画を読むのを面倒に感じるようになってしまいました。ほとんど読んでません。しかし、このサークルに入ったことによる利益は間違いなくあります。以下の3つです。

  • 人間関係
  • 漫画、映画などを鑑賞する動機付け
  • 大嫌いな感想文を書かせられる機会
――人間関係

 大きくはないけど結構変なサークルでした(留年率も5割近い*1)。類は友を呼ぶってことなんでしょう。いろいろな思想(というと大袈裟かもしれないけど)を見ることができたし、会員と一緒に遊ぶこともあった。ピラタス*2や醤油*3は同回生、同性で仲良くできると嬉しくなります。年齢は一つずつ違うけど、親近感を覚えるのにはそれよりも入学時期が大事なんですね*4。いまひとつ趣味や話が噛み合わず仲良くなりきれないことをとても残念に思います。あと3か月以内に解決してほしい。またふゆ*5とは気が合い、先輩とは違って臆することなく自分の意見を話せてジェンダーの話をしたりします(お互い特にジェンダー論の勉強をしたわけでない)。あと理由はわかりませんが尊敬できる先輩も多かったです。

――動機付け

 漫画を読むサークルに入ったことにより漫画を読むことが義務のようになり嫌になった、と先に書きましたが映画も見るのを面倒に感じます。関係ないかもしれません。強制されることで漫画や、他の形式の作品に多少は触れました*6。サークルに入っていなければもっと鑑賞の機会が減っていたかもしれません。

――感想文を書く機会

 僕は幼い頃から作文(特に感想文)と言うものが大嫌いで小学校の授業では大体名前だけ書かれた白紙と向き合ったまま1時間を過ごし(二時間で書くときは針のむしろ)、先生に怒られて泣きながら放課後に書きました。中学高校では長い文章を書かされる機会はめっきり減り、作文から逃げ続けていたのですが、適当に「オタサーにも一つくらい入っとくか」と入会したサークルでこんな目に遭うとは。なんかすごい感想文を生み出す先輩方、どう見ても僕よりは書けている同回生たち、漫画を読む気力も経験もない僕。なかなかの劣等感*7でした。しかし、優しかったのでサークルの活動(会誌制作)はなんとか続けられました。その結果は現在ですが、まあ、大分マシになったんじゃないですか?僕は今では面白い(つまらない)と思った理由を説明するようにしているんですが他の人はどうしているんでしょう。 逃げ続けていた作文を僕が強制的にやらさせられたことは非常に得難い経験だと考えられます。批評ができるようになれば人との交流やコミュニケーションも広がるかも!これはかなり大きいプレゼントでしょう。

 ちなみに漫トロピーに入ったデメリットはあまり在りませんが強いてあげるなら、毎週金曜日に徹夜でボードゲームをする為、生活リズムが乱され*8留年したことでしょう。
 そういえば、麻雀やカタンの開拓者で遊ぶということを覚えたのもまた大きな収穫です!
 友達と集まってすること、初めに親交を深める手段は僕の場合は小中学校ではスマッシュブラザーズ、高校ではトランプ*9だったのですが大学ではボードゲームでした。じゃあ社会人では・・・・・・・・? 怖いです。


留年や授業などの大学生活から得たものもまとめるつもりでしたが長くなったので今回はこの辺でおわり。




漫画紹介ブログでしたね。

僕の小規模な失敗

僕の小規模な失敗

これは漫トロピ-で教えてもらった漫画、知る人ぞ知る福満しげゆきの代表作ですね。2年生くらいの強烈な劣等感に苛まれている時期の僕にはなかなか刺さった漫画です。下の脚注で挙げた「結構面白かった作品」にはぎりぎり入りませんでしたが僕が今思い出せるほど面白かった漫画はそう多くありません。自己肯定感が下がっている人におすすめです。
https://d2ktchr4dpd4o2.cloudfront.net/w0_h0/82db368e45cd5a305706e8524f19c4085d3a08dc.JPG
絵柄は僕も初めは好ましく思えませんでした。作者の顔写真を見たときは、全然よくない顔の男でよくもあんなに可愛く自分の漫画を描いたものだと少し憤ってしまいましたが、自己肯定感の低い人が主人公に自分を移しながら読むにはやはり可愛い方がいいんだろうと今は思います。

*1:留年しない人間は早くサークルを抜けるので入った人の半分が留年しているわけではない

*2:【12/21】Present for me 石黒正数短編集をよんで - mantrogを書いた人

*3:【12/20】粗品詰め合わせ - mantrog

*4:年齢が同じ先輩には覚えなかった親近感があった。不思議。

*5:【12/18】来世ではちゃんとします。クリスマスプレゼントなんていらないので彼氏をください。 - mantrog

*6:入学後見つけた結構面白かった作品
シン・ゴジラ 
・セッション 
グラン・トリノ 
ハイスコアガール(アニメ) 
有頂天家族(アニメ) 
メイドインアビス(漫画) 
ルサンチマン 
トーマの心臓 

*7:この劣等感が無力感を産み無気力を作る、再生産

*8:精神も蝕む

*9:100円をかけて何度も大富豪をやっていた

【12/22】プリンセス(R-18)

こんにちは。りるっとです。
今年のテーマ、「プレゼント」ですね。
プレゼント……プレゼ……プレ…プr……
『プププププリンセス!!』

作者、ゴージャス宝田さんの作品『キャノン先生トばしすぎ』(以下きゃんとば)に出会ったのが、1回生の春休みにしたエロ漫画選手権。エロ漫画に収まらない、少年漫画のようなアツさのある漫画描き漫画でした。見事選手権にて大賞受賞。
またゴージャス宝田さんの作品を読みたいなぁ、と思っていたところ、twitterのフォロワーさんにオススメされたので、アドベントカレンダーのネタにしようと買ってみました。


・ロリっ子ハーレム
銀河帝国のお姫様、魔界のお姫様、超古代文明のお姫様(アンドロイド)、天界のお姫様、妖精界のお姫様が「悪と戦うのがあなたの使命なのです!」と主人公のもとに駆けつけるお話です。わいわいしてて楽しい。


・表情がコロコロと変わる女の子達が魅力的
瞳の大きな女の子達が、リアクション過多めに動いて可愛い!!


・読まなくても良い各話のファンタジー世界観が好き
お決まりの流れとして、
ロリ5人との日常生活

突然、世界を滅ぼすレベルの敵が現れる

その敵に対応する世界観のヒロインが主人公と儀式(セックス)をする

儀式によって対抗する戦士が生まれ、敵を成敗する
という感じになってます。展開わかってるけど楽しい。こういうのすき。


・突飛なエロ描写
めっちゃおしっこ関連のプレイが多い/突然ボテ腹になって出産する等、実用性よりも、面白さに全振りしたエロ描写という感じです。
でも天使の妹が赤ちゃんを肛門から産みながら男性器を愛撫し、「全然ちっちゃくならないっ」「ん…もうっ知らないっ ハメちゃうっ」って言いながら嬉しそうに性器挿入し始めたところはちょっとかわいくて興奮しました。
あと妖精さんが全身を使って男性器を抱っこしてるのもめっちゃ可愛かった。


・5人の女の子とセックスし終わった後の最終話が胸熱
5話のオムニバスでおわらず、きちんと回収しきってうまくお話をまとめるのが本当に素晴らしいです。「きゃんとば」でも思いましたが、読了感がすごく気持ちいい

いい漫画でした。ぜひ読んでみてください!


サンタさんへ
私へのプレゼントに悩んで時間を割いていただくのも申し訳ないなと思うので、プレゼントに欲しいものをあらかじめ言っておこうかと思います。もちろん、これじゃなくても全然大丈夫です。
あの布 シンプル版 無地のグレー
http://anonuno.shop-pro.jp/
3000円ちょいだと思います。欲しいなぁ。

【12/21】Present for me 石黒正数短編集をよんで

こんばんは。ピラタスです。
このブログを読んでいる新入生がいるとしたら、「ピラ……誰?」となることは間違いないくらい、近頃は例会に行っていません。家で漫画を読んでいるということもなく、会誌にはランキングすら提出しないという有り様。
漫トロピーは漫画読みサークルであり、漫画を読まない人間は漫トロ辞めろと僕自身思っているので、あんまりこういう現状が続いたらお暇いただこうと思います…(というかランキング未提出の時点で非会員なのでは?)
なんにせよ漫画を読まない上回生は正しい意味で老害という気がしますが、それはともかく、未だにこうして会員としてアドベントカレンダーの打順が回ってくるあたり、有り難いことだなぁと思います。

さて今回のテーマは「プレゼント」ということで、石黒正数の初期短編集『Present for me 石黒正数短編集』の話をしようと思います。
石黒正数といえば、『それでも町は廻っている』で知られる漫画家ですが、先日発表された「このマンガがすごい!2019」で新作『天国大魔境』がオトコ編1位を受賞しましたね。

天国大魔境(1) (アフタヌーンKC)

天国大魔境(1) (アフタヌーンKC)

京大漫トロピー会誌2019秋号では全体13位だったみたいです。
それ町」とは毛色が異なる作品なだけに、今後どうなっていくのか注目ですね。


今回取り上げるのはそんな作者の初期短編集『Present for me 石黒正数短編集』です。

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

7点収録されており、デビュー作品である「ヒーロー」(2000)を除けば、その他はすべて2002年~2004年に発表されたものです。

全体としては、コメディチックで軽快なテンポの作品がほとんどですが
表題作である「Present for me」は
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黒作品には珍しくしんみりとした、そして最後には感動的な余韻を残す話になっていたり、また別の作品では
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コメディというよりはギャグに全振りだったりします。

面白いと思ったのは第4話の「カウントダウン」で


↓以下ネタバレ

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優勝賞金1000万円の映画コンクールに向けて作品の案を練る映画部の部員たち。テーマは「人類滅亡」
一人一人、3・4人ほどが自身の案を説明していくが・・・
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結局は、「案を練っている平和な部活動の様子」を撮影した映画であったというオチ。
なんだけど、
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なぜか優勝したらしいお金を燃やしている…
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というのも、UFOが襲撃して人類は滅亡寸前になってしまっていた……という、いわば「事実は小説より奇なり(映画だけど)」的なオチ。

お金燃やす説明にはなってへんやん

というツッコミはともかく、この話の面白いのは、まず説明したような二転三転するトリッキーな展開、に加えて、短い作中に多くの小ネタや伏線が仕込まれているところだ。
たとえば、コンクールに出した映画は低予算なのが想像がつくんだけど、冒頭で「部費は少ないので大層なものは作れない」と説明されていたり、最後のUFOのオチも、途中部員が案を出していく中で「隕石衝突はありがちすぎる」と却下されていたり。
そういったちょっとした話のつながりが感じられて、スムーズに読み進められるし、一種の気持ちよさを感じてしまう。


んだけど、ちょっと物足りない・・・


なんなんだろう、と思って第5話・6話と読み進めると分かる。5・6話はともに起承転結の付いたコメディ、という感じで、6話なんかは短編の中でも最も「それ町」に近い雰囲気を感じるのだが、両方面白い。何がって、会話劇が面白いのだ。

第4話に関していえば、移り変わるトリッキーな場面展開で読ませる力があって、終盤そういったものが回収されるのは魅力だが、読んでいる最中の段階では、各々の場面は正直平凡なものだった。「部員が作品案を提示する」という物語の都合上作者の魅力である軽快な会話劇が展開出来なかったんだなと感じる。


そういう点で、わたしも「それ町」のファンの一人だが、「それ町」は持ち味である会話劇を十分に発揮しつつ、巧みな場面展開に小ネタが数多く仕掛けられているという点で面白かったと思っている。


天国大魔境は、これまた作者の武器である軽快な会話劇が、物語の世界観もあって繰り出せていないが、どうなるだろうか……。

現時点では、正直よくわからないまま読み進めている私だが、今回短編集を読み直し、「終わってみれば、練りこまれていて面白い作品だったなぁ」と言っている未来の自分が見えた気がした。

【12/20】粗品詰め合わせ

醤油です。長い文章が書けないので、駄文を短く重ねます。

今年のテーマは「プレゼント」。言い換えればギフト。
そんなわけで紹介する漫画はコレ。

www.dlsite.com
DLsiteなら電子書籍版が来年1月21日まで半額。年齢や学年にモザイク入っててウケる。
LO作品で初めて買った単行本だと思う。中3のときとか?
”ギフテッド”と呼ばれる天才少女とその義兄のイチャラブセックス漫画。
ヒロインのあきちゃんは天才児の例に漏れず学校が嫌いで、家に引き籠ってミレニアム懸賞問題とにらめっこしたり、義兄とプロレスごっこしたりする毎日を送ってます。
学習能力が高いので、いろんな技を覚えるし、自分でアナル弄ったりもしちゃう。えらいね~。
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あきちゃんはそんな毎日で無問題かもしれないけど、周囲の大人はそうはいかない。彼女の才能を潰しているんじゃないか。自分のエゴで飼い殺しにしてないか。そういう責任感が肩を重くする。そこで、義兄の俊は彼女を海外留学に遣ろうとする。
僕の記憶では、あきが、自分に黙って留学計画を立てられたと怒ったり、結局義兄も自分をギフテッドとして扱うのかと失望したりして、二人の仲がぎくしゃくした後、仲直りセックスで留学エンドだったんだけど、読み直したら全然違った。やっぱり記憶って改竄されるんやな。
あきちゃん、たった3ページで留学を了承。ぎくしゃく皆無。ものわかり良すぎだろ。利口すぎるガキも考えもんですわ。というか、俺の記憶違いの話のほうが良くないか?
あと、才能より何より、私を愛してくれた貴方こそが最高のGiftでしたってオチ、さすがにダサくない?
まあシコいからいいんだけど。

漫画じゃないけど、昨年公開された"Gifted"もタイトル通りギフテッドを取り扱う映画だった。
ギフテッドに特別な英才教育を施すか、普通の人生を歩ませるかという問題がある。それを親権問題と絡めて描く話なんだけど、結論はそんなもん本人の好きにさせろやっていうリベラルなものだった。ありきたりなオチだけど、結論に至るまで会話を重ねる過程が大事なわけで、そのセリフ回しもオシャレだったので満足。同じセリフが異なるシーンに置かれることで意味が全く変わるのとか気持ちいいだろぉ?
あと、マッケナ・グレイスがかわいい。

今度アニメ化する『ぼくたちは勉強ができない』も、ギフテッドをネタにしたラブコメだよね。

ヒロインを理系、文系、体育会系で分けるのが雑って文句言われたけど、少年漫画のラブコメなんてそれぐらいでいいんだよ。東西南北とかさ……
最近の「勉強」さ、面白いんだよ。秋にやってた文系編なんて気持ちよくてイキ狂っちゃった。アンケートはアクタ・勉強・呪術を適当に並び変えて毎週出してた。
天文学やりたいけど理系が壊滅的な古橋文乃(以下、文系)は、進路について父親と対立していた。大学の数学教授である父は、文系にお前は理系の才能ないんだから諦めろと言って譲らない。主人公の唯我は文系を擁護しようと、彼女の父親に噛みつくも進展はなし。無理解な父に腹を立てた文系は、家出して唯我家へ転がり込む。今までは理系や体育会系の恋愛サポートに徹した文系にとうとうやってきたアタックチャンス。果たしてモノにできるのかー?

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大丈夫っすよ、ばっちぇできましたよ。
見てくれよ上の画像を。「起きてる」と「うぺぇっ?」大好き。母から娘へ受け継がれる思い、それによる父娘の雪解け、出しゃばらずにヒロインの背中を押す主人公。満点です。亡くなった文系のお母さんもきっと星になって見守ってくれてるよ。きっとゴールインしてくれよ。人気投票に従ってアスペ教師とくっついたら許さねぇぞ。

星と言えば星川リリィ。今期の覇権アニメ『ゾンビランドサガ』の話をして終わります。
美少女ゾンビが佐賀でご当地アイドルやって地域振興!って話。でも本当のゾンビは彼女たちじゃなくて、この平成の30年間で僕たちが消費してきたコンテンツたちだと思う。アイドルブーム、アニメによる地域振興、昭和vs平成、子役、ヤンキー、fate、男の娘、島村卯月、ラップ、Perfume氣志團三石琴乃…… 死屍累々となったコンテンツたちを、悪のフィクサー・Cygamesが蘇らせて踊り狂わせる。本当のホラーだ。もう二度と蘇らないように、今年中に火葬しなきゃ。
そんなわけで先日、西宮北口に行ってゼロ年代供養しましたとさ。さらばハルヒ、forever~。

尻切れ蜻蛉で終わり~。

【12/19】いくつになってもプレゼントは欲しい

三回生のきゃべるです。中学一年生まで本気でサンタクロースを信じていた人間には悲しい季節になりました。正直何も知らない小学生時代よりも金のありがたみを知った大学生の今こそ白ひげのボランティアに来てほしいです。

今年のテーマは「プレゼント」。
プレゼントは名詞なので視覚的にわかりやすいテーマですが、いざ漫画のストーリーとなると表現が難しいテーマだと思います。けれど今まで一度だけ、シナリオの積み上げの末に訪れたたったの1ページに対して、何より得難い「贈り物」だと感じた漫画があるのです。

それが今回紹介したい竹良実デビュー作『辺獄のシュヴェスタ』です。

舞台は15世紀のドイツ、魔女狩りに母親を殺された主人公エラが首謀者であるエーデルガルドに復讐を誓う話です。エラの意志の強さと賢さの力強い表現こそ、最も見てほしいおススメポイントです。

薬物も体罰も横行する劣悪な環境の中でいちばんの強敵は『己自身の復讐心がすり減っていくこと』です。復讐なんかに人生を費やすよりも、それを実行するだけの労力で幸せに生きればいいじゃないか。誰もが考えるこの意見を、こともあろうかこの話では復讐対象が展開してきます。復讐されるのを防ぐためにあえて幸せな道を示してくるのです。酷い話です。

きっと、二話で決心した時点でエラ・コルヴィッツの復讐は必ず成されると決定されていたのでしょう。けれどその他の結末は3年間の雌伏の日々で彼女が自ら選んだ生き方が呼び込んだものです。復讐対象である教会と同じように、目的のために小さな命は見捨てる生き方をしていれば、もっと早期に、早く決着をつけられたかもしれない。それでもあの結末に至ったのは彼女が決して良心を捨てないことを自らに課していたからです。

復讐をテーマとした物語は多く、復讐を止めるか否かの議論も使い古されてきました。昨今では机上で語られがちな復讐を軽い説得で止める展開を紙面上で見つけることは難しいくらいです。そんな飽和したテーマをメインに据え、どこまでも誠実に描き続けていくスタンスは本当にすごいと思います。

エラ・コルヴィッツが戦い続けた三年間への『報酬/贈り物』の象徴するシーンは一目見れば明らかです。どうかそのページまでたどり着き、彼女の選んだ道を見届けてほしいと思います。

【12/18】来世ではちゃんとします。クリスマスプレゼントなんていらないので彼氏をください。

こんばんは、ふゆです。

さて皆さんはプレゼントを貰うことと渡すことのどちらが多いですか? 私は圧倒的に後者です。
貰った数少ないプレゼントで一番嬉しかったのは金属製の猫の栞でした。そこそこ読書家で授業中も隠れて本を読むものの、ノートを適当にちぎったものを栞代わりにしていた私にとって、中学の頃友人がくれたそれは大変嬉しく重宝するものでした。
そんな自分語りはほどほどに、せっかくなので私流のプレゼントの選び方でも紹介しようと思います。

基本的に主体的にプレゼントを贈る相手と言えば、友人恋人家族、どんな人間か知っていることが多いと思います。(クリスマス会のプレゼント交換や、送別会で送り出すあまり親しくなかった先輩なら、面白みに欠けるけど日持ちする飲食品、無難なハンカチ、石鹸のような消耗品を渡しておけば失敗はないでしょう。)
それなりに親しい人間にプレゼントする場合、趣味を同じくしているのであればそこをどんどん深く掘り下げていいと思います。相手が持っていないと分かってる限定品とか普通に喜んでもらえるんじゃないかな。(入手が大変そうだけど。)趣味によっては手作りのものもいいかもしれませんね。
でもどんな趣味を持っているかは知っていても、自分がそのコンテンツにあまり詳しくない場合は難しいですよね。先日立ち読みした某女性誌では「靴好きな彼氏に靴をあげよう!」「アウトドア好きな彼氏にキャンプスターターセットをあげよう!」と書いていてびっくりしました。かなり危険な橋を渡っています。靴や服など身につけるものであれば、一概に好きといっても(好きなブランドを調べておいたとしても)好みや履き心地などいろいろ条件はありますから、やはり本人で選ぶのがベストでしょう。アウトドア好きな彼氏に初心者向けキャンプ用品は論外です。実際にするほど好きならキャンプの基本セットくらい持っとるがな。せめてどんなものを持っているかの確認ぐらいはしておいた方がいいでしょうね。二年前のNF打ち上げ*1では、某会員は好きな作家の画集を貰っていましたが、奇跡的に唯一持っていないものだったそうです。(すごい)靴関連であれば少し凝った手入れ用品がいいかなと思います。靴自体には興味があってもただの手入れ用品は気が進まなくて買っていないことも多いでしょうから。
結論として「相手の趣味について詳しくない場合は好みや持っているかいないかをしっかりリサーチしよう。それでもわからなければその趣味を補助するものを選ぼう。相手が普段なら買わないけど急に10万円貰ったら買いそうなものをあげよう。」という持論を提唱します。気持ちがこもっていれば何でもいいのかもしれませんが、私はできれば喜んでもらいたいです。独り善がりにならなそうなら、逆に相手を自分の趣味に引き込むようなものもいいかもしれません。

一応プレゼントを贈るときのこだわりがある私ですが、クリスマスにプレゼントをあげる相手がいません。悲しい。今年のクリスマスは天井を見ながらひとりでビールを飲みます。そんな私の紹介する漫画はこちら。

https://www.amazon.co.jp/dp/408792727X/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_Igt7BbRZABD3W

Twitterで話題の元OLいつまちゃんtwitter.com
による性的にこじらせた男女を描いた4コマ漫画です。ヤリマンだけど本当は寂しいし結婚願望もある桃江ちゃん、独特な距離感から女の子をみんなメンヘラセフレにしてしまう松田くんなど、中高生からOLまで様々な世代の女性たちから共感され、支持されています。Twitter発特有の画面の粗っぽさはありますが、その分作者の描きたいものが詰め込まれており内容は満足のいくものです。恋愛より趣味に没頭し、クリスマスイブもおそらく家に一人か麻雀をしてすごすであろう京大生男子、もとい漫トロ民はこの漫画を読んでどんな感想を持つのか楽しみです。今度持ち込んでみようと思います。

あと二年前の忘年会でまるたに貰った漫画がずっと見当たらないのでもし誰か持ってたら返してね。

乱文失礼しました。ではまた来年。

*1:NF準備、会誌作成に尽力してくれた2回生に毎年上回生が労いの意味を込めてプレゼントを贈ります。

【12/17】近代麻雀のはなし

こんばんは、前々会長の白黒です。
日々ぼんやり過ごしていたらもう年の瀬だそうで、アドカの季節がやってきました。更新遅刻しそうです。もう前回から1年たったのかと、月日の過ぎる速さに驚かされます。
17日という月の後半に割り当てられたことも、自分がもうすでに上回生になっていることを否応なく自覚させ、最近の厳しい寒さも相まって憂鬱になります。


極寒の今日この頃ですが、出版業界にも厳しい冬の季節が続いているようです。
先日僕の好きな雑誌の1つである「近代麻雀」が月刊化することが決まりました。『麻雀小僧』を終わらせ、「兎」と「アカギ」を失い、漫トロピーでは前々から「そろそろキンマはヤバい」、「廃刊の危機」などと言われていましたが、いよいよ現状の月二回発行のスタイルを維持する体力が尽きたと見えます。


月刊化が近代麻雀に少しでもプラスに働くように祈りながらいろいろ調べていたら、とある情報を発見しました。
今や近代麻雀での最長連載作品となった「むこうぶち」の50巻発売を記念して、kindle版1-49巻が各11円というとんでもないセールが実施されていました。

既刊を全部まとめ買いしても539円という、麻雀漫画を嗜む人からすれば買わない理由がないレベルのお得さです。
98%オフなんて実質タダみたいなもんで、これはもう竹書房から我々へのプレゼントです。
以前「天牌」でも似たようなセールをやっていましたが、その時と同様に即購入しました。さすがに大いに売れているようで、kindle漫画の売れ筋ランキングの1-49位を「むこうぶち」が独占していました。なかなかに見れない光景です。


儲けがほとんどないであろうこういうセールの是非はよくわかりませんが、「むこうぶち」読者が増えたこは間違いないでしょうから、これを機に麻雀漫画や近代麻雀が盛り上がりを見せてくれることを願いつつ、ここに紹介させてもらいます。


ちなみにこのセールは12月17日までだそうです。17日担当の本記事の更新が遅れたせいでこのセールに巡り合えなかった方は、諦めて定価で全巻買ってください。そのほうが竹書房も喜ぶでしょう。



おわり