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京大漫トロピーのブログです

【12/14】I am but mad north-north-west.

 今年の漢字は「北」ですね。北欧からこんにちは。醤油です。
 北北西はスウェーデンにね、ドーンと行った次第です。

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

 この漫画の舞台はアイスランドだけどね。この「北北西」は、ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』をリスペクトしてるんでしょうが、さらに元を辿ればシェイクスピアの『ハムレット』の台詞に当たります。

 I am but mad north-north-west. When the wind is southerly, I know a hawk from a handsaw.
 (北北西の風ならまだしも、南風が吹いていれば俺はまともだ。鷹と鷺の区別がつくように、物事の分別は出来るつもりだ。)

 ハムレットが、己が偽りの狂気を装っていることを友人に告白する際の台詞です。鳥は風に乗って飛ぶものだから、南風が吹いていれば、我々は、北へ向かう鳥を太陽を背にして眺めることが出来ます。日光に目を眩まされることなく、飛ぶ姿をはっきりと見られる訳です。ところが、北北西の風が吹くとき、これはおもに朝方らしいのですが、ちょうど太陽に向かって鳥が飛ぶので、鷹か鷺かも分からなくなってしまう。周囲はハムレットが狂気に取りつかれたとばかり思っているが、実際は逆なんだぞ、と風向きに喩えて説明した台詞なのです。
 ちなみに、ハムレットの舞台はデンマーク。まあ、スウェーデンと大して変わらんやろ。舞台になった城も、17世紀にスウェーデン王が落としたらしいし。

 今年のテーマは「夜」ですが、『十二夜』や『真夏の夜の夢』を書いたシェイクスピアを題材にした、今年刊行の漫画を2つ紹介します。

『お気楽シェイクスピアの二日酔い劇場』

 『あそびあそばせ』や『りとる・けいおす』の涼川りんが、別名義で送る8コマ漫画。嘘と誇張と少しの史実で、稀代の文豪を茶化します。文豪つながりで、コナン・ドイルが3世紀もの時を跨いで友情出演しています。
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シェイクスピア(1564-1616)とドイル(1859-1930)、夢の共演

 感想としては、それなりに面白いけど、上記涼川りん作品には見劣りしますね。ただ、権威あるものを虚仮にするのは古典的な笑いの一つだし、大事な姿勢だと思います。盲目的に「文学」を有り難がっちゃうのは……やめようね! 現在の文学、つまり英文学を主流としたそれは、本来は中産階級が労働者を効率よく指導するために成立した、低級で新参の科目なんだってアーノルドが言ってた、ってイーグルトンが言ってた。TDN教授も言ってた。あ、これも権威主義的やね。それでもシェイクスピアぐらいは読んでも、或は観ても損はないかもね。さもないと、小学生にマウンティングされちゃうよ。

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少年少女による四大悲劇マウンティング



 さて、もう一作。こっちは真面目です。
『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』


 『BECK』や『ゴリラ―マン』のハロルド作石の最新作。2011年にビッグコミックスピリッツで第一部が完結、そして今年、講談社に移籍して再開。
 シェイクスピアは謎というか不明な点が多い人物で、「お気楽~」でもよくネタにされています。

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長期の失踪、低学歴、年増女との出来婚などなど。


 『7人のシェイクスピア』は、その謎に対して意外な答えを提示します。なんと、シェイクスピアの正体は、7人組のプロダクションだったのだ!
 ……タイトルそのままですね。しかし、失踪の理由は、彼が敬虔なカトリック教徒で国教会の弾圧から身を隠していたから。低学歴なのに高等な劇を作れたのは、プロダクションに才知あるカトリック神父がいたから。年増女と子供は、プロダクションのメンバーの身分を隠すためだった、とそれぞれ面白く理屈がついてしまうのです。話運びも上手いし、時代描写も丁寧で楽しく読めます。
 シェイクスピア・プロのイカれたメンバーを紹介しましょう。まずは、野望に満ちた主人公であるランス・カーター。本名はウィリアム・シェイクスピア。片田舎に生まれた学のない青年ですが、国教会の弾圧に復讐心を燃やし、地位と名誉と自由を得るべく劇作家を目指します。劇作家になることは、エリザベス朝時代における、数少ない立身出世の手段だったのです。そして、ランスの親友で、商才溢れる青年のワース、中国出身の少女で、詩の天才であるリー、教養豊かなカトリック神父のミル、本の行商人で、深い学識を持つトマス、作曲と演奏に優れたアンと、その息子で、まだ幼いながら物語の構成に長けたケインの6人が、ランスの下に集まります。最後の2人が、年増女とその子供ですね。
 物語を発表するのはランス(シェイクスピア)ですが、彼の仕事は監督に近かったという訳です。ほかの6人がそれぞれの役割で才能を発揮し、それを彼がひとまとめにする。1+6という構図も相まって、シェイクスピアポケモントレーナーに見えてきました。目指せ、戯曲マスター。歴史学的な説得力の程度は知りませんが、大胆で奇抜な発想には心が躍りますし、少なくとも、物語としての説得力は十分にあります。
 また、成功を掴む物語である以上、やはりライバルは不可欠です。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』に影響を及ぼした『マルタ島ユダヤ人』、その作者であるクリストファー・マーロウが、本作での宿敵です。彼は当時の大人気作家で、英国政府のスパイでもあり、ついでにケンブリッジ大学卒のエリートでした。駆け出しの劇作家で、カトリック教徒で、低学歴のシェイクスピアにとっては、あらゆる点で立ち塞がる脅威なのです。マーロウも、失踪や暗殺など、多くの謎に包まれた人物なので、今作で大胆に描かれることを期待しましょう。
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左は「7人」でのシェイクスピアとマーロウ、右は「お気楽」での二人

 この「NON SANZ DROICT」は第二部に当たります。第一部では、シェイクスピアの失踪期間が描かれていますが、読まなくても問題ないように作者も工夫しているそうです。僕自身も、第一部は6年前に雑誌で読んだきりで、あまり内容を覚えていません。

 ……なんかもう疲れてきちゃった。本当は例年通り、父娘漫画の話でも書きたかったんだけど、漫画を読む余裕がなかったんだ。この記事も、退屈だったら御免ね。北北西の長い夜のせいで、気が弱っているんだよ。狂いそうだ。I am but mad north-north-west. 帰国して、暖かい南風に当たれば少しはマシになるかもね。醤油でした。

【12/13】究極の世界

どうも漫トロ一回生の北田です。
締切は守れましたか…?
守れませんでした。なんてこった。

最初はスマホから記事書こうとしたら全然上手いこといかないのでパソコンに変えて書いて寝落ちしたら記事が消えてたり色々言い訳したいですが割愛。
と言えば私は電気毛布を敷いた布団に入って温もりながらスマホして寝落ちするだけ。最高だ。次の日授業受けたくねぇな〜とか夜明けて欲しくねぇな~とか思ったりしたりしますが世の中にはおちおち寝てられない次の日を迎えれるかも分からない世界で生きる人達もいるんです。←???
というわけで極限状態の世界で生きる人々の漫画を紹介します。
まずはBLAME!
漫トロ内で弐瓶勉弐瓶勉と騒いでいるのでこいつまたかよ…と思われるがゴリ押ししていく。
ストーリーは縦横無尽に増殖し続ける都市を舞台に主人公霧亥が都市の暴走を止めるカギとなるネット端末遺伝子を求めて如何なる物をも貫く最強の銃重力子放射線射出装置を片手に都市を旅すると言うもの。
この漫画はまさにに相応しい漫画で絵がとても暗い。というか黒い

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無編集です。暗すぎんだろ
この世界はとある厄災後、何処からか運ばれて来る重金属と建設機械の群れにより果てしない年月をかけて今も建設され続けており全体は把握出来ません。作中の時間経過もデカいよ。移動に2ヶ月とか回復に10年とか。とにかくスケールが大きい漫画と思ってくれたらいいです。
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建造物が月を覆い被さろうとしている頃。厄災後3000年経過
まあこんな世界な以上経済も産業も無いし農業も出来ないので都市のどこかに通っている食料管?から変なドロドロした液体を食ったりして生きていてまだそれだけならなんとか生きていけるような気はするんですがセーフガードという超厄介な存在がいまして…
基本そいつらのせいで物語序盤中盤に出てくる普通の人間のモブ達はバンバン死にます。終盤に至ってはバケモノ達の壮絶な殺し合いが続き人間が一人も出てきません。
この漫画は語りだしたらキリがないので後は頼んだAmazon次は漂流教室
漂流教室 文庫版 コミック 全6巻完結セット (小学館文庫)

漂流教室 文庫版 コミック 全6巻完結セット (小学館文庫)

超有名作品ですね。
超端的に話すと主人公の翔くんの通う小学校がまるごと人類が資源を吸い尽くし破滅した未来の世界に飛ばされてそんな世界で生き残れという話です。残された数日分の給食だけでどうやって生徒全員食い繋ぐんですかねぇ!?もちろん小学生同士での争いが始まります。小学校の中という狭い世界で繰り広げられる子供達の人間関係が極限状態でどう作用するのか見どころです。この作品もテーマのが何回も活かされていて作中ではバケモノから身を守る為に体育館に籠城して怯えながら夜を過ごしたりとにかく夜が明けて次の日を迎えれるかという描写が多い。楳図かずおの絵描く迫真の表情描写による壮絶な小学生同士の醜い争いがとにかく読んでて圧倒されるぞ。
皆まだ小学生だというのに責任感と勇気、判断力と仲間を想う気持ちの持ちっぷりが凄い。こいつら逞し過ぎんだろ…まあ徐々にそんな余裕も無くなっていくんですけどね。
終盤あたりの死の行進、危険な天国、飢餓集団の連続3話はBLAME!とは違えど究極の世界で足掻く人々の姿がマジで面白いので未読の人は是非読んで欲しい。
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極限まで腹を空かした小学生たち。何を食おうとしているのかな…?
タイピング能力が無いので死ぬほど打つのに時間がかかる…
これ以上遅れるわけにはいかないのでとりあえず投稿するか…

とりあえず後で加筆修正します。

【12/12】嫁キャラについて語る夜

こんにちは、新次郎です。(12/13でのタイトル変更申し訳ございません。)
皆さん今夜は何してますか? 私はTAMUSICの2次創作音楽を聴いたり、来年2/4にあるとある戦いのための準備を進めたりしてます。
さて、突然ですが、12/12と言えば皆さん何の日かわかりますか?
新名神高速道路高槻〜川西間開通日?
それとも難波土竜遺棄事件記念日?
両方違います。
今日は、
からかい上手の高木さん』第7巻発売日です!

イエーイ!
え、嬉しくない? なんで?
この漫画、来年1月8日、9日の深夜にアニメ化されるんですよ? 高木さんを愛する私としてはこの上なく嬉しいことなんですけど。(「夜」は深夜アニメの「高木さん」とかけました。)

私は、7巻を今日の実習が終わった直後に買いに行きました。どれも面白かったんですけど、今回は特に気に入った話をレビューします。(ネタバレ注意)

「入学式」:高木さんと西片の馴れ初めの話。入学式から悪目立ちした西片に目をつける高木さん。高木さんのハンカチを西片が拾ったせいで初日に遅刻してしまった西片を高木さんは面白がった。これが西片にとっての地獄(笑)の中学生活の始まりなんですね。西片を照れさせる高木さんが最高に愛くるしかったよー。

「スポーツテスト」:この頃はまだ「西片君」呼びか。用意周到な高木さんに西片は勝つ術もありません。

「お土産」:高木さんは変顔が得意です。山本崇一朗先生は高木さんの変顔を極力描かないようにしてるんですが、この回に高木さんの変顔が描かれてました。
まあ、西片の妄想なんですけどね。

「催眠術」:高木さんと西片の催眠術ごっこ。高木さんのアヘ顔ダブルピースを拝むことができます。

「大福」:開始早々高木さんが舌出してて萌え。てか、大福って中学校に持って行って良いのか?

「宝くじ」:「照れたら負け」を地で行く話。西片は高木さんのことが好きなのかなー。高木さんはそこに付け込んでからかってるけど。

「約束」:出だしに下策で高木さんを驚かそうとして失敗した西片の姿はお笑いだったぜ。高木さんって西片の気持ちを巧く利用してからかってるけど、西片のデートの誘いに応じたあたりやっぱり高木さんは西片に気があるのかな。

ついでにゲッサン1月号分も。(ネタバレ注意)

「年末1」:珍しく高木さんが負ける話。と思ったら夢オチかーい! 本当は西片は1年間全敗だった様で。西片は高木さんに一矢報いようと、勝負を仕掛ける。

「年末2」:西片の負けフラグが何本か立ってるけど、勝てるのか? 勝敗の行方は読んでからのお楽しみですのでぜひ読んでね。

以上、長々と「高木さん」のレビューをしました。
高木さんは私の嫁です。 7巻特典の高木さんとのデートカレンダーを見ました(高木さんとデートする気分を味わいながら)
制服、琉装、水着姿、ハロウィンコス、体操服、サンタコス、振袖、そして私服。 どの高木さんも天使でしたけど、一番良かったのは最後のラフ画ですね。
どの高木さんも見てて鼻血が出そうになってしまいました。

普段は私、男キャラに萌えるんです。個人寄稿でも書いたラディッツちゃんを筆頭にヤムチャ天津飯なんかが代表的な男キャラ萌えの対象です。また、最近始めたアイドルマスター sideM に出てくる可愛いらしい男キャラ軍団にもいちいち卒倒してしまいそうでした。「DB」3大萌え戦士といい、Mマスの子たちといい、どの子も天使なんだもん/// 彼らの抱き枕が欲しい。

そんな中で高木さんは女性キャラの中で唯一私が愛せる存在なのです。男キャラにしか基本萌えられない私にとって高木さんは女神です。今回7巻で山本崇一朗先生は私を萌え殺しにかかってきました。流石です。

さて、皆さんは去年末どう過ごされましたか? 私は去年末にかなり辛い出来事があって心が壊れてしまいました。今も故障してます。今年の最後は何もなければいいなと願う夜を送っています。

今年は平穏に年を越すことができますように。

【12/11】競馬入門

どうも初めまして、今年入会したファービーです。漫トロ1年目ですが3回生です。今年のテーマは「夜」らしいですね。地元から京都に越してきて約2年半、恋人ができたこともない僕は、日々さみしい夜を1000回近く繰り返してきました。千夜一夜物語ですね(意味不明)。しかし、いきなり「夜」で何か記事を書いてと言われても難しいですよね。夜…黒い…ブラック…12月24日…、
キタサンブラックだ!!!!
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ということで競馬に関する記事を書いていきたいと思います。
友達とかに競馬の話をすると、「所詮ギャンブルだろ」みたいなダーティなイメージをもたれがちなんですが、実際は思考が9割と言われるくらい頭を使います。今日は11日だから11番の馬の単勝を買おうみたいなスタンスだとまず当たりません。ではどういったことを根拠に馬券を買っていくのかを述べていきましょう。僕が大事にしているファクターは大きく4つあって戦績、血統、騎手、トラックバイアスとなります。これらを整理したり複合しながら予想していきます。

1.戦績
まず競馬の予想する上で欠かせないのがそれまでのレースの実績です。当然前回勝っている馬は人気します。12月24日に行われる有馬記念でも、G1(もっとも強い馬が集うレース)を6勝しているキタサンブラックは実績的に当然1番人気が予想されます。
 しかし、結果表だけ見て順位の情報を単純に取ればいいというものではありません。先日のジャパンカップ(G1のレースの一つ)でキタサンブラックを下したシュヴァルグランの前回の結果は京都大賞典3着であり、7歳牝馬であるスマートレイアーに負けています(競馬における7歳はプロ野球でいうところの40歳くらい)。じゃあスマートレイアーシュヴァルグランキタサンブラックという不等式が成り立つかというと、そうではありません。ここで大事なのは競馬は必ずしも強い馬が勝つわけではないということです。京都大賞典というレース展開を見てみると、レース場の内側を先行した馬がほぼ上位を独占する(馬場の内側が綺麗で走りやすかったから)という展開でしたがシュヴァルグランだけは後ろから大外を回りながら3着に入っています。このことからこのレースで1番強い競馬をしたのはシュヴァルグランであると評価できますね。
こういった風にレース内容まで把握しておかないと場合によって戦績分析は予想にとって逆効果であると言えます。

2.血統
血統も競馬を予想する上で大切です。そもそも競馬はブラッドスポーツとも呼ばれていて、優秀な戦績を残した個体の遺伝子を次世代に残して行こうとします。現代の日本競馬で求められるのは高い瞬発力であり、ほとんどの馬がサンデーサイレンスという馬の血をもっています。今のリーディグサイアー(自分の子供の勝ったレースが一番多い馬)はご存知ディープインパクトです。ただ今年のG1を勝った馬でディープインパクトを父に持つのは皐月賞アルアインのみであり、時代が変わりつつあるのかなという気もします。
 それで血統をどう予想に結びつけていくかというと、血統とレースに求められる資質を合わせていくことが重要です。例えば、天皇賞(春)というレースがあります。このレースは全レースの中で最長の3200メートル(平均は2000メートルくらい)を走ります。このレースで必要とされるのは瞬発力よりもスタミナとタフさです。そうなってくるとサンデーサイレンスの血統よりも欧州の馬であるロベルト系特にトニービン血統の方が期待値は高くなりますね。現に今年の天皇賞春はトニービンの血を持つ馬が2,4,5着に来ています。
 ただなんでもかんでも血統の枠に当てはめて考えればいいわけではなくて、当然例外もいます。今年の天皇賞春を勝ったのはキタサンブラックなんですが、この馬はまさに例外中の例外です。この馬の母はシュガーハート、父はブラックタイド、母父(母方のおじいちゃん)はサクラバクシンオーです。
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父であるブラックタイドディープインパクトの全弟ではありますが、基本的に1800〜2000の中距離を得意とした馬です。母父であるサクラバクシンオーに至っては日本競馬史上最強のスプリンターと呼ばれた馬で、1400メートル以下で12戦11勝 の結果を残しています。一方でキタサンブラックは2000メートル以上の長距離を主戦としていて、そこで圧倒的な成績を収めています。このように馬は各個体として見なければいけません。血統はあくまで馬の見方の一つであると言えるでしょう。サラブレッドでも駄馬は駄馬です。
みどりのマキバオー』の主人公マキバオーも大型犬のような体躯をしていますが、血統的にはサラブレッドです。競馬漫画の中でレース展開を非常に熱く描いているのがこの作品の特徴ですね。

みどりのマキバオー (1) (ジャンプ・コミックス)

みどりのマキバオー (1) (ジャンプ・コミックス)

3.騎手また馬に乗る騎手も予想にとって重要な要因の一つです。人馬一体となってレースするわけですから、人間の手腕次第で大きく結果が変わることもあります。極端な話、僕がディープインパクトに乗ってもレースに勝つことはできません。基本的に競馬において人3馬7ほどの重要差があると言われています。換言すると野球の監督と選手ぐらいの差でしょうか。
今は外人ジョッキーたちがG1レースを牛耳っていると言っても過言はありません。かつてはヨーロッパのシーズンが終わった外人ジョッキーが10~12月に日本に稼ぎにくると言った形でしたが、ミルコ・デムーロクリストフ・ルメールという騎手が日本の騎手免許をとり、1年中日本で戦うようになりました。
そんでもってこの2人のレースの運び方のうまいことうまいこと。G1のデムーロに至っては彼の乗った馬の馬券を買うだけで回収率は200%を超えます。意味わからん。
騎手にも特徴があって、有名な武豊京都競馬場では非常に巧みなレース運びをしますし、岩田騎手はインから差すのが得意です。競馬を始めたばかりの人が回収率をあげるなら騎手買いするのがベターですね。日本人も優秀なジョッキーを育てて欲しいものです。『白星のギャロップ』はそんな騎手育成学校での生活を描いた漫画です。体重管理とか厳しいんやなあ…。マンガワンで読めます。

白星のギャロップ 1 (裏少年サンデーコミックス)

白星のギャロップ 1 (裏少年サンデーコミックス)

4.トラックバイアス
トラックバイアスという言葉を聞いたことがない人は多いと思いますが、要は芝状態のことです。例えば天気が雨だと芝が湿って走りにくくなり、時間がかかるようになります。サトノクラウンなんかはまさにそう言った環境で活躍する馬ですね。逆に、芝が軽いと全体的にレースラップが早くなります。今年の皐月賞馬のアルアインは9番人気ではありましたが、持ち時計(過去のレースタイムの速さ)が一番早かったし、その時は高速馬場だったのでトラックバイアス予想をすれば当たりますね。
他にも差しが決まらず前残りになる馬場、内枠ばかりくる馬場など日によって馬場は変化するので直前のレースから芝状態を読み切ることが大切です。
『ウイナーズサークルへようこそ』は競馬予想をテーマにした漫画ですが、トラックバイアスの話はなかったと思います。この漫画、意味不明な予想方法がいっぱい載ってて笑ってしまいます。ちなみにクソ漫画です。

競馬における予想とは
僕はここまで書いた4つの要素を元に馬券を買います。馬券にも種類があって、1位を当てる単勝、1.2位を順不同で当てる馬連、1,2,3位を全て当てる3連単etc…。
当然3連単はロマンあふれる馬券で、配当も高いですがこればっかり買うのは良くないですね。そもそも単勝控除率は80%なのに対して3連単は72.5%しかありません。損な馬券です。
競馬における馬券選択や買い方っていうのは自分の予想を表現するための道具です。この1頭は絶対くると思ったら単勝を買えばいいし、5頭の実力が拮抗してると思うなら3連単のBOX買いをしましょう。自分の考えが馬券で表現できて、レース展開を含めた予想が全部当たった日にはそれはそれは気持ちいいですよ。脳汁出まくりです。
もう一つ大事なことはどの馬が来るかを予想するだけじゃなく、どの馬がどれくらいの確率でくるかまで予想するかが大事だと思います。結局生き物が関わる世界で絶対はないし、途中で落馬や怪我があるかもしれない。そういったのを鑑みてオッズと照らし合わせながら買う馬券を決めていくといいのではないでしょうか。ジャパンカップを例にとれば、シュヴァルグラン単勝13.3倍は付きすぎですし、3連複13倍は付かなすぎです。
どうです競馬に興味湧いて来ましたか?興味が湧いた人はぜひ僕と一緒にクリスマスイブに有馬記念のLV行きましょう!!

【12/10】夜といえば......猫!!!

初めまして。漫トロ1回生の鳥と申します。
アドベントカレンダ―のテーマ『夜』。夜といえば......寒い! 寒いと言えばコタツ! コタツと言えばネコ! ですよね
こじつけ感満載ですが、今夜はネコ漫画をご紹介します♪
ネコさん、最近SNSでも見ない日はないですよね~ ネコ漫画も商業、非商業とたくさんあります。まさに、ネコ漫画戦国時代!! 作者たちも愛猫を抱え、日々苦心していることでしょう。

そんな中、一つ光る漫画が.....

くるねこ 5

くるねこ 5

これです。『くるねこ』です。
作者のくるさんが飼い猫たちと生活しつつ、捨てネコたちの里親探しに奔走します。くるさんはネコをよく拾う体質だそうで、悩んでもどうせ拾っちゃうんだから見つけたら即拾うようにしているそうです。いや~太っ腹ですね。
おすすめポイント(独断と偏見)は 
・ネコの表情
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可愛いネコが可愛いことをするだけの漫画じゃないんです!
著作権的にアレなので詳しくお見せできませんが、作者独自の視点から、この漫画のネコさんは個性的に描かれます。なので、ネコさんの小さな行動が面白く、読んでいて楽しいです。
そして、ネコさんという生き物相手。すべての出来事が優しいとは限りません。
たまにこんなシーンも 

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作者(くるさん)が現飼い猫ポ子と出会った経緯です

けれど作者さんは悲観することなく、たくましく?ちゃかしつつ?ネコさんたちと生活していきます。そのスタンスが私は好きですね。詳しくは、ぜひ漫画のほうを......ニッコリ
漫画以外にも作者(くるさん)は、YouTubeニコニコ動画でネコさんの動画を上げたり、「くるねこ大和」というブログで日々のネコさんとの事をつづったり、捨て猫の里親募集もしています。興味のある方はのそいてみてはいかが?

他に推したい漫画は

とりぱん(6) (ワイドKC モーニング)

とりぱん(6) (ワイドKC モーニング)

とりぱん』です!
北の国から作者さんが庭にくる様々な鳥に餌をやり、その際見えた光景を面白可笑しく、たまに詩的にした漫画です。
作者さんが食べる事大好きで、北の国グルメ?もありますよ♥ ワラビ採りの話が私は大好きです。

えっ? ネコ漫画じゃないって? 実はね、ネコも出てくるんですよ!この漫画!
鳥とネコと自然とグルメにほんとお得な漫画です、冬の夜長にお1ついかが?

この漫画で、小学生の頃私は初めてファンレターを書きました。そしたら、綺麗な絵ハガキをいただいて、むっちゃ嬉しかったです。自慢ですよん、ベイベー。

【12/9】寝る寝る寝るね ~僕は寝るのが好きなんじゃい!~

 皆さんこんばんは。アドベントカレンダー12月9日担当、「三度の飯より睡眠が好き」一回生のレニです。今回のアドベントカレンダーのテーマは「夜」ということで、夜には欠かせない「睡眠」をテーマに書きます。

 僕は寝るのが大好きです。寝るために起きているといっても過言ではありません。高校時代、学校生活で一番好きなのは二度寝の時間でした。高校寮で毎朝行われる7時20分の点呼を終えて、まだ自分のぬくもりが残っている布団にくるまると、そこはもう幸せの世界。ぎゅっと枕に抱き着けば、2時間目の数学の予習をしていないことなんて忘れてしまうくらいに胸いっぱいに充実感が広がるのです。二度寝が好きすぎて最も効率の良い二度寝は何かを研究しWordで6ページくらいの文章にまとめて高校の生物部に提出したことだってあります。
 今でも寝るのは大好きで、休日なんかは夜に寝付いてからそのまま翌日の午後まで寝ていることだってあります。オフトゥンの魔力には何人たりとも抗えない。睡眠マジヤバいです。気持ち良くて疲れも吹っ飛んで意識もトばせて幻覚まで見れるのに合法だなんてマジヤバい。枕を抱いて一夜を共にし気持ち良くなるなんて、実質これはセックスなのではないでしょうか。


 さて、人間の三大欲求は食欲・性欲・睡眠欲とは申しますが、飯漫画やエロ漫画は世の中に数あれど睡眠漫画というものが少ないのはこれいかに。こいつぁ睡眠大好き人間である僕にとっては非常に由々しき事態だ。てなわけで、貴重な「睡眠漫画」を2作品紹介したいと思います。
 まずはこれ。今年の漫画なのに僕以外誰もランキングに入れてなくて少し悲しいので、供養です。

 主人公は学校では完璧美少女を演じているが、家では別の顔を持っているという「干物妹!うまるちゃん」体質の女の子、西城ルネ。彼女は外の世界ではお嬢様のようにふるまい、皆の尊敬のまなざしを集めているのですが、家の中では「エボる」、すなわちコンプレックスである胸をevoluteするために成長ホルモンの分泌量を増やすべく、日々睡眠について研究・調査を行い、数々の快眠法を試行し追究を続けているのです。太陽光を浴びてセロトニンを出すために冬の寒空の下水着で草むしりをしたり、夜に強い光を浴びてメラトニンの分泌を阻害することが無いよう、スパイ映画ばりの帰宅術を見せたり、その努力は涙なしには見ていられません。
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闇に生きる者
 かつて睡眠について研究した身としては、科学的根拠に基づいて貪欲に、しかし理性的に快眠を求めるその姿には非常に共感を覚えますね。嘘です。快眠を求めるあまり知識に振り回されしまい、しかしそれでもなお快眠を求め続けるその姿勢が非常に健気。そして最後にこの寝顔。かわいい。
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くう

 そして「魔王城でおやすみ」。

 魔王城にとらわれてしまったスヤリス姫は、その圧倒的な環境の悪さから不眠に悩まされてしまい、それを改善すべく本能のままに睡眠を追究する、という話です。この漫画では姫が幼さゆえに無邪気に、あるいは残酷に快眠を求める姿が非常にかわいらしく描かれています。姫が快眠を求めて行動するたびに魔王城全体が振り回され大混乱に陥る、でも姫はそんなことお構いなしに、何も考えずに淡々と目的を達成していくのです。
 姫は自分の快眠のためならばどんな手でも使います。布団のシーツの質が悪いと言っては一反木綿のような妖怪「おばけふろしき」を斬殺してシーツを作り、朝の光が浴びられないと言っては伝説の光り輝く神剣を盗み出して陽光代わりにしたりと、ほーんとにやりたい放題。しかもやることがいちいちぶっ飛んでる。

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ジャキンとね
 その睡眠欲に抗わない姿勢と無邪気であるが故のナチュラサイコパス具合がなんとまあ本当にいとおしいことこの上ないのです。そして最後にこの寝顔。かわいい。
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すやあ


 以上、理性と本能、二つの立場から快眠を追究する漫画の紹介でした。それでは皆さん良い夢を。僕もこの浮世を離れ穢れなき幸せの世界へ行ってきます。おやすみなさい。

【12/8】人生確率論で突き詰められるくらい賢くなりたいですね

1353です。最近は話題に上がっているのを聞きませんが一時期(少なくとも今年の前期までは)漫トロピー内では人狼がプレイされていました。そこで人狼には昼夜の概念があるので人狼をテーマにして書いてみたいと思います。
そうは言いますが筆者はド下手です。人と話すことすら苦手なのにあまつさえ論理のすり替えとか出来ないのですよ。じゃあどうすれば勝てるのかってことで人狼を対戦ゲームというカテゴリーから俯瞰して考えてみると定石暗記が一番手っ取り早い話になるわけですね。特に筆者は経験則に照らして考える人間なので。
しかし人狼はコミュニケーションゲームであり心理戦の側面を持ちますから、ただセオリーに追従してれば勝てない、というのも事実です。いくら確率論的に正しいことをしていても相手に裏をかかれてしまえば終わりであるし、それをヤンキープレイと言って攻めるのは的外れなわけですね。また理論を説得できるか、ということも大切です。
人狼弱者なのに人狼の話を続けるのは相互不経済になってきました。ここでアドベントカレンダーとは自分語りをする場であるらしいので、自分の趣味の一つであるポケモンからこの問題について考えてみたいと思います。ポケモンはそもそもポケモン自体が多く、そのポケモンがどんな技や道具を持っているかわからないなど非常に情報の非対称性の強いゲームです。ある程度のプレイヤー間での共通認識によって選択肢は絞られこそするものの、必然的に試合の中で『択ゲ―』が生じます。しかし、この時のプレイヤーの選び方は確率論に必ずしも忠実ではない、n個の選択肢があっても必ずしもそれぞれの選択肢を選ぶ確率は同様に確からしくありません。具体例を挙げます。(諸々の要素はありますが簡略化して)HPが4割まで削られたボーマンダと「化けの皮」がのこったミミッキュの対峙でとる両者の行動を考えてみます。ボーマンダミミッキュに先制でき、「化けの皮」が残っているので「捨て身タックル」を2回当てればミミッキュを突破できます。しかしミミッキュ側は「じゃれつく」でボーマンダに5割のダメージを与えることができます。しかしこの技は10%で外すのでボーマンダは「羽休め」でHPの半分を回復することを続け、技の回避を狙えば勝つことができます。しかしミミッキュは「剣の舞」で1ターンを代償にダメージを二倍にできるので、「羽休め」を使ったターンにこの技を使えば勝利できますが、「剣の舞」のターンに「捨て身タックル」を使われると負けてしまいます。ここまでの状況を読み飛ばした人は、要はカイジのEカードみたいなものだと思っていただければいいです。ミミッキュ側は基本的に「じゃれつく」を選択することが安定です。ボーマンダ側が「羽休め」を選んでも次に同じ状況になりますし、「剣の舞」を読まれて「捨て身タックル」をされたら勝ちです。しかし「じゃれつく」を連打すればするほどはずれの可能性が増大し、負けにつながりやすくなります。ポケモンをしない人でも何すればいいかはわかると思うのでよかったら次の段落に移る前に自分だったらどうするかを考えてみてください。

筆者はこの状況に幾度と遭遇してきましたがその殆どでミミッキュは3~4ターン目までは「じゃれつく」を、その次のターンで「剣の舞」を選択していました。確率論的に言えば(0.9)^5≒0.60ですし、上で考慮していない要素も考えても「じゃれつく」を連打したほうが有利であるといえます。また、別のプレイヤーが捜査しているはずにもかかわらずミミッキュの行動に再現性が見られる、不特定多数のプレイヤーが選んだ行動が同じ結果に偏るというのも不思議な話です。延々とこのブログの読者には需要がないであろう話を続けた後話を人狼に戻すと、人狼を含め対人型ゲーム、殊心理要素の強いゲームはセオリーや定石についてただそのセオリーや定石の中身があるのでなく、その定石となる行動をとった場合の周囲の人間の反応もパターン化することができてそれも含めて定石であるのだろうと考えています。そういうこと考えながら生きていきたいですね。……というのはポケモンウルトラサンムーンが出てから全く勝てない自分への自戒です。サンムーンならレート1870あったのに。偉そうなこと書いといて普段の例会でもカタンや麻雀、糞雑魚なんだよなあ……。

漫トロピーは漫画を読むサークルなのでいい加減に漫画の話題をします。
汝は人狼なりや? http://puripeni.web.fc2.com/
今や商業誌のweb展開も当たり前の時代で、個人投稿の漫画もpixiv等集団投稿サイトへの投稿が主流になりましたが、web漫画黎明期から始まって今も続いている数少ない個人サイトでのweb漫画です。人狼弱者の自分にはさっぱりわからないぐらいには緻密に論理を立てながら人狼しています。

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それでも密室ゲームという題材自体の面白さや表情だけでキャラの感情を伝える表現力、web漫画特有の謎のノリ(緻密な論理を展開する傍らでのエロシーンとか)と、面白い作品です。(『HUNTER×HUNTER』を初め、情報の非対称性を扱った作品は面白いですね。)
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Web漫画は良くも悪くも編集の手がかかっていないというのが特徴だと思います。商業主義を意識する必要もないから読者に受ける展開(分かりやすさ、掲載誌の慣習、漫画上お決まりの展開…)など意識する必要もなく、のびのびと書きたいものを書くことができています。また画力に訴える必要がないため中身で勝負することもできます。だからweb漫画を下手に商業化すると失敗するというのが私見なんですよね……『ワンパンマン』は、あれはあれでいいと思うのですが、ONE先生の原作のほうが好きです。
 漫トロピー内でweb漫画が話題に上がっているところもあまり見ないので他にも紹介しておきます。
カオスちゃんねる web漫画読もうぜ http://chaos2ch.com/archives/1311549.html
この記事が上質にまとまってるのではないでしょうか。載っていないのでお勧めなのは『のび太人類補完計画』あたり?あとタイトル忘れた作品が二作ほどあります。
何か一作進めろと言われたら『世界は回るいつまでも』ですね。そういえば今年の漫画で『死因とあそぼ!』というのがありますが、オマージュでしょうか?お金がないので誰か買って検証してください。